「交わり」の中で真理を探究する〜NHK100分de名著(2026.2)第2回振り返り〜
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第1回では「挫折に直面することで哲学が始まる」(番組テキストp.36)というヤスパースの基本的な考え方に触れていきました。
第2回は哲学的に思考する上で重要な他者との「交わり(Kommunikation)」、そしてそこから生まれる「愛の闘争」という関係性から『哲学入門』を読み解いていきます。
「交わり」という言葉について哲学者の戸谷洋志さんは、番組テキストの中で「哲学的な対話を成立させるような関係性」(テキストp.37)と述べています。
真理は二人から始まるのです。
重い病気を抱えながらも、ヤスパースが真理を探求し続けられたのは、妻のゲルトルートをはじめとする周囲の支えがあったからこそだと思います。「自分は何者なのか、どんな人生を歩むべきなのか」(テキストp.29)という根源的な問いに向き合うには、他者の存在が必要だいうことを本書から再確認できます。
また、ヤスパースは「もしも納得できないことがあれば妥協なく互いを批判し合う」(テキストp.42)他者との関係性を「愛の闘争」(本書p.36)と言い表しています。相互理解を深めるためには、本音でぶつかり合わねばならない時もあるのでしょう。
番組内で戸谷さんが語っていたように、ヤスパースは「人にはどんな挫折からも立ち上がれるエネルギーがある」(番組第2回より)ということを信じ続けた哲学者でした。その可能性を他者との交わりの中から見いだしていったのではないでしょうか。
次回は「世界像」という言葉を糸口に対立や分断を乗り越えるための哲学について考えていきます。
