給食のない夏休みだからこそ美味しい栄養を 『自家製椎茸焼売と茶めし定食』【公式】料理研究家 指宿さゆり
夏休みの家族の食卓。『おうち外食』が叶える本当の満足感と豊かな食育
夏休みのお昼ごはん。この日は、子どもと一緒に手を動かして作った『自家製椎茸焼売と茶めし定食』を用意しました。
肉厚で大ぶりな椎茸の旨みをしっかりと感じられる手作り焼売に、香ばしい茶めし、丁寧に引いたお出汁で仕立てた具だくさんのお味噌汁と、彩り豊かな小鉢たち。一口食べた瞬間、『めちゃくちゃ美味しい!』と家族みんなの笑顔が弾け、食卓が一気に華やぎました。

大ぶりの椎茸はずっしりと存在感がありコストもかかりますが、口に入れた瞬間、素材そのものの旨みがしっかり主張してくれます。良質な食材と丁寧な火入れによる『本物の味』は、一口目の風味や広がりで違いがすぐにはっきりと伝わるものです。
我が家では日常的に手料理を基本とし、食材から調味料まで妥協せず、完全無添加で素材から一から作ることを大切にしています。食材にきちんとお金をかけ、手間を惜しまないことは、単なる節約や家食ではなく、外食以上に満足感があり、身体が喜ぶ栄養を届けるためです。
昨今の外食産業を見渡すと、定食などのランチでも1,500円〜2,000円が一般的になりました。しかしそれだけの価格であっても、裏を開けば添加物や外国産の食材が多く使われ、冷凍食品や解凍品で構成されているケースが少なくありません。
一方で、わずか数メートル先にスーパーがあるにもかかわらず、手前のコンビニで加工食品を選ぶ人が多い背景には、明確な科学的理由が存在します。
人間の理性的判断を司る『前頭前野』は、1日に約35,000回もの意思決定を行うことで『決断疲労』を起こします。特にスーパーでの買い物は「食材の組合せ・栄養バランス・価格・調味料」など多重の認知負荷を要求される高度なマルチタスクです。多忙や子育てで脳のエネルギーが低下すると、前頭前野の機能が低下し、脳は省エネのために直感的な『システム1思考』へと切り替わります。
また、加工食品に多く見られる糖質と脂質の組み合わせは、脳の報酬系を直撃し、自然界の食材の数倍から数十倍という異常な量のドパミンを放出させます《超正常刺激》。これにより、脳は『手軽な即時報酬』を優先し、入口から最短距離で買えるコンビニへと引き寄せられてしまうのです。
しかし、化学的に刺激された味覚ではなく、出汁の旨みや旬の風味をじっくり噛み締める時間は、脳内でセロトニンやオキシトシンといった精神を安定させる神経伝達物質の分泌を促します。
夏休みは親にとっても決してゆっくりできる期間ではなく、毎日の食事づくりや生活リズムを整えることに追われます。ふと街で時間を持て余す子どもたちを見かけることもありますが、学校の課題や家庭での役割に真面目に取り組んでいれば、あてもなく遊び歩く余裕など本来はないはずです。
だからこそ、自分の時間や課題に向き合い、子どもの手仕事も加わった今日のごはんは、単なる食事にとどまらない貴重な食育と脳の感覚を養う時間となりました。自分たちの手で仕込み、丁寧に仕上げた出来立ての定食を囲む時間は、どんな外食よりも贅沢で満ち足りたひとときです。
質の良い食材を吟味し、心を込めて整える日々の食卓。これからも家族の健康と大切な日々の積み重ねを守るため、丁寧なおうちごはんを大切に紡いでいきたいと思います。
料理研究家 指宿さゆり
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