ポケットの中に、つぶやきを
思いついたこと。
その時の気持ち。
説明のつかないようなこと。
誰かに聞いて欲しいわけではないが、言葉にしたいこと。
そういう「呟き」は、ポケットに入れたメモ帳に書いている。
溢れる、こぼれ落ちる、言葉
呟き:小声のひとりごと。
呟きが漏れる、とは表現するけれど、
呟きを言う、とは使わない。
いっぱいになった心の淵から、ふとこぼれ落ちるような言葉。
呟きとは、そんな心のささやきを指す言葉だと思う。
それが現代の辞書にはこうも添えられている。
呟き:ツイート。
最新版では「(Xに)ポストする」に修正されるだろうか。
確かに、呟く=SNSでの投稿を指すというのは現代において正しい表現と言えるかもしれない。
けれど、元々の意味の「呟き」からはだいぶかけ離れた行為だ。
誰かに見られることを前提にした「呟き」は、本当に「呟き」なのだろうか。
ポケットの中に、呟きを
些細な気付き。
思いついたアイディア。
感じたことのない感情、その時の状況。
目に映るものの美しさ。
不意に思い出した、過去の笑い話。
突然パッと言葉が流れ出る。
いっぱいになった心からこぼれ落ちる言葉を、私はスマートフォンではなくポケットのメモ帳で受け止めている。
・お茶に合いそうな濃厚チョコレート菓子を食べたい。
・髪型を変えて、眉毛の形も変えて、なんか気持ちが軽い。
・すり胡麻と炒り胡麻、どうせ擦るんだったら炒り胡麻だけで良いのでは?
・私って、形に対するこだわりがあるのかも?丸よりカクカクしたものが好き。
自分にしか価値のないことが、ポケットのメモ帳には沢山書いてある。
あえて鉛筆で、紙に書く。
私の愛用品、ダイゴーのメモ帳。
サイズはスマートフォンより小さいし、軽い。
私のポケットにはスマートフォンの居場所はない。
代わりに、いつもメモ帳がいる。
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