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黒一色 《詩》

「黒一色」

テーブルの上に置かれた
ラムコークの氷が
溶ける音が聞こえる

魔法の解けた海辺 
突然 蘇った汚れた街

熱せられた蜃気楼の中で

脈を打つ自分の鼓動を
確かめながら走る僕等の姿が
映し出されている

僕等は皆 泣きながら走っている

叶わぬ夢を描いた刺青が
色彩を放つ

その色は美しい黒一色

赤いドアを開けた その先に
見えたものは美しい黒一色

終わりも始まりもない黒一色


蜂蜜を垂らした太ももを
舌先で舐めとる遊び

君に触れた僕の指先には
金色の鱗粉が光っていた

全ては初夏の幻なのだろうか


それを誰かが夜と呼んだ
いつかは君もそれを夜と知るだろう

誰にも塗りつぶせない
純粋な黒がある事を

Photo : Seiji Arita

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