2026年度診療報酬改定~ホスピスと訪問看護への影響~【note整形版|2026年2月16日】
先週、2月13日の中央社会保険医療協議会(第647回総会)において、厚生労働大臣へ答申がなされました。
(議事次第はこちら)
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html
予定通りであれば、2026年6月1日施行となります。
そもそも中医協とは何か
中央社会保険医療協議会(通称:中医協)は、日本の健康保険制度や診療報酬改定について審議する厚生労働省の諮問機関です。
「諮問機関」とは言うものの、
実質的にはここで決まった内容がそのまま制度になります。
一方、介護保険は
社会保障審議会(介護給付費分科会など)が所管。
診療報酬:2年に1回
介護報酬:3年に1回
2024年は6年に1度の同時改定
今回の改定の大枠(医療中心)
1. 報酬体系の簡素化とDX推進
事務負担軽減・医療DXの加速。
2. 物価高騰・賃上げ対応
40歳未満の医師、薬剤師、事務職員、歯科技工士なども含め、実態調査の上で追加対応検討。
3. 入院・外来医療の再編
4. 医療DXと技術評価
5. 調剤・医薬品
敷地内薬局・門前薬局の影響調査
都市部の小規模乱立へのメス
後発品・バイオ後続品の促進
リフィル処方の活用
長期収載品の保険給付のあり方
そして――
6. 訪問診療・在宅医療の見直し
医療ニーズの低い患者への頻繁訪問を抑制
月1回訪問の標準化
管理料の算定要件厳格化
24時間体制の「実質的関与」を評価
つまり、
「なんとなく月2回」には報酬を払わない、という方向です。
7. ホスピス型住宅への頻回訪問看護の厳格化
ここが今回、最もインパクトのある部分です。
昨今、一部事業者による不正報道もあり、
同一建物への過剰訪問
異常に高い利益率
が問題視されました。
今回の改定は明確に
“実態に即した適正化” がテーマです。
なお、ホスピスの定義はなくサ高住や有料老人ホーム、ケアハウスなど同一建物に利用者が何人いるかが見られるポイントです。
改正の主なポイント
① 同一建物減算の5段階細分化
同一建物内の医療保険利用者数に応じ、
報酬がより細かく減算されます。

人数が多いほど単価が下がる設計です。
② 10人以上施設への月内回数減額
大規模施設では
21日目以降の訪問単価が減額。

頻回訪問モデルにブレーキがかかります。
③ 物価・賃上げ評価(段階的倍増)
2026年導入 → 2027年6月に倍増。
訪問看護物価対応料(新設)
ベースアップ評価料(I・II)
賃上げ努力をするステーションほど評価される仕組み。
ここは“締め付け一辺倒”ではない。
新設:包括型訪問看護療養費(定額制)

いわば
「ホスピス型専用パッケージ」。
24時間体制
日中・夜間それぞれ訪問必須
60分以上なら1日3回以上
重要なのは――
これは“その都度選択”ではありません。
事業所があらかじめ
「包括型」か「従来型(出来高)」かを届け出る。
包括型
高齢者住宅併設・頻回短時間モデル向き
従来型
出来高。ただし同一建物減算が厳格化
つまり、
経営モデルそのものを選択する制度になった。
指示書の厳格化
主治医の訪問看護指示書にも
なぜ頻回なのか
どんなケアを想定しているのか
の具体記載が求められます。
「とりあえず毎日」では通らない。
本質は何か
今回の改定は、
単なる点数調整ではありません。
国が明確に示したのは、
医療保険で“住宅ビジネス化”したモデルへの修正
です。
一方で、
本当に重症の方
本当に終末期の方
に対する24時間看護を否定しているわけではないということ。
今後の方向性
附帯意見では、
経営状況の検証
精神科訪問看護の実態調査
令和9年度以降の再検討
が明記されています。
これは終わりではなく、
まだ「途中段階」です。
