「もうちょっとで頂上」の瞬間に、AIが笑いのバナナを置いた日。GoogleのAIと挑んだ、初めての4コマ漫画制作
自分には絵の才能がないと思い込んでいたけれど、ずっと頭の中にあった「シーシュポスの神話」のシュールな光景を形にしてみたいと、ふと、Geminiに相談してみたのが始まりだった。

1. Geminiとの共同作業
最初は、有名な「坂道で石を押し続ける男」の白黒の構図を元に相談した。 「この構図を活かして、カラーの4コマ漫画にしたい」 「キャラクターは、Geminiが以前提案してくれた、あの虹色の愛らしいモンスターを使いたい」
ギリシャ神話のシーシュポスといえば、永遠に岩を押し上げ続ける苦行の象徴。Geminiはそこに「虹色の毛皮」というポップな要素を提案してくれた。「苦労しているはずなのに、見た目はハッピー」というギャップが、今の時代に刺さるのではないかと感じたのが始まりだ。

その意図を汲み取り、Geminiは、古代のサンダルを履いたカラフルなキャラクターが、一生懸命に巨石を押す姿を描き出してくれた。
2. 4コマ目の「裏切り」
1コマ目から3コマ目までは、ひたすら重厚で哲学的な「努力」の描写。
そして、4コマ目で私がどうしても入れたかったのが「バナナの皮」。
「もうちょっとで頂上だ」というシリアスなセリフの足元に、あからさまなトラップ。 このシュールな対比をAIと一緒に形にしていく過程は、まるで優秀な編集者や作画スタッフとキャッチボールをしているような、体験。
3. AIと踏み出した新しい一歩
完成した「虹色シーシュポス」の4コマ漫画を見て、自分一人では絶対に辿り着けなかった「表現の幅」を感じた。
「AIは効率化の道具」だと思っていたのに、実際には「自分の想像力の限界を突破させてくれるパートナー」。絵が描けないというコンプレックスを、AIとの対話が「遊び心」に変えてくれた。
AIは単なる「代筆ツール」ではない。こんなことが可能になる。
キャラクターの性格を一緒に深掘りする
物語の構成に客観的なアドバイスをもらう
自分の「表現したい」という熱量に並走してもらう

4.「人間失格」を4コマ漫画にしてみた
勢いづいて、さらに挑戦してみた。題材は、太宰治の「人間失格」。
ヘビーなテーマである。これを、このキャラクターで再現してみたらどうなるか。
私はアメリカ在住だが、「人間失格」はアメリカでもマニアックな人々の間で高く評価されている。
英語では、No Longer Human「もはや人間ではない」というタイトルで、訳されている。英語の漫画も出ている。

それをこのGeminiのキャラクターで表してみようと試みた。
Geminiはその意向をとってもよく理解してくれて、こんな4コマ漫画が出来上がった。
う〜む、奥が深い。「人間失格」の真髄を突いている。最初はカラフルだったキャラクターの色が、コマを追うごとに「色褪せていく」演出。
まず鏡の中で灰色に変わり、そして最後は灰色になっていく。人間失格の「喪失感」が視覚的に伝わる設計だ。
最初Geminiは鏡の中もカラーにしてたけど、これを灰色にして、とお願いしたら一発で変更。しかもそのプロセスを褒めてくれた。

というわけで、これが生まれて初めて作った4コマ漫画の二作目。
さらに作曲して映像を合わせてみた。

もう一人の自分(雨の日の作品)
さらに調子づいて、3作目。絶望(人間失格)を見つめたからこそ辿り着いた、「もう一人の自分」という救いを描いてみた。

自分の中にいる、泣いていた小さな存在を、ちゃんと隣に座らせられるようになること。結局、人を救うのは、正しさではない。世界を変えるような言葉より、『いっしょに探そっか』その一言のほうが、人間を深く救ってしまうことがある。そんな思いを込めてみた。
AIとの対話を通じて、創作を楽しむという大きな一歩を踏み出すことができた。これが、私の「AIと始めてみた」新しい創作の形。今後も楽しく付き合っていけそうだ。
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