【スタッフインタビュー】「リクルートは恋愛、入社は結婚」山賀敦之が明かす『ぶっちゃけリクルート論』(後編)
こんにちは!
川越狭山セコムラガッツ広報の滝沢です。
リクルートマネージャーの「山賀敦之」(やまが あつし)さんの後編。
今回はリクルーティングの裏側や実際のアプローチ方法についてお聞きしました!
今回もぜひ最後までお読みください!
1、「100円の見積書でも直接会いに行っていた」変わらない対面へのこだわり
滝沢:お目当ての選手に声をかけにいくときはどうやってアプローチするんですか?
山賀:アプローチする際は、必ず大学の監督を通します。いきなり選手個人に直接アプローチすることは絶対にしません。監督に「この選手にお話をしてもいいですか」「アタックしたいんです」ときちんと許可を得てから行います。いきなり私のような父親世代の男が声をかけたら気持ち悪いじゃないですか(笑)。ですから、ちゃんと監督を仲介して紹介してもらう形で「はじめまして」と挨拶します。
これはラグビー界の暗黙のルールのようなものです。私は練習を見に行くときも必ず事前に監督に連絡を入れます。勝手なことをするのは失礼ですし。別に明確な規則があるわけではないですが、社会人としての常識ですよね。

私はプライベートの飲み会でも、初めて行くお店なら電話ではなく、直接お店に行って「この日に予約したいです」と伝えます。自分の顔と名前をちゃんと覚えてもらうためです。これは私の営業マン時代からのスタイルでもあります。
今のタイパ重視の時代には合わない、非効率な方法かもしれません。たとえ100円の見積書を届けるだけでも、私は直接会いに行っていました。それくらい対面でのつながりを大切にしています。飲み会でも、事前に一度お店に顔を出しておく。そのひと手間で、当日の対応が全然変わってきますからおすすめですよ!
滝沢:営業時代のスタイルがリクルーティングにもいきているんですね!日本人選手は社員選手ということで、プレー面だけでなく、仕事(業務)の面で学生を見ているポイントはありますか?
山賀:セコムはサービス業で警備業務も行いますから、やっぱり「しっかり会話ができること」が必須だと思っています。ですから、ちゃんとコミュニケーションが取れる子かどうかは凄く見ています。一度会っただけでは分からないので、何度も足を運んで、複数回話をしてから判断するようにしています。もしこれがプロのラグビー専業のチームであれば、プレーの技術だけを見ていればいいのかもしれません。でも、うちでは仕事もしっかりやってもらう必要がありますから、社交性があって会話ができる子が求められます。
まあ、私のような「ちょっと変なおじさん」相手でも、ちゃんと気を遣って会話を成り立たせることができる子なら、それだけで合格ですよ(笑)。大体の学生は、私を年長者として敬って、しっかり対応してくれます(笑)。
滝沢:他のチームにもリクルーターの方がいると思いますが、やはりライバルとしてバチバチした関係になるのでしょうか? 同じ学生を狙うということもあると思いますが。
山賀:それが、全然バチバチしていないんですよ(笑)。もちろん、同じ学生にアプローチが被ることはあります。でも、恋愛の三角関係みたいにギスギスすることはありません。他チームのリクルーターとも「あの子、気になってるんだよね」とか「どんなタイプの選手を探してるの?」といった情報交換を普通にしています。

滝沢:他チームの方とも情報共有をするんですね。
山賀:皆さん私より年下の方がほとんどで、行動量が凄くていろんな情報を持っていますから、逆に教えてもらうことも多いです。「うちは今そのポジションが足りているから、どうですか?」と勧めてくれることもあります。お互いのニーズが合えば協力し合えるので、関係は凄く良いですよ。向こうが私のことをどう思っているかは分かりませんがね(笑)。大体いつも「また山賀さんが変な格好で来たな」と思われているでしょうね。私はどこへ行くにもジャージ姿で行くので、新幹線や飛行機もその格好です。他チームの若いリクルーターから「それで来たんですか!?」「ヤバい奴が来た」と面白がられています。みんな私の現役時代を知ってくれていることもあって、楽しくやっています。

滝沢:外国人選手のリクルートも、山賀さんがエージェントとやり取りされているのですか?
山賀:外国人選手に関しては、基本的にはエージェントさんを通して情報を入手します。最近は現地に行くことは減りましたが、以前は海外まで直接会いに行ったこともあります。海外でのプレー実績しか情報がなかったので、「実際に会って人柄(パーソナル)を確かめよう」と現地へ飛びました。今でも、必ずオンラインでの面談は行っています。
滝沢:日本人選手と外国人選手をリクルートする際、難しさの違いなどはありますか?
山賀:正直、プレーに関しては「スーパーラグビーで何キャップ持っている」といった明確な実績がありますから、実力面での心配はほぼありません。
むしろ重視しているのは、彼らの「人柄」です。日本の生活やチームの文化に合うかどうか。ここが合わないと、彼らにとって大きなストレスになり、実力を発揮できなくなってしまいます。
ですので、チーム加入後はあえてちょっとおどけたり、ふざけてみせたりします。リラックスしてもらうために、少し「おバカなキャラクター」を演じるんです。周りからは「素だろ」と思われているでしょうし、実際は素なんですけど(笑)、少し誇張して接することで、彼らとの距離を縮めています。
昨年はグラウンドに行く機会が少なかったので、彼らにこまめにLINEをして「大丈夫か? 何かあったらいつでも言ってね」と連絡していました。自分が声をかけて来てもらった以上、そこには責任がありますからね。

異国の地で生活するのはどうしてもストレスがかかるものなので、私をガス抜きとして使ってもらってます。彼らがストレスを溜め込んでしまうのが一番良くないですから。
2、『山賀流』移動中ルーティン
滝沢:少し質問の角度を変えますが、リクルート活動で全国を移動されている際、新幹線や飛行機の中ではどのように過ごされていますか?
山賀:まず「絶対に寝ない」です。これは私のポリシーというか、人生も折り返し地点を過ぎているので、寝る時間がもったいないと思ってしまうんです。普段も毎日3時間くらいしか寝ていませんが、全く眠くなりません。活動している方が楽しいですから、移動中も基本的には起きています。
かといって、パソコンを器用にカタカタ叩くようなタイプでもありません。新幹線の中では、Xの投稿を作ったり、あとは「想像(シミュレーション)」をずっとしていますね。
滝沢:移動中から到着後のイメトレをしているんですね!
山賀:いや、全然そっちじゃないです(笑)。ただのふざけた妄想です。例えば「自分がドラマの主役だったら」といった、本当にくだらないシミュレーションをずっとしています。明日も福岡に行きますが、きっと同じように妄想していると思います。あとはラグビーマガジンや選手名鑑を読んだりしています。とにかく寝るのがもったいないので、ラグビーに関することを見るか、妄想しているかのどちらかですね。

滝沢:3、4時間も妄想していたら、かなり壮大なストーリーになりますね(笑)。
山賀:余裕で1本映画が作れますよ(笑)。あとは、隣に座った人と仲良くなって喋っちゃうことも多いです。
滝沢:新幹線や飛行機で隣の人と話すことって、あまりないですよね...(笑)
山賀:そうなんですかね。私の場合はちょっとした挨拶から結構盛り上がって話が弾みます。「どこへ行くんですか?」「何のお仕事ですか?」と聞いているうちに、私の職務質問みたいになっちゃいます(笑)。
滝沢:老若男女問わず、誰にでも話しかけられるんですか?
山賀:全然いけちゃいます。外国人の方が隣に来たら、絶対に話しかけますね。
滝沢:山賀さんの人柄というかキャラクターだからこそですね。
山賀:いやいや、ただ「うるさい奴」と思われているかもしれませんが(笑)、楽しくやっています。
滝沢:出張の多い山賀さんですが、「これだけは必ず持っていく」というこだわりのアイテムはありますか?
山賀:バリカンですね。これは絶対に外せません。毎朝使っているので、必ずカバンに入れています。あとは、とにかく荷物が多いです。「備えあれば憂いなし」ということで、着替えや寝巻きも、1泊2日の出張であっても必ず予備を含めて2セットは持っていきます。だからいつもスーツケースです。
3、「リクルートは恋愛、入社は結婚」
滝沢:再びチームの質問に戻りますが、今いる選手のほとんどは山賀さんが声をかけた選手たちだと思います。彼らが加入して試合で活躍している姿を見るのは、やはり嬉しいですか?
山賀:それはもう、最高に嬉しいですよ。ただ、全員私が声をかけた選手なので、誰が活躍しても嬉しいですね(笑)。
滝沢:直近で言うと、昨シーズンは武智さんや颯さんが試合にも出場されましたね。
山賀:2人ともアーリーエントリー(大学在学中の早期登録)で出てくれて、早速活躍してくれたのは本当に嬉しかったです。大学生にとって、卒業前の2〜3ヶ月は一番遊びたい時期じゃないですか。その貴重な時期に、遊びを我慢して練習に来てくれて、試合に出て活躍してくれる。本当に頭が下がりますし、嬉しいですね。大誠もがんばってるしね!
幸いなことに、チームが強くなるにつれて、毎年どんどん優秀な選手が入ってくれるようになり、全体のレベルも上がっています。

滝沢:最後になりますが、リクルーターとしての仕事で一番のやりがいは何ですか?
山賀:やはり、選手が「うちに決めます」と言ってくれた瞬間が一番嬉しいですね。そして内定をもらい、無事に入社式を迎えてくれたときです。
滝沢:正式に入社して、本当の「仲間」になる瞬間ですね。
山賀:そうです。最初は「うちの試験を受けます」と言ってくれるだけで嬉しいですが、そこから無事に入社するまではドキドキです。時には、他チームに振られることもありますから。
リクルートは本当に「恋愛」に似ていると思います。ずっとアプローチをして、告白して、オッケーをもらって付き合い(内定)、無事に入社したらそれが「結婚」だと思っています。だからこそやりがいがありますし、学生たちと一緒にいることで自分も若い気持ちでいられます。
滝沢:「リクルートは恋愛、入社は結婚」という言葉の通り、一人の学生と真摯に向き合い、熱意を伝え続ける山賀さんだからこそ、今のラガッツの素晴らしい選手たちが集まっているのだと改めて実感しました。
今日は長い時間、インタビューありがとうございました!
