ヒトのカラダも端末が大切
中国医学の理論を引き合いに出すまでもなく、古くから体を冷やすこと、特に手足の冷えは万病の元と言われる。夏の冷房で体が冷え切っているのに、その環境に体が慣れきってしまうと、だんだんと体感が鈍感になっていくように気がする。
身体という大きなネットワークの端末にあたる指先や足には多くのツボがある。自律神経の乱れや肝臓の疲れなどに効くツボもあれば、子供の時に腹痛を起こしたら、おばあちゃんが押さえてくれた合谷(ごうこく)という手のツボもある。
おばあちゃんのシワのある温かい手で触れらることが安心をももたらす効果があったのか、腹痛はたちまちどこかへ消えてしまう。そんな「手当て」はA I 医療にはできないだろう。
初対面の人と会って握手した途端に相手がどんな人間か、読めてしまうという人がいる。手から手に伝わってくるもの、は確かにある。この人とうまくいきそうだな、とか、なんだかぎこちない気がするな、とか。大抵は当たっていることが後になってわかる。
寿司のように箸を使わずに手で取って食べる時、指先に触れた感じで味が大体わかることもある。指先のセンサーと量感で、本当に一瞬だけどそのおいしさ加減が伝わってくることがある。
手のひらというのは性感帯でもあって、触られ方によってはかなりの快感を高めることもできる。
手のひらや足の裏にはたくさんのツボが集まっていて、これらを刺激することで、身体本来の持つバランスを取り戻すことができる。
ずっと前、インドのアイヤンガーという方法を修行してきたインストラクターのヨガのクラスを受けたことがった。
ヨガの先生たちにも指導している先生ということで、他のクラスでは甘利説明されない、身体の細部の使い方の一つひとつまで丁寧に指導するやり方だった。
そのクラスの中で一度、足指を組むということを教えられたことがある。
手を組むとは両手を合わせて指をおり、キリスト教会で祈るときのような形になるわけだが、これを足指でする。
あぐらを描いたような姿勢から、両足裏を合わせて、そこで手を使って左右の足指をひとつひとつ重ねていくのだ。

確かにこうすると、すべての足指のツボが活性化されたような、じ〜んとした感覚が伝わって、足先から暖かさが身体中に伝わっていくようだ。
手や足は、身体の末端でありながら、宇宙人の触手のような繊細な働きをしているのだ。
困難なことに「手も足も出ない」という表現があるが、まさに、手と足という端末は、体にとって重要な部分なのだ。
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