【英語】solid line / dotted line
今日ご紹介するビジネス英語は、"solid line"(「ソリッド・ライン」) というフレーズと、それと対になる "dotted line" (「ドテッド・ライン」)というフレーズ。
この2つのフレーズは、組織の報告関係を示すものだ。報告関係を表す "reporting" (「レポーテイング」)という用語とセットでよく用いられる。
まず、"solid line" は、直訳すると「実線」という意味だ。このフレーズは、組織上、直接的な報告関係があることを示す。
通常、従業員が直接上司に報告し、その上司がその従業員の業績評価やキャリア開発に責任を持つ場合、その従業員と上司との間には、直接的な報告関係がある。簡単に言えば、直属の上司部下の関係だ。それを、"solid reporting line" がある、とか、"solid line reporting" の関係があるなどと表現する。
これに対して、"dotted line" は、直訳すると「点線」という意味だ。このフレーズは、組織上、間接的な報告関係があることを示す。
ある従業員に、その "solid line" の上司(直属上司)とは別に、別のラインの役職者に対しても密に連携を取り、業務の報告をする必要がある場合には、その従業員と、その別ラインの役職者の間に、組織上、間接的な報告関係を設定する場合がある。いわば、直属の上司のほかにいる、別ラインの「斜め上の上司」というイメージだ。そして、それを、"dotted reporting line" がある、とか、"dotted line reporting" の関係があるなどと表現する。
例文を見てみよう。
"In my current role, I have a solid reporting line to the CFO at headquarters, but I also have a dotted reporting line to the President of the Japan subsidiary."
(現在の役職では、本社のCFOに直接報告する関係(solid reporting line)がありますが、日本法人の社長にも間接的に報告する関係(dotted reporting line)があります。)
上記は、外資系企業の日本法人のCFO(最高財務責任者)の例だ。直属の "solid line" の上司は海外本社のCFOであるが、役職柄、日本法人の社長の右腕的な立場にあることから、日本法人の社長とは緊密に連携し、逐一業務の報告をしなければならない。そのため、日本法人の社長が "dotted line" の上司になる、というものだ。以下の図のようなイメージだ。

このように、外資系企業では、従業員の役職が一定程度上がると、"solid line" の直属の上司のほかに、"dotted line" の斜め上の上司が設定されるパターンがよくある。私も、今まで勤務した複数の外資系企業において、"solid line"上司と "dotted line" 上司の2人がいる状態を経験してきた。
この場合、報告する相手が2人になると、必要な意思決定を行うための調整が面倒になる。"solid line" の上司と、"dotted line" の上司の指示の方向性が同じであれば良いが、そうでなければ厄介だ。
また、上司が増えると、"chemistry" が合わず、人間関係がうまくいかないリスクも増える。たとえば、性格的に "solid line" の上司とはウマが合うが、"dotted line" の上司とはウマが合わない(あるいはその逆)ということもある。また、"solid line" の上司と"dotted line" の上司の仲が悪く、2人の上司の言うことが正反対で、その板挟みになってしまうこともある。
あなたの人事評価にあたっては、直接の人事評価を行うのは、あなたの "solid line" の上司だが、通常、あなたの "solid line" の上司は、あなたの "dotted line" の上司から、あなたについての意見を事前に聞き、それを評価に反映させるはずだ。だから、"solid line" の上司と、"dotted line" の上司と、両方ともうまくやらねばならない。
さらに言えば、(私自身のことではないが)かなり重要な役職になると、"dotted line" の上司が2人以上いて、"solid line" の上司と合わせると、上司が3人以上いる、というパターンもあるようだ。そうなると、更に調整の難度は高くなる。
あなたが外資系企業で "solid line" の上司のほかに "dotted line" の上司を持ったなら、それは、あなたの報告を必要とする人が2人以上いて、あなたが重要な仕事に就いているということにほかならない。複数の上司に上手に報告しながら、あなたが良しとする方向に会社を導いていくことが、あなたの腕の見せ所だ。頑張ってください!
ご参考になれば幸いです!
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