キッチンを好きでいたいから清潔にした。
テスト前になるとなぜか急に机の上を片づけたくなり、失恋したら髪を切りたくなるのは、なぜだろう?
わたしの場合は、机の上をキレイにするとやる気が生まれるような気がしたし、失恋したときは新しい自分に生まれ変わりたかった。
ずっとずっと、いい気分でいられるにはどうしたら良いのだろう? そのためにできることはないだろうか。そんなふうに思っていたとき、わたしが出した答えは「掃除」や「片づけ」をして、家を整えることだった。

汚れている場所が清潔になると気分がいい。家族も気分が良くなる。
最近、停滞ぎみかも。気分が鬱々とするなあ。そんなときは、掃除をして清潔にすると「流れ」を変えられるような気がした。
例のあのウィルスが世間で騒がれはじめたあの頃から、不安な気持ちが生まれることがあった。
『家族が感染したらどうしよう』
こわがる自分が好きじゃない。
わたしにできることはない?
出した答えは、キッチンを整えることだった。
毎日使うキッチンは、家族の健康を支える場所だ。そこを清潔にすることで、不安を消せるかもしれない。

キッチンを整えようとしたのは、例のウィルスの不安と共に、キッチンに立つのが、つらくなってしまうことがあったからだ。
人間だもの。いつもコンディションが良いとは限らない。仕事で疲れているときもあるし、寝不足が続いたり、40歳を過ぎてからの体調不良もある。
『ごはんをつくりたくないな』
そう思ってしまうこともある。
だからといって家族に、
「夕食はカップラーメンを食べたらいい」
「たまには、あなたたちがつくったら?」
なんてことは言えなかった。誰かに指図されたわけじゃないのに、家庭内での自分の”役割”だと思っていた。妻だから、母親だからと勝手に謎の重荷を背負っていた。
たまに、ごはんをつくる
たまに、お弁当をつくる
たまになら、ハードルは低い。けれど、毎日となると、とたんにハードルは上がる。毎日続けていくためにはどうしたらいいのだろう。
気分を上げていくことから始めてみようか。
見てみないふりをしてきたこと。心に引っかかりがあるのに先延ばししていたことから手をつけてみた。幼児だったころから使っていた娘のプラスチック製のごはん茶碗。それを陶器製の大人サイズへ変更した。

益子陶器市へ行き、家族で選んだ新しいお皿。お魚をのせてみようかな。心踊る美しさ。

引っ越し祝いで頂いたアラビアのお皿は大切に使いたい。金継ぎをして使い続けている。

こうして片づけをして、気分を上げて、整えていったキッチン。以前よりも「好き」という気持ちが高まった。
キッチンでの作業はスムーズになり、置いてあるモノがうまく循環するようにもなった。冷蔵庫を片づけ終えてからは、何がどれくらい入っているのかがわかりやすい。同じ商品を間違えて買ってしまうことも、ずいぶん減った。

あまり利用していなかった冷凍食品も導入したし、買ってきた野菜が余ったときは、刻んで冷凍するようになった。
ランチタイムは外食することが減り、お弁当を持っていく生活に変化した。

朝はキッチンで始まり、夜はキッチンで終わる。
料理をつくり続けるために、
・ 朝は洗い物がない状態からお弁当をつくる
・ 寝る前に洗い物をためない
2023年現在、
「清潔のマイルール」になっている。

最後に1つだけ伝えたいことがある。
これを読んで、『自分の家のキッチンは散らかっている。遠い世界の話。わたしには関係ない』そう思ってほしくはない。
なぜなら、わたし自身が片づけられなくて苦しんできたから。清潔で整ったキッチンを縁遠く感じ、ときに胸に痛みが走り、雑誌の収納特集を見ては、ため息をついてきた。
わたしは不器用な人間だ。要領が悪いし、仕事と家事の両立ができない。
だけど要らないモノを減らして、掃除をして、入れ物を整えてと、スローステップならできた。1人でするのがむずかしいなら、家族や整理収納アドバイザーの助けを借りてもいい。
モノの定位置が決まっていて、スムーズに調理が進む気持ち良さを、あなたにも味わってもらいたい。片づいたキッチンで料理をするのは気分がいいから。
人生はたのしいことと、つらいことが交互にやってくる。つらいときは心が乱れてしまう。きっと、再びキッチンが散らかることもあるだろう。だけど、一部だっていい。整っている場所があることは、そんな自分を支えてくれる一助になるのではないだろうか。
毎日つかうキッチンが整っていること。それは不安を消すだけではなく、人生に躓いたときの支えになる。なぜなら、毎日の暮らしそのもが良い気分でいられるのなら、それは人生そのものが「たのしい」とイコールなのだから。
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