【世界でもっとも孤独なクジラ 】誰にも聞き取れない52ヘルツの音域で鳴きつづけるクジラの話
もしもあなたの全力の叫び声が
世界の誰もが聞き取れないとしたら
それでもひとりで生きていけますか?🧩【クジラの音域】
クジラやイルカは
海の中で独特の音を出して交信しています。
水のなかでの交信は個体値にもよりますが、
500km以上離れたところでも
観測できるそうです。
通常のクジラの音域は
10~39ヘルツで鳴くそうですが
今から30年ほど前に
全く異なる音域で鳴くクジラの個体が
発見されました。
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🧩【世界でもっとも孤独なクジラ】
1989年に海のなかの波長を
どこの波長にも類似していない
クジラの鳴き声が計測されました。
その音域は『52ヘルツ』
そして音源はひとつ。
つまり、世界でたった一頭だけの鳴き声。
どのクジラの耳にも届かない
世界の誰とも交信できない音域です。
その後も調査隊は10年以上に渡り
調査を続けますが
個体を特定するには至りませんでした。
分かるのはどんな生き物とも
交信できないままに成長を続ける彼の声だけ
人間の耳に拾える10倍の
520ヘルツにした鳴き音がこちらです。
【世界でもっとも孤独なクジラの鳴き声】
(Wikipediaより)
このクジラは
混血種であること
あるいは
奇形種である可能性が
報告されたものの
特定まで至っていません。
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🧩【自分の声がこの世の誰にも届かない】
地球の表面の30%の陸地に住む人間。
私たちはその地球の30%ですら
生涯くまなく行くことはできず、
その地表の30%のほんの
1%未満の土地で生涯を終える人がほとんどです。
一方、
海の表面積は地球の70%
広大な海のなかをクジラの速さで
年間に数万km単位で移動しても
誰とも自分の音域で話すものには出会わない。
孤高で孤独なクジラは
さみしいのだろうかーー
それとも
だれからも邪魔されない
尊い唯一無二の境地にいるのかーー
もしも自分の心の叫び声が
世界の誰もが聞き取れないとしたらーー52ヘルツのクジラは
人間という心が不安定で
決して強くはない生き物から見ると
崇高な存在に映ります。
孤独なクジラに思いをはせ
自分の心を投影していく人間は
数々の作品をつくっていきます。
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🧩【”52ヘルツのクジラ”を題材にした作品】
この52ヘルツのクジラから
着想を得た作品を紹介します。
【2021年本屋大賞受賞作】
『52ヘルツのクジラたち』
町田そのこ著
「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」
愛情を知らずに近しい人から
虐待を受けつづけながら
育ってきた女性・貴瑚が
たどりついた海辺の街。
そこで、
母親に「ムシ」と呼ばれ
存在を否定されながら生きる少年と出会う。
貴瑚と少年の過去に触れつつ
未来にまなざしを向けるための1冊です。
【孤独な環境を肯定的にとらえる絵本】
『52と呼ばれたクジラ』
ながいしょうご作
父親の転勤でアメリカに来たユウト。
孤独な環境に一人閉じこもるユウトに
彼の父親は声は聴こえるけれど、
姿のみえない52と呼ばれたクジラの話を始めます。
ユウトの内面の成長を描く、
海洋ファンタジー作品です。
本を読み進めていくなかで
自分の声を誰かに届ける機会すらない
環境下にある人たちがいるということに
気づきます。
広大な海を群れをつくれず
誰とも交信できず
ただ一匹で広大な海を泳ぐクジラに
思いをはせながら
秋の夜長のおともに
本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
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🧩【おわりに】
今回は52ヘルツの音域で鳴くクジラを
紹介しました。
簡単に人と交信できる時代になった現代。
ですが、
SNSでつぶやいても
こうして
noteに記事を起こしても
反応を得られる確証はなく
ただただ発信するだけです。
それでも
誰かのもとに届くとよいと思いながら
今日も記事を書いています。
僕たちの声は文字は感情は
誰かに届いているでしょうか。
こうして交流できる場に
恵まれていることに
感謝をしつつ
自分の音域を保ちながら
今後も発信を続けていきます。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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