掃除のデトックス効果
新しいエアコンが届く。
つまり、業者さんが家に入る。
きったない家だと思われたら恥ずかしい。私は人からどう見られるかを、わりと気にするタイプである。
まだ何時に来るかわからない。
朝イチなら最低限で済ませよう。
もし時間に余裕があれば、この際だからしっかり掃除をしよう。そう考えていた。
やがて電話が入った。
「お昼頃になります」
よし。
今日は掃除の日だ。
休みの日はコンタクトを入れない主義である。しかし、ぼんやりした視界では掃除が行き届かないかもしれない。まずは眼鏡を装着した。
ああ、見たくない。
やはり、ぼんやり見えているくらいがちょうど良かった気もする。
掃除機をかけ、モップで床を拭く。雑巾を洗ったバケツの水は驚くほど濁っていた。
こんなに汚れた家に、みんな平然と住んでいたのか。
ドアや棚、壁もついでに拭く。知らないうちに手垢や何かの飛び散りが付いているものだ。
幅木にはホコリが積もっている。雑巾で丁寧に拭きながら、これ、本当に必要なのだろうかと毎回思う。
あちこち拭いているうちに汗が噴き出してきた。
とても、とても気分がいい。
デトックスというやつだろうか。
床や壁だけでなく、心の隅々まで拭き上げたような気がした。
いつも思う。
掃除そのものは、とても気持ちが良い。
問題は始めるまでだ。
うだうだ考えている時間のほうが長い。さっさと取りかかれば、30分もかからず終わることも多いのに。
毎回同じことを繰り返している。
そして今日もまた、
「こんなに気分がいいのなら、もっと早くやればよかったのに」
と思うのである。
ようやく終わった。
爽快感。ふう。
せっかくだから、久しぶりにアイスコーヒーを淹れよう。
きれいになった部屋で飲む一杯は、きっと少しだけ特別な味がする。

