【英語】ERM
今日ご紹介するビジネス英語は、"ERM" という英略語。読みは「イー・アール・エム」。
“Enterprise Risk Management” の略で、「全社的リスク管理」を意味する。
企業が直面するさまざまなリスクを、部門ごとに個別管理するのではなく、会社全体の視点から統合的に把握・管理する考え方である。
かつてのリスク管理は、法務部は訴訟リスク、経理部は財務リスク、人事部は労務リスクというように、それぞれの部門が個別に対応することが一般的だった。しかし、現代の企業を取り巻くリスクは複雑化しており、一つの問題が複数の部門に影響を及ぼすことも少なくない。
そこで登場したのがERMである。ERMでは、コンプライアンス、情報セキュリティ、自然災害、サプライチェーン、レピュテーション、地政学リスクなどを含め、企業全体のリスクを俯瞰的に把握し、優先順位をつけて管理する。
例えば、次のように使われる。
“Our company is strengthening its ERM framework.”
(当社は全社的リスク管理体制を強化しています。)
“The board reviewed the ERM report.”
(取締役会はERMレポートを確認した。)
“Cybersecurity is one of the key risks identified through ERM.”
(サイバーセキュリティは、ERMを通じて特定された重要リスクの一つである。)
ERMは、単なるリスク管理の仕組みではなく、「経営そのもの」に関わる概念だ。リスク管理というと、事故や不祥事を防ぐための守りの活動というイメージを持たれがちである。しかし、本来のERMは、リスクを正しく理解したうえで経営判断を行い、企業価値を向上させることを目的としている。そのため、多くのグローバル企業では、ERMの結果が、経営経営戦略や投資判断、M&A、新規事業の検討などにも活用されている。
そして、ERMの成功には、法務部や内部監査部だけではなく、事業部門や経営陣の関与が欠かせない。リスク管理を特定部署の仕事として捉えるのではなく、「経営陣から現場までが参加する全社的な活動」として位置付けることが重要になる。グローバル企業で仕事をする方であれば、知っておいて損はない。
ご参考になれば幸いです!
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