Tokyo To-Do 10:双子の給水塔を見つめる

6月のはじめ1〜7日は、「水道週間」だ。

朝起きて蛇口をひねれば、当たり前のように出てくる水。
歯を磨く。
コーヒーを淹れる。
職場に着けば手も洗う。

日常では、水道の仕組みはさほど意識しない。

水道週間という言葉で思い出したのは、駒沢にある双子の給水タンク。
満月の日に寄って撮った画像を、このタイミングで再度お見せしたい。


世田谷の住宅街に、突然あらわれる二つの塔と橋。
首都高からも見えている。

どこかヨーロッパの古城のよう。
正式名称は、駒沢給水塔。
大正時代につくられた施設で、百年を超えている。

多摩川の伏流水を砧の浄水場で汲み上げ、そこから高低差を利用して渋谷方面へ水を送る。
だから丘の上にある。

水道と聞くと、思いつくのは道路の下にある管。蛇口。メーター、請求書。

浄水場から給水塔の間にある


大切にされている水道管



けれど給水塔は、地味ではない。
江戸川乱歩の、怪人二十面相のアジトのモデルになったとも聞く。

もっと無骨でもいい。
二つの塔は装飾をまとい、橋で結ばれていて、目を奪う。
今夜まで、丸いランプが赤くともるはずだ。


清浄な水があるから、一日が始まる。
火も消せる。
病も防げる。
だから街に人が住める。

近代化と聞けば、馬車道のような華やかな場所を思い浮かべる。
馬車道が近代の「表情」だとしたら、駒沢給水塔は「骨格」なのかもしれない。
ただ、見過ごすには存在感が大きい。

街を歩く自分の足下に、暮らしを支える水の道がある。
そのことを、双子の塔が静かに教えてくれる。

水道週間の今、蛇口から出る水を見つめたい。
水は、ただ流れて来ているのではない。
誰かが考え、作り、守ってきた道を通って、私たちのところへ届いている。
塔は、今もその歴史を抱えて立っている。



あとがき
年末に見つめた道の向こうに、給水塔があることに気づきました。

ゴールである渋谷側(三軒茶屋)から見る水道みち


調査協力 駒沢給水塔風景資産保存会の皆様🚰


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