父の不倫相手は、友達のお母さんでした⑧── 母の気持ちを、今さら想像する
この話を書きながら、
ふと、大人になった今の私は思った。
母は、あの時どんな気持ちだったんだろう。
父の不倫相手が、
まさか自分の娘の友達のお母さんだったと知ったとき——
どんな感情が渦巻いていたんだろう。
私は、あの手紙を見つけた時、
涙も出なかった。
ただ、時間が止まったようだった。
でも、もし母がそれを最初に知ったときのことを想像したら、
胸がぎゅっと痛くなる。
一緒に子どもたちを送り迎えして、
一緒に笑ったこともあったかもしれない。
そんな相手に、
家庭を壊されるなんて——。
私が泣くよりも前に、
母の世界は、静かに崩れていたのかもしれない。
それでも、母は
私を守ろうとしたのかな。
それを取り戻すために。
あるいは、自分を守るために。
あんな行動に走ったのかもしれない。
私はまだ、母のすべてはわからない。
でも、今ならこう言える気がする。
「私、ここまで来たよ」って。
