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【利用者インタビュー】自閉スペクトラム症を受け入れられなかった僕が、4年間で見つけた「働き方」

「発達障害の特性がある自分は働けるのだろうか」という不安が頭をよぎり、いざ前に進もうとしても何から手をつければよいのか迷ってしまう――そんな方もいらっしゃるかもしれません。

今回お話を伺った牧野さん(仮名)も、就職活動に不安を抱えていた一人です。

ソーシャルスクエア西宮店で約4年間自己理解を深め、事務職としてフルタイムで就職した牧野さん。今回は、自身の障害と向き合ってきた過程や、スクエアを利用することになったきっかけ、そして通所中の気づきやお仕事での今後の展望について、ソーシャルデザインワークスの常名がお話を伺いました。

「自己理解を深めたい」を叶えるためにソーシャルスクエアへ

ーまず、牧野さんは現在どのような働き方をしているのでしょうか。

現在は、障害者雇用で事務職として働いています。一般の方と同じように、週5日のフルタイムで勤務です。

僕は自閉スペクトラム症と診断されているのですが、同僚の方々に自分の障害特性を事前に知っていただいているので、安心して働くことができています。

たとえば、特性のひとつに「大きな音に対して敏感」というものがあります。なので、業務中に人の声や環境音が気になった際は、作業環境を変えさせてもらうか耳栓をさせていただく許可をもらっているんです。

他にも不得意な作業や対人での不安点など、いくつか勤め先に開示している特性はあるのですが、それぞれ合理的な配慮をいただいています。

ー理解のある環境だと心強いですね。牧野さんは、自身の障害についてはいつ頃気づいたのですか?

大学在学中に就職活動をしていたんですが、面接がうまくいかずに悩んでいたんです。そんなとき、母から「ちょっと病院に行ってみない?」と提案してもらったのがきっかけです。

実は、なんとなく自分でも「もしかすると自分には障害があるのかも」と考えたことはあったんです。それで、受診して診断を受けました。

ーそうだったんですね。牧野さんの支援を担当していたクルーから聞いた情報では、別の福祉事業所からソーシャルスクエア西宮店に変更したとお聞きしました。スクエアを利用することになった背景には、どんな理由があったのでしょうか?

そうです。診断を受けてからは、福祉事業所で相談させてもらっていました。でも、自分の障害をなかなか受け入れられなくて。
また、相談員の方と将来について話し合うなかで、やっぱり「将来的には就職を目指したい」とずっと思っていたんです。

そのために、まずは「自分の障害を受け入れて、自己理解を深めながら就職が目指せるような環境に行きたい」と思い、それを叶えられそうなソーシャルスクエアへ移ることを決めました。

スクエアで気づけた「自分を見つめ直す時間の大切さ」

ースクエアに通い始めてからは、主にどのようなことをしていましたか?

はじめは自立訓練サービスを利用して、自分が働くための基礎を作ってました。その後、就労移行支援サービスに切り替えてからは、就職への準備として就職に役立つようなプログラムにも参加していくようになってましたね。

自立訓練と就労移行支援のサービス期限はそれぞれ2年なのですが、その期限をまるまる使ったので、スクエアには4年程お世話になりました。

この期間で、かなり密に自分自身と真剣に向き合うことができたと思います。スクエアに通ったおかげで自分の障害に対して受け入れることもでき、考え方もポジティブになりました

ーそうした変化には、スクエアでのどんな活動が役に立ったと思いますか?

心理学や感情のコントロールを学ぶプログラムに参加して、プログラム中に他のご利用メンバーさんと意見を交換したり、スクエアの支援クルーのみなさんには、個人面談などで自分の心の整理を手伝ってもらっていました。

自分とは違う価値観を持つ人の考えに触れたり、自分の悩みを共有したりすることで、少しずつ自分のことを受け入れて余裕が持てるようになりましたね。

あとは…個人の作業で定期的に自分の考えを文章化することを心がけていました。スクエアでの学びやクルーとの話、日々の生活の中で自分が感じていることや考えを文章にしてまとめてみると「自分ってこんな一面があったんだ」「こういう思考の傾向があるのか」と、次々と自分について発見できることがあるんです。

スクエアに通うまで、自分のことを見つめ直す時間を設けたことはありませんでした。文章化を続けたことで自分についての理解が深められたので、本当によい経験だったなと思います。

ー人の考えに触れて自己分析をしていった結果、自身の障害を受け入れられるようになったんですね!すごい...。スクエアに通っていた際に、印象に残っていることは他にもありますか?

一番記憶に残っているのは、就職活動です。

スクエアで自己理解が深まったこともあって、やってみたいことや仕事にしてみたいことは自分のなかに定まってきていたんですが、自分が考えているような求人はなかなか見つからず…。

加えて、面接に対してもかなり苦手意識がありました。

スクエアでは、月に何回か『面接練習』のプログラムが実施されているんですが、練習の中でうまく受け答えできず精神的に参ってしまうこともあり…。スクエアに行けなくなったり、プログラムに参加せずお休みさせてもらうこともありました。

でも、スクエアの支援クルーのみなさんの「焦らなくていいですよ」「自分のペースでやっていきましょう!」というあたたかい声で、もう少しだけ頑張ってみようと勇気をもらえたんです。

―そうだったんですね。牧野さんのなかで特に効果的だった支援はどんなものでしょうか?

就活中は、個人で面接練習や履歴書の添削とかに付き合っていただいたり、気になる企業の説明会があると一緒に同行してもらったりと、手厚い支援をしていただいて本当にありがたかったですね。

いまの職場に応募したのは、利用期限が本当にギリギリでラストチャンスって時期だったんですけど、この時の面接はこれまでの自分のなかで一番と言っていいほど上手くできたんです。

ースクエアでの経験を経て、本当に一歩前進ですね!

はい。いつもは自分の受け答えに自信がなかったり不安だらけなんですけど、その面接だけは自分が答えたい言葉がすごくスラスラ浮かんできてて。終わった後は、トラウマで苦手だった面接を無事乗り越えられた嬉しさで涙が止まりませんでした。

一歩進めたという感覚が、自分でもわかったんです。「ようやくいけた」という。それが結果にも繋がった。スクエアの支援クルーのみなさんのおかげでできたこの経験を、大事にしていきたいと思います。

関係を広げながら自分にできることを

ー就職してから1年、現在はどのような思いを持っていますか?

とても配慮してくださる職場ということもあり、1年働いてみて、環境や業務に慣れてきた段階です。働き始めた当初は緊張もあり、体力の使い方に苦労して…。

今は、なんとなく職場が忙しくなる時期を把握できるので、自分なりに体力の調整ができるようになってきてます。

実は、スクエアに通っていたご利用メンバーさんと就職後にお話しする機会があったんです。そのときに「初出勤は精神的にも体力的にもすっごい疲れる」って話をみんなしていて。「自分だけじゃないんだな、あるあるなんだ」と思いました(笑)

ースクエアでは、就職や働き先を見つけて卒業されたご利用メンバーさんがお話ししてくれるプログラムがありますよね。牧野さんもそれに参加したのでしょうか?

はい、現在働くことを目指しているスクエアのご利用メンバーさんに向けて、自分がしている仕事やこれまでについてプレゼンテーションさせていただきました。

さっきの“あるある話”は、プログラム後に集まってた卒業生の方々と現在の仕事について雑談をしているときに出てきたんです。かつて一緒に就職を目指した仲間が集まってお話できるのは、結構嬉しいですね。

ーご自身と向き合ってて自己理解を深めた牧野さんが、今後仕事でしてみたいことや目標としていることをぜひ教えてください。

自分が役に立てることがあれば「ぜひ力になります!」というスタンスで働いていきたいと思います。わからないことはとにかく質問しているので、毎日が勉強。周りが優しい方ばかりなので、とてもありがたいです。

いまはまだ、自分が関わりをもっている部署でしか業務をもらっていません。今後はもっと他の部署とも関係を広げて、もし他の部署でもなにか自分ができることがあればしていきたいです。

職場のみなさんにとって少しでも力になれることがあれば、全力で挑戦したいと思います。

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