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【利用者インタビュー】パニック障害・抑うつ状態からの復職。スクエアで「人に話すこと」で日常が少しずつ動き出した

体調を崩して仕事を離れたときに「もう一度働けるのだろうか」と不安を感じる方は、きっと多いのではないでしょうか。

今回お話を伺った佐藤さん(仮名)も、パニック障害と抑うつの診断を受け一時は離職、療養する日々を過ごしていました。

ソーシャルスクエアの利用を経て、現在は美容師アシスタントとして働く佐藤さん。今回は、スクエアを利用したきっかけや通所中の気づき、そして今のお仕事やこれからの目標についてソーシャルデザインワークスの渡辺がお話を伺いました。

主治医の紹介で出会ったソーシャルスクエア

—佐藤さんがソーシャルスクエアを利用する前は、どのような状況だったのですか?

私はもともとは、アパレル業界で働いていました。当時は、結婚をきっかけに夫の地元へ引っ越してきたばかりで、近くに仕事の悩みやつらさを気軽に打ち明けられる親しい友人などがいなくて。仕事で忙しそうにしていた夫にも、相談することを遠慮してしまっていたんです。

そうして一人で抱え込んで無理をしすぎた結果、ある日突然仕事に行けなくなってしまいました。病院を受診したところ、パニック障害と抑うつ状態と診断されました。

—そうだったのですね。そんななか、ソーシャルスクエアを利用することになった背景には、どういうきっかけがあったのでしょう?

しばらく仕事を休み、自宅で療養することになりましたが、一人で過ごす時間が長くなるうちに、不安や悩みばかりが浮かんでくるようになってしまいました。

振り返ると「人に頼ること」に抵抗がある性格も、病気になった要因の一つにも思え「このまま誰にも頼れない状態が続くのはつらい」と感じるようになって。

そこで「もっと誰かに頼れるようになりたい」「甘えられるようになりたい」という気持ちを主治医の先生に素直にお伝えしたところ、外部からサポートを受ける選択肢として、ソーシャルスクエアを勧められました。

このとき、先生からご紹介いただいたのは上熊本店のマネージャーでもあった岡さん。「すごく熱心でいい人だから、会って話してみるといいよ」と。

その言葉から岡さんにお会いしたくなって、まずはソーシャルスクエアの見学予約を入れてみました。

—見学ではどのようなことをされたのでしょうか?

岡さんとの個別相談のあと、本来はスクエアの施設見学やカリキュラムの様子を見る流れだったと思うのですが、岡さんは本当に話しやすい方で相談が盛り上がってしまって…。

結局、スクエアの見学はせず、個別相談で2時間半ほどお話していました(笑)。

私の話を丁寧に聞いてくださったうえで、もしスクエアを利用することになったらどんな過ごし方ができるのか、具体的なスケジュールを教えていただいたり、私の困りごとに対してスクエアでどんなサポートが受けられるのかを説明もしてくださいました。

その時間のなかで、自分のこれからの方向性が少しずつ見えてきたんです。「ここでなら、自分もなんとかやっていけるかもしれない」そう思えて、スクエアの利用を決めました。

スクエアで気づいた、自分の気持ちを人に話す大切さ

—スクエアでの過ごし方について教えてください。

私は基本的に、午前中にスクエアに通っていました。スクエアでは、パソコンスキル向上のためにWordやExcelを学んだり、グループワークやSST(社会生活技能訓練)といった、利用メンバーさん同士でコミュニケーションをとるカリキュラムに参加したりしていました。

ワークやSSTは、社会に出たときに必要なコミュニケーション方法や困ったときの対処の仕方を学びながら、人とスムーズにやりとりできるようになることを目指す訓練です。座学だけでなく、実際の場面を想定したシミュレーションを通して、実践的にコミュニケーションのあり方を学べる時間でしたね。

例えば「相手にどう声をかけるか」「自分の気持ちをどう伝えるか」といったテーマについて、実際にやり取りしながら練習でき、少しずつ人との関わり方に自信が持てるようになっていったと感じます。

—スクエアでの活動を通して、自分自身に変化を感じることはありましたか?

ワークなどを通して、いろいろな人の価値観に触れられたことは自分にとって意義が大きかったと思っています。

例えば「佐藤さんって○○だよね」と言われたとき。自分だったらネガティブに受け取ってしまう言葉でも、他の人は全く違う意味で受け止めていることがあると気づきました。

他者との関わり、対話を通して「自分にはこういう考え方の癖があるんだなあ」と改めて気づくことができました。

—人と自分との違いを知ることで、自分自身についてより深く理解できるのかもしれません。他の利用メンバーさんとのやり取りで印象に残っていることは他にもありますか?

自分の意見を否定されないことですね。たとえ、周りの皆さんと違う意見を私が言ったとしても、想いを尊重したうえでコミュニケーションを取ってくださることが嬉しかったです。

スクエアを利用する前は、人に頼ることに強い抵抗がありましたが、スクエアでやりとりを重ねていくうちに「人と話すことって楽しいんだ」「人に話すだけでも、こんなに気持ちが軽くなるんだ」と感じる瞬間が自然と増えていったんですよね。

今もまだ「人に頼る」とまでは言えないかもしれませんが「人に話すこと」なら以前よりずっと自然にできるようになりました。

—少しずつできることを増やしていかれていて、すばらしいです。特に意識して取り組んでいたことはありますか?

毎月の目標立てにかなり意識的に取り組んでいました。利用を始めた頃は生活リズムも乱れていて、朝から通所することも難しい状態でした。なので最初は「きちんと睡眠をとる」といった生活面の目標を立てていましたね。

また、せっかく人と関わる機会がある場所なので「スクエアに来たら自分から利用メンバーさんに話しかける」といった目標も設定していました。

「自分に何ができるか」を考えて、支援クルーの方と一緒に振り返る時間があったことで、自分が少しずつ変わっていることを実感できたと思います。

順調に目標を達成できたときは嬉しかったですし、そのおかげか、想定していたよりも早く体調も整っていきました。

もう一度「楽しい」と思える仕事に出会えた

—現在は美容師アシスタントとして働いていらっしゃる佐藤さん。どのようなきっかけでお仕事が決まったのでしょうか?

自分で探したというより、偶然が重なった結果だったな、と思います。

実は、子どもの同級生のお母さんが美容院の店長さんで。以前、私が美容院で働いていた経験があることを話したところ「もしよかったら一緒に働きませんか?」と声をかけてくださったんです。

スクエアに通って体調も整ってきていた頃だったので「働かせていただけるならぜひ」とお返事をしました。まずは1ヶ月間、現場で実習をさせていただいて、その後正式に美容師アシスタントとして働かせていただくことになりました。

—職場にはご自身の障害についてもお話されたのでしょうか?

はい。声をかけていただいた時点で、ソーシャルスクエアに通っていることや、自分の障害についてはお伝えしていました。その後、実習前の面談時間に自分の障害特性や働くうえでの対策について詳しくお話しさせていただき、さまざまな配慮をしていただいています。

たとえば、美容院は立ちっぱなしになることが多い職場ですが、今の体力ではそれが難しいので、お客様がいらっしゃらないときや作業がないときには椅子に座らせていただいています。

また、以前の職場では自分の限界を考えずに仕事を引き受けてしまい、体調を崩してしまうことが多かったので「仕事量をご相談させていただけると助かります」といったこともお話ししました。

自分の希望を周りの人に無理なく伝えられるようになったのは、スクエアで皆さんと関わるなかで、自分の気持ちや状態を素直に話して、少し人に頼ることができるようになったからだと思っています。

—実際に働き始めてから不安を感じたとき、どのようにそれらと向き合ってこられましたか?

今も続くソーシャルスクエアとのつながりが、大きな支えになっています。

働き始めて3ヶ月くらい経った頃のことです。お客様にシャンプーをさせていただいた際に、耳に泡が入ってしまったことがありました。お客様は「大丈夫だよ」と言ってくださったのですが、自分の中ではそのことをずっと引きずってしまって…。

そんなとき、スクエアで話を聞いてもらえたことが本当にありがたかったんです。ソーシャルスクエアでは就職後も定期的に個別面談をしていただいているので、気軽に自分の話ができる場所があります。「人に話すこと」は大切だと改めて感じているところです。

—ご自身の体調ともしっかり向き合われ、心地よい働き方を模索されている佐藤さんが、これから挑戦してみたいことについてもぜひ教えてください。

将来的にはスタイリストとしてお客様の髪を切れるようになりたいと思っています。

実習で現場に入るまでは不安もありましたが、実際に働いてみると「美容師の仕事って楽しいな」「この仕事が好きだったんだな」と改めて気づいたんですよね。

また、最近はまつ毛パーマなどもできるようになりたいなと考えていて、お客様に喜んでいただけるサービスについていろいろ模索しているところです。

自分自身が「楽しい」と思える気持ちを大切にしながら、これからも無理なく働き続けお客様やお店に貢献していきたいと考えています。

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