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平和の祭典?

パリ・オリンピックが話題ですね。
ふだん、なかなか一般大衆諸氏と共通の話題を持つことができないわたし。
パリ・オリンピックをきっかけに、ようやく共通の話題がもてて、嬉しいかぎりです。

ネットで、開会セレモニーに対するネガティブな意見を、興味深く拝読しました。
幾つか気づいた点がございましたので、ノートしておく次第です。
数年後、日本の社会が崩壊していくのを見ながら読み返して、「やっぱり、あのあたりが転換点だったのかなあ」と思うためにです。


非政治=平和?


政治とは複数の人間がひとつのことを一緒に成し遂げようとするとき、必要不可欠なものです。それゆえ「人間とは政治的動物である」という言葉があるくらいです。

ところで、パリ・オリンピックの開会セレモニーを批判する御意見のなかに、「あれは政治的だからよくない。オリンピックは平和の祭典なのだから政治は除外すべきだ」という趣旨の発言がありました。

当初、わたしはあの開会セレモニーの政治的性格に気がついていなかったので、これは発見でした。わたしの蒙を啓いてにくださった方々に感謝致します。たしかに極右のル・ペンの生理には耐えられないセレモニーだったと思います。
しかしわたしは、たとえあれが政治的であったとしても、「だからよくない」という主張には同意できません。

なぜなら、前にも申しあげましたように、「人間とは政治的動物」だからです。
「人間」から「政治的」を引けば、残るのは「動物」になります。
しかし選手は、闘鶏のニワトリでも、競馬場のウマでもありません。

なぜ平和の祭典に政治を持ち込んだらいけないのでしょうか。
〈真の平和〉の実現のために必要不可欠なのが、まさに政治でありましょう。


中立=平和?


またネットでは「平和の祭典なのだから、みんなが楽しめる、価値中立的なものであるべきだ」という御意見も御見受けしました。
しかしこの主張には罠があると思いました。
「みんなが楽しめる、価値中立的なもの」は、現状維持=保守に有利に働きます。

例えば「右に2歩」と「左に2歩」の、「中立」は0です。
従って何も足さず何も引かないことが大事になります。それはつまり現状維持です。
しかしそれが果たして平和でしょうか。
現状=戦争みたいなひとびと、現状=差別みたいなひとびとの苦悩は無視してもよいのでしょうか。
価値中立的である必要はありません。人権が重視されるべきです。
女性の権利でもなく黒人の権利でもありません。人権です。


ジェネラル・パブリックの罪


そもそもマージナルなひとびとを無視してはいけません。「みんなのため」を思うなら、なおさらいっそう、その「みんな」からマージナルなひとびとを排除してはいけません。

マージナルなところにいる例外者は、常日頃、ジェネラル・パブリックの「ふつうの日常生活」によって疎外されていると感じています。
「ふつうの日常生活」、例えば、異性愛者で、両親がいて、とりあえず明日の御飯は冷蔵庫にあって、空爆もない、みたいな、サザエさん的な世界のことです。
そのような「ふつうの日常生活」に対する革命が望まれているとしたら、果たしてその希望を無視し抑圧することが〈真の平和〉につながるのでしょうか。


小市民よ、恐怖せよ


もしもあなたが、パリ・オリンピック開会セレモニーのアントワネットの生首に、生理的嫌悪感を抱いたというのならば、オルガナイザーの狙いは達成したと言えるでしょう。だって保守派=反革命派を恐怖させるのが、〈真の平和〉を願う革命派の狙いですから。

あのセレモニーを「日本のポリティカル・コレクトネスだったら、ありえねえ」と非難弾劾したあなたは、別の言葉で言えば、御自分がどれだけ常日頃、日本のポリティカル・コレクトネスそしてそれを実現させるための手段である密告や同調圧力によって支配=保護されている〈奴隷〉なのかを、自白しておいでです。

どうでしょうか。
せっかくですから、このパリ・オリンピックの機会に、奴隷であることをやめて、塀の外に出て、自由な世界市民になられてみては。
ぜひ御一緒にフリージア帽をかぶって「ア・サ・イラAh! Ça ira!」を歌ってみては。ぜひぜひ!
わたしからのささやかな提案です。

エディット・ピアフが歌っているバージョンを見つけました。

「繰り返し」のところだけ。

Ah! Ça ira! Ça ira! Ça ira!
(ああ!うまくいくとも!うまくいくとも!うまくいくさ!)
Les aristocrates à la lanterne

(特権階級を街灯に吊るせ)
Ah! Ça ira! Ça ira! Ça ira!
(ああ!うまくいくとも!うまくいくとも!うまくいくさ!)
Les aristocrates, on les pendra!

(特権階級を縛り首にしろ!)



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