ブルーノート東京でBob Jamesを聴いたり香水を買うなどと
5/1は、ブルーノート東京へBob Jamesを聴きに行った。トリオでの来日。わたくしはブルーノート自体は2か月ぶり。前回は結構寒かったのに、もうこんなに暖かくて時間の経つ速さに驚く。
予約時から狙っていたセンターのボックスシートは埋まっていたので、サイドのソファ席にした。
2曲目で「Feel Like Makin’ Love」が始まった瞬間、大学時代のジャズ研の記憶がぶわっと蘇ってきて、気づいたら涙がダラダラ流れていた。涙って止まらなくなることあるんですね。
10年以上前のメンヘラ時代は、かまわれたくて無理やり涙を捻り出していたので、自然に涙が溢れて止まらん😭みたいな純粋な人間に育ち直すとは思いもよらなかった。
Bob Jamesは御年86歳。
もう日本に来るのはこれが最後なのでは?と、頼まれてもいないのに勝手にセンチメンタルになる。
しかしステージに上がる彼は、歩いているときも、演奏しているときも思ったよりずっと元気で、そして少々ふくよかにも見え、その姿にこれまた頼まれてもいないのに勝手に安心した。
つい最近、90歳の祖父がかなり弱っている姿を見ていたから、その差に勝手に驚いてしまう。同じ高齢でも、こんなにも違うのかと。人によるわな。
私の行った初日1stセットの客層はかなり落ち着いていて、年齢層も高めだった。余計なノイズがない。めちゃくちゃ居心地が良い。
ジャズは、いつだってなんでこんなに気持ちいいんだろう。
その場、その瞬間でしか成立しないバランス。決められた正解がなく、非常に流動的だがきちんと成立する。
「なんでそれで最後ちゃんと合うんw」みたいな箇所が多いので、いろんなジャンルの中で圧倒的にジャズが好きである。予測できないことばかりが起きるからである。試合の結末が最後までわからないサッカーの試合のよう。
私は、決められたものをきっちりやるのが苦手だからこそ、あの幾多の揺らぎの中で成立している感じにずっと惹かれているんだと思う。その瞬間に立ち会った人間にしか共有できないものが確かに存在して、体に刻まれていく感じ……最高すぎるよォ…………
さて、帰りの表参道。
普段はこんなおしゃれ街なんかに用事もないためほとんど来ないが、担当美容師におすすめされた香水専門店へ行ってみた。
先日、美容室で「めちゃくちゃいい匂いしますけど何ですか?」と、セクハララインを慎重に見極めながら聞いたところ、快く教えてくれたからである。心の広い美容師で本当によかった。
その店は、美容師曰く、香りのプロフェッショナルによる接客体験が非常に良いらしい。
接客にやたらうるさいおばさん神奈川県代表としては、行かない理由がない。
入店直後、明らかに感じの良い女性スタッフが自然な笑顔で現れ、私はさっそくときめく。今日の目的と好みをサクサクとヒアリングしてくれたが、無駄がないのに、流れ作業感がない。こちらの意思決定をスムーズにするための質問だけを的確に投げてくる。なんだこれは……すごスンギ
結果、あっという間に3つに絞られた。
店内は香りが充満していて、香りがバグるので、その場で嗅ぐためのコンディションはそんなに良くない。
ゆえに紙に吹き付けて試したり、その紙を持って外に出て嗅がせてくれたり(!)、最後は腕に乗せて時間経過を見たりと、あらゆる条件で試させてくれた。
特に面白かったのが、同じ香りでも場所と状況で全然印象が変わること。店内で嗅いだ柑橘系は圧倒的に良くて、普段なら即決していたと思う。でも、3つ目の少しシャンパンっぽさのある香りが、自分の体に乗せたときに一番しっくりきた。最終的にそれを選んだ。店内だけで即決せず、よかった。
こんなに気にいる香りに出会えるだなんて、なんて幸せな時間なのだろう。普段はTシャツにスウェットで、自転車で街を爆走している人間からすると、表参道は完全に異世界だ。
しかし、たまにはよい。
少しだけ着飾り姿勢を伸ばして、違う街を歩くことで、違う自分に触れられる気がする。
普段都内に通って仕事をしており、見慣れた街ではあるが、人も多く心が躍動するような出来事もないのでさほど魅力に感じてはいない。
しかしこの夜はその瞬間にしか存在しない音と、自分に馴染む香りを選ぶ時間は、都内のあのエリアだからできたことだと思うので、たまにはいつもと全然違うそういうことをしちゃってみるのも楽しいなと思った。
おしまい
