映画『クスノキの番人』を観て、亡き父に思いを馳せた日
爽やかサプリです。
先日、映画『クスノキの番人』を観ました。
クスノキ、というワードが心に引っかかって、昨年、前売りのムビチケカードを購入。
その予感は的中し、エンドロールまでに3回は泣きました。その魅力をお伝えします🙏✨
※ネタバレありなので、鑑賞されていない方はご注意ください。
『あらすじ』
物語は、理不尽な出来事によって人生の歯車を狂わされた主人公玲斗(れいと)が、不思議な役目を引き受けることから始まります。
それは、ある神社に立つ「クスノキ」を番人として守ること。
人はなぜその木を訪れ、何を願い、何を残していくのか。玲斗はクスノキを通して、他人の人生と、そして自分自身の過去に向き合っていく。
この映画の主人公は『1人』ではありません。
血の繋がらない息子に託した、亡き父の想い、
クスノキに入る父が毎回歌う、鼻歌の秘密。
どのストーリーにも、さまざまな人の想いが重なり合い、そこには大きな『愛』が宿っています。
予告動画はこちらに💁♀️
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『なぜ作られたのか?』
今作品の伊藤智彦監督は、2018年ごろから東野圭吾先生の作品の映画化オファーがきていました。その後、2020年に出版された『クスノキの番人』も手に取りますが、その時は映画化するつもりはなかったといいます。
その後、世界を震撼させたコロナ禍で『志村けん』さんの死のニュースを見て、あらためて原作を読み直したそうです。
「あぁ、このクスノキがあれば何か言葉が聞けたのかもなぁ」
その思いが映画化のきっかけになったのだと、インタビューで語っていました。
今やコロナ禍を忘れた人がほとんどかもしれません。けれど、当たり前に共に過ごした人との突然の別れを経験したり、入院中も病室を隔離されているため、直接手に触れることも、言葉すらも交わせなかった—そんなもどかしい思いをした人は、実は数えきれないほどいるのではないのでしょうか?
コロナ禍は決して遠い過去などではなく、いつ自分の身に降りかかってもおかしくない現実です。今こそ当たり前の幸せをしっかり噛み締めながら、観るべき作品なのかもしれません。
『3つの感動ポイント』
映画を観ながら、何度も涙が溢れて止まらなくなるシーンに出会いました。その3つのシーンをご紹介します。
【感動ポイント①】
インスタント焼きそばに宿る思い出
主人公の母はシングルマザーです。
女手一つで育ててくれましたが夜のお仕事のため、玲斗はほとんど手料理を味わったことがありません。
けれど、夜中仕事から帰ってきた母の作る『カップ焼きそば』が、玲斗は大好きでした。ホクホク湯気を立てている焼きそばを、皿に取り分け一緒に食べる。たとえ手料理ではなくても、そこにはあたたかな『愛』がたくさん詰まっていました。
その回想シーンで、涙が止まらなくなりました。
まるで、亡き父がよく私に分けてくれた、『インスタントラーメン』にそっくりだったからです。
父はお酒が大好きでした。そんな父のお気に入りは、お酒の〆に作るインスタントラーメン。
私と姉が物欲しそうに見ているとかならず「いるか?」と、気前よく分けてくれたんです。
このシーンはそんなささやかな、けれど特別な時間を思い出させてくれました。
【感動ポイント②】
母親の大きな愛に気付いた瞬間
二つ目のポイントは、原作に描かれていない“再会”のシーンでした。
クスノキの中で、主人公が出会う亡き母。
赤ちゃんの自分を抱っこして、「玲斗を産んで良かった」と笑う、まだ年若い母。
母に声をかけることはできない。なぜなら目の前の光景は伯母の記憶に過ぎないから。それは派手な演出ではなく、むしろとても静かなシーン。
けれど、母の言葉を聞いてからボロボロと涙が溢れて止まらない玲斗を見て、私もおなじように泣いてしまいました。
それは、主人公がやっと母の大きな愛に気づけた瞬間。
親を失った人なら誰もが心のどこかに抱えている想いを、そっとすくい上げられた気がしました。
【感動ポイント③】
記憶の底に残っていた祖母の『想い』
これは、ヒロインの佐治優美のエピソードなのですが、認知症の祖母にピアノを演奏するシーンです。
認知症を患い車いすに座る祖母。
孫である優美がピアノを奏でた瞬間、いきなり祖母が車椅子から立ち上がる。そして、かつてその曲を作った亡き息子の名前を呼びながら、むせび泣く。
認知症で忘れてしまったはずの時間の奥に、確かに残っていた“愛”が、音楽によって呼び起こされたのです。
人は、すべてを忘れてしまうわけじゃない。
名前も、出来事も、関係性も失われていく中で、
最後まで残るのは、「想い」なのかもしれません。
『配布特典 クスノキの裏技』
チケットを見せると、書き下ろし短編集を受け取りました。全31ページ、あっという間に読んでしまいました🙏✨ストーリーは映画の後のエピソードで、グイグイ引き込まれてしまいました。
原作も、いつかゆっくり読んでみたいと思います📚

さらにジーンとしてしまう😂✨
『主題化もピッタリ♫』
主題歌を担当するUruさんの歌声も、この物語にそっと寄り添ってくれます。
前に出すぎず、感情を煽りすぎず、それでも、エンドロールで流れた瞬間、心の奥に溜め込んでいたものが、ゆっくりとほどけていきました。
とても穏やかな時間で、ぬるま湯に浸かってるような温かな時間でした。
『最後に』
『クスノキの番人』は、奇跡の話ではありません。
けれど、人と人の間に確かに存在する、“目に見えないもの”を信じさせてくれる映画でした。
主人公もその伯母も、「自分には価値がない」という思いに苦しめられています。これは、多くの人が侵されている病ではないでしょうか?
自分よりも価値のあるように見える、キラキラした他人。ますます自信を失ってしまう自分。
でも、本当は誰だって暗い気持ちや辛いことは、訪れる。けれど、そのことを忘れて自分を投げやりに生きてしまう。
本当は、誰しも『価値』はあるのに。
そんな世の中だからこそ、この映画は作られたのかもしれません。
今こそ、私たちの価値を思い出すために。
日本の巨木ランキングの上位10位中、
9位を席巻するのは『クスノキ』たちです。
日本の各地で私たちを見下ろす、大きな大きな、
『クスノキ』たち。どんな気持ちで私たちを眺めているのでしょうか?
いつか彼らに会いに行き尋ねてみたい。
そういえば、私の通った小学校の校門にも大きなクスノキがありました。
校歌にも、『クスノキそびえる学びやに』という一文が入ってます。もうすでに、出会っていたことをようやく思い出しました。ずっと校門の横で、私を見守ってくれていた。
週末は雪が降るほど冷え込むそうですが、今の私はカイロに包まれたかのようにポカポカ。
このあったかい心を抱きしめて、今日はゆっくり眠ろうと思います。
それではまた、次の更新でお会いしましょう。
映画レビューをまとめています✨ 共に語れたら幸せです☺️💕

