見出し画像

親愛なる母に捧ぐ

 入社4年目の冬は、とにかく忙しかった。
 新しい業務内容とその対応に追われたため、母の誕生日プレゼントを選びに行く時間が十分に取れなかった。
 自身の所属する部署が新体制になってから1年。ようやく仕事が落ち着いてきたので、僕は以前から気になっていたお店に行ってみることにした。

時間の都合で店先を撮影できなかったので、今回はポストカードで何卒ご容赦を

 去年の母の日のプレゼント選びにここを訪れるつもりだった。
 しかし、先述したように、その年は仕事で慌ただしかったため、結局何も用意できなかった。
 それから約9ヶ月、ようやく足を運ぶことができた。
 約束の時間に着くと、僕は2階の手作り体験工房に案内された。
 机の上には赤、緑、紫、そしてベージュなどのレアウッドビーズが並べられていた。その美しさに僕は目を奪われた(残念ながら、店内の様子は撮影できなかった)。
 手作り体験は初めてだったので、先生が用意したお手本と同じ形のストラップを作ることにした(見出し画像を参照)。
 木製のビーズを天蚕糸てぐすに通しながら、僕は思った。

 母に喜んでもらえますように、と。

 帰宅後、『吉本新喜劇』が終わるタイミングを見計らって、プレゼントを手渡した。それを受け取った母は、嬉しそうな顔をしていた。その表情にこちらも胸が温かくなった。
 自室に戻った僕は、母とおそろいで作ったストラップをリュックに付けた。赤みがかった小さな輪が部屋の灯りに照らされ、輝いて見えた。


いいなと思ったら応援しよう!