【ラン】ファン必見! 鬼平犯科帳ゆかりの高札めぐりラン(東京都墨田区)
今日ご紹介するのは、池波正太郎の時代小説、『鬼平犯科帳』の、ゆかりの地を巡ってランニングするコース。約6キロ。ランのみならず、お散歩でも十分楽しめるコースだと思う。

鬼平ゆかりの地に、高札を整備した、という、墨田区のホームページを見つけたことがきっかけだ。この高札、全16箇所あるという。
下の地図が、墨田区のホームページにPDFファイルで掲載されていた。手作り感満載の地図で、好感を持った。冒頭の地図は、この地図を基に、Google mapを使って、1番から16番までルートをつなげたものである。

地図上の左上の①(A地点)からスタート。そこから、時計回りに南下する。
では、レッツゴー! 地下鉄浅草駅の出口から、有名なアサヒビールの、泡のモニュメントに向かい、隅田川にかかる吾妻橋を渡った地点が第一の高札だ。

1. 吾妻橋(大川橋)
この、歩道沿いの、赤い丸をつけたところに、高札があった。注意していないとうっかり見過ごしそうだ。

鬼平の作品によく登場する、「吾妻橋」。隅田川の俗称が「大川」であったことから、「大川橋」と呼ばれていたらしい。「大川の隠居」に登場する。

2. 如意輪寺
これは、なかなか難易度が高かった…。写真のとおり、大きな木の影になっていた。いきなり2つ目から、ギブアップか?と思った。

「如意輪寺」。このあたりに、密偵となる元盗人の大滝の五郎蔵の盗人宿があったらしい。「敵」に登場。

3. 枕橋 さなだや
橋の下。このロケーションだと、観光客はおそらく全く気付かないだろう…。

この「枕橋」は、作品の中では源森橋、源兵衛橋と名を変えて出てくる。この橋と、北詰にある蕎麦屋「さなだや」が多く登場する。「蛇の眼」「正月四日の客」という作品に言及されている。

4. みめぐりの土手
次のチェックポイントは、隅田川沿いの歩道にあった。

「みめぐりの土手」。1.の吾妻橋(大川橋)とともに、「大川の隠居」に登場する。

5. 三囲神社
次は、三井家(越後屋)が江戸進出時に守護神とした、「三囲神社」。この神社は現存している。

鬼平犯科帳にも数回登場する。「妙法寺の久十郎」では、境内は広くはないが、美しい木立と竹林に囲まれ、本社は立派なものである、と、当時のたたずまいが描かれている。

6. 常泉寺
これも、難易度が高かった…。

「常泉寺」。「正月四日の客」に寺名が登場する。

7. 業平橋
これも、ちょっと迷った。後ろのカラフルな掲示のおかげで、少々時間がかかった…。

「業平橋」。この橋の名前は、在原業平の作とされる衣冠の木座像をご神体とする業平神社があったことによるとのこと。「敵」という作品に登場。

8. 西尾隠岐守屋敷
これは、「みりん堂」というおせんべい屋さんの壁沿いにあった。

「西尾隠岐守屋敷」。当時、周辺は田園地帯であったが、夜になると、大名の下屋敷は賭博場に変わった。鬼平犯科帳では、賭場や盗人宿への経路としてたびたび登場する。

この立札に、以下の広告がくくりつけてあった。商売上手だ!

9. 春慶寺
8.と同じ歩道沿いにある。これも、一瞬見過ごしそうになった…。

「春慶寺」。平蔵の剣友、岸井左馬之助の寄宿先。なかでも「明神の次郎吉」では、主な舞台になっている。こちらのお寺は現存するが、立派なビルになっていた。

10. 出村の桜屋敷
こちらの高札は、道路から公園に入る入り口沿いに、ひっそりと立っていた。

「出村の桜屋敷」。平蔵と左馬之助が青春を刻んだ高杉道場の北側にあった、田坂直右衛門の屋敷。両名のあこがれだった乙女、おふさが住んでいた。

11. 法恩寺
現存するお寺、「法恩寺」。スカイツリーが背後にそびえている。高札は写真のとおり、門から少し離れた位置にある。

「本所・桜屋敷」「尻毛の長右衛門」などに登場。

12. 高杉銀平道場
ここは、何の変哲もない、単なる市街地のようだが、鬼平犯科帳では重要な場所だ。

「高杉銀平道場」。長谷川平蔵の人格形成に大きく役立ち、岸井左馬之助とも切磋琢磨した大切な場所。

13. 相模の彦十の家
これは、この高札探しの中で、最も難儀した場所。このあたりの住宅地を何度もウロウロして、きっと不審者に思われたに違いない。こんな広場の端っこにあった。

「相模の彦十の家」。平蔵の昔馴染みで、香具師上がりの無頼者であった彦十は、密偵として平蔵の手足となり、大活躍する。

14. 長谷川平蔵の旧邸
これも、なかなか難易度が高かった…。下町の小さい商業ビルの角にひっそりと立っていた。

「長谷川平蔵の旧邸」。鬼平の実父とともに京都へ家族で移るまで住んでいた屋敷。義母に「妾腹の子」といじめられた鬼平は、その反発で屋敷を飛び出して、放蕩無頼の青春を送っていた。

15. 煙草屋・壺屋
これは、明らかに、商業ビルの敷地内に設置されている。たまたま建物のドアが開いていたので、近寄って写真を撮るのが憚られた…。

「煙草屋・壺屋」。密偵・大滝の五郎蔵が始めた店で、のちに妻となった密偵のおまさも同居するようになった。「密偵たちの宴」に登場。

16. 茶店 笹屋
ここも、少し探した。ホームページに載っている場所から、少し移動したようだった。作り変えたのか、高札がとても新しい。

「茶店・笹や」。お熊婆さんの店。つなぎや見張りの場、隠れ家として多くの作品に登場する。

感想
この日、私のように、高札めぐりをしている人には、一人も巡り合わなかった。走っているかと思ったら、突然街角で止まってウロウロし、高札を見つけては近寄って、文章を読み、写真を撮る…、という私の行動は、大いに不審だったのだろう。周りの通行人には、大変怪訝そうな顔をされた。この高札の存在は、おそらく、あまり知られていないのではなかろうか。
大好きな小説の舞台となった地に、自分の足で立ち、江戸の人々が自分の足で歩いていた距離感を、自分の足で味わえて、とても感慨深かった。
ただ、約6キロの行程で、高札の場所、合計16箇所に立ち止まる上、街中なので、信号も多い。真剣にランニングの練習をしたいときには不向き。気分転換に、ゆっくり、ゆるーい観光ランがしたいときに、どうぞ!
※『鬼平犯科帳』については、こちらの記事をどうぞ!
※ランニング後の腹ごしらえに、柳川丼はいかが?
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