虹色のババロアに、私は負けた
私は、ロルバーンが好きだ。
毎朝書いているモーニングページ用と、旅ノートには、ロルバーンを長く愛用している。
特に、ロルバーンダイアリーが発売されるこの時期は危険である。
毎年、可愛い柄がたくさん出る。
そして私は、可愛いものに弱い。
なので今年は、見ないことにした。
SNSで流れてくるロルバーンダイアリーの情報も、できるだけ見ない。
「今年はどんな柄かな〜」なんて検索もしない。
お店にも、できれば近づかない。
これはもう、成人向け雑誌を見ないようにする思春期の男子くらいの強い意志である。
……とはいえ、今回デルフォニックス大阪に行った目的は、ロルバーンダイアリーを見るためではない。
旅ノートに使っている「ロルバーン フレキシブル」のリフィルを買いに行ったのだ。
ロフトなどの文具店でも、ロルバーンは買えるが…フレキシブルのA5リフィルは、なかなか売っていない。
必要なものを買って、さっと帰る。
それだけ。
私は、固い決意を胸に肥後橋へ向かった。
そして、デルフォニックス大阪に到着。
店内に入る。
目的のリフィルを探す。
無事発見。
よし。
これで帰れる。
……と思ったところで、視界に入ってしまった。
ロルバーンダイアリー。
そりゃそうだ。
今まさに発売時期なのだから。
お店の一番目立つところに、ずらっと並んでいる。
見ないほうが無理である。
「いやいや、見るだけだから」
私は自分に言い聞かせる。
「買わないよ。家にいっぱいあるし」
そう。
我が家には、積ンロル(未使用のロルバーン)がたくさんある。

その在庫量、なんとモーニングページ用ノートにすると2年分くらい。
つまり、今ここで新しいロルバーンを買う必要性は、限りなくゼロに近い。
むしろゼロである。
だから大丈夫。
見るだけ。
「へぇ〜、今年も可愛い柄いっぱいあるなぁ」
*店内撮影OKでした。


……。
危ない。
かなり危ない。
でも、まだ大丈夫。
私は崖っぷちで踏みとどまっていた。
「可愛いなぁ」と思いながらも、
買わない。
だって、家にある。
積んロルがある。
私は理性的な大人である。
そう。
私は、ロルバーンを買わない。
買わないったら買わない。
……そのはずだった。
そこに、
そいつはいた。


虹色のババロア柄のロルバーンダイアリー。
…………。
………………。
はい、買います。
一瞬だった。
さっきまでの葛藤は何だったのか。
「家にいっぱいあるし」
「買わないって決めたし」
「見るだけにしよう」
そんな私の理性を、虹色のババロアは一瞬で吹き飛ばした。
だって。
虹色だ。
Jasmine.なら、もう分かると思う。
虹色=WEST.
これはもう、理屈じゃない。
遺伝子レベルで刻み込まれている。
虹色を見た瞬間、
「WEST.やん」
となる。
そして、
「WEST.やん」=「欲しい」
となる。
完。
いや、早い。
あまりにも早い。
ついさっきまで、
「絶対買わないぞ!」
と強い意志を持っていた人間とは思えない。
即落ち二コマである。
我ながら清々しい。
そして、レジに向かう。
こうして私は、家に積んロルを大量に抱えながら、新しいロルバーンダイアリーを1冊増やした。
……でもね。
後悔はしていない。
だって、可愛いんだもん。
しかも虹色なんだもん。
これからこのロルバーンを使うたびに、
「これ、WEST.みたいで可愛いなぁ」
って思える。
そう考えたら、もう十分に買う理由になっている気がする。
必要だったか?
と聞かれたら、
たぶん、必要ではなかった。
でも、
欲しかった。
そして私は、「必要なもの」だけで人生を埋め尽くしたくはない。
「これ好き!」
「これ可愛い!」
「これ見たら嬉しくなる!」
そういうものも、ちゃんと自分の生活の中に置いておきたい。
……まあ、そんなことを言いながら。
次にデルフォニックスへ行ったときも、たぶん私は新しいロルバーンを眺めていると思う。
家にはまだ、積んロルがあるけど。
だって、ロルバーンって可愛いから。
そしてもし、そこにまた虹色の何かがあったら。
私はたぶん、こう言う。
「はい、買います。」
