猫だけが知っている

雪の夜 シャム猫はひとり 飼い主の帰りを待ちました
外に出て探してみたけれど 粉雪がいつもより冷たくて
凍えながら家に戻ります
ふと暗闇に佇む小箱を開けると
飼い主がよく口ずさむメロディー
バレリーナはやさしく微笑みかけます
シャム猫は オルゴールを聴きながらうっとり目を閉じ
そのまま眠ってしまいました
そして夢の中で飼い主とワルツを踊りました
いいえ 夢と思っていたそれが現実で
ひとりぼっちのほうが夢でした
猫はいつも家の中にいながらこっそりと
ふたつの世界のあわいをまたぎ
旅を楽しんでいるのでした
