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【温泉】箱根塔ノ沢温泉「元湯 環翠楼」(神奈川県箱根町)

今日ご紹介する温泉は、箱根塔ノ沢温泉の温泉旅館「元湯 環翠楼」さん。

こちらは、慶長19(1614)年の開湯以来、実に約400年もの歴史を誇る老舗旅館だ。皇女和宮様、天璋院様、孫文、伊藤博文、夏目漱石、島崎藤村など、将軍家や皇族、文化人、政治家などと浅からぬ縁があるという。「環翠楼」というお宿の屋号は、伊藤博文翁の命名によるということだ。

お宿の建物は、大正時代の中頃に建造された数少ない木造高層建築で、有形文化財に指定されている。

2024年秋のこと。この由緒正しきお宿に、2食つきで1泊する機会を得た。今日はそのときのお話だ。


外観

こちらが、お宿の外観。早川に立てられた古式ゆかしき建物。その美しさに、思わず息をのんだ。

館内

こちらが、ロビーの様子。ロビーには、お宝がたくさん展示されていて、まるで博物館のようだ。

和宮様にまつわる展示
書は伊藤博文揮毫による
大相撲力士 大砲万右エ門の手形

そして、ありがたいことに、こちらの建物の大広間も見学させていただくことができた。

天井、窓、畳、襖絵、掛け軸、書。どこを切り取っても、圧倒的で、稀有な美しさだ。建築や古美術に全く詳しくない私でも、日本の伝統文化を全身で感じることができた。文字通り、鳥肌が立った。

そして、この建物は、国内では珍しい木造4階建て。館内を散策させていただいた。迷路の探検のようだった。

どっしりとした階段に、磨き抜かれた床板。どこを歩いても、美しい。

レトロなフォントの看板。

たくさんのお宝も展示されていた。

そして、とりわけ気に入ったのが、室内の浴場そばの洗面所。昔ながらのレイアウトで、床のモザイクタイルがレトロな雰囲気を醸し出している。

浴室近くの休憩所からは、池が眺められる。

客室

私たちが宿泊したのは、1階のお庭に面した客室。

広い広縁。

広い和室。

食後には、同じお部屋に、ふかふかのお布団を引いてくださった。

広縁からは、お庭に出ることができる。

遅めの紅葉と、早川のせせらぎ。なんという心地良い場所だろう。

お庭には、立派な歌碑が鎮座していた。お宿の方のご説明によると、和宮様からお題を出された楼主中田暢平が詠んだ歌を、勝海舟に筆記を依頼して刻んだものだそうだ。

近づいてみると、かなり薄くなっているが、文字が刻まれているのが分かった。

温泉

こちらのお宿には、大正風呂、露天風呂、貸切風呂がある。私たちは、1泊の滞在中に、大正風呂と露天風呂に入ることができた。

大正風呂

目玉のお風呂は、源泉に最も近いという大正風呂だ。入り口から既に、大正浪漫を感じられる。

男女別の2つの浴場があり、時間交代制だ。まずはそのうちのひとつに入ってみた。大正時代の輸入タイルを使用しているとのこと。当時としてはとても貴重だったそうだ。

壁面には岩が使用されていて、洞窟のような雰囲気もある。

そして、もうひとつの浴場へ。床と浴槽のタイルの柄が異なっている。

湯口はおそらく大理石だろう。

どちらの浴場でも、レトロなタイルを使った西洋風の空間で、ゆっくりと極上の湯浴みを楽しむことができた。

露天風呂

お庭伝いに、露天風呂に行ってみた。露天風呂は、建物の奥の少し高い場所にある。そこまでは、木々に囲まれた小径を進むことになる。浴衣で散策気分を楽しめた。

露天風呂は2つあった。日の出ているうちに、そのうちの1つに入った。

もうひとつの露天風呂には、日が暮れてから行ってみた。小径にはランプが照らされていて、幻想的だ。

こちらが、もうひとつの露天風呂。夜間のみ開放制となっていて、空いていれば貸し切りでの利用ができた。

貸切風呂

館内には、貸切風呂もあった。

こちらには浸からなかったが、覗いてみた。カップルやファミリーにちょうど良いサイズ感だ。

その近くには、エビスビールの広告入りのレトロな鏡。

そして、卓球コーナーもあった。

温泉分析表

こちらが、公式サイトに掲示されていた温泉分析表。泉質は、アルカリ性単純温泉。源泉の温度は、48.2度。PH値は、8.9。無色透明、適温の、すべすべとした気持ちの良いお湯だった。

公式サイトより

食事

夕食

夕食は、箱根の山の幸や、相模湾や小田原の海の幸を使った懐石風のお料理。お部屋でいただいた。どのお品も、丁寧に調理されていて美味しかった。

朝食

朝食もお部屋でいただいた。体に優しい和朝食。

歴史ある和風建築。どこをとっても絵になる、美しい内装、建具、丁度品。まるで博物館か美術館に泊まっているかのような錯覚に陥った。こんな特別な場所で、極上の源泉に浸かれ、美味しい和食に舌鼓を打ち、心のこもったサービスを受けられるなんて、何という贅沢! 私の中の日本人のDNAが、終始、感動に打ち震えていた。

叶うならば、大切な人を連れて、何度でもリピートしたいお宿だ。ぜひ、末永く営業を続けていただきたいと、心から願っている。

いいお湯でした。お世話になりました!

こちらのお宿の公式サイトはこちら。

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