「なぜロックダウン下で人はメンタルやられるのか」、経験者として語るからちょっとこっち来なさい。
この記事は2021年8月の記事です。当時、まだマレーシアはロックダウン真っ最中で18歳以下の子供はワクチンが接種できませんでした。現在、うちの息子はワクチン2回接種済みです。
その他、ロックダウン中の生活に興味のある方はこちらをどうぞ。めっちゃたくさんあるけどね!
訂正します。セルフロックダウンとロックダウンは違います。ロックダウンはメンタルやられます。体験中の俺が断言する。
以前、こちらのnoteを「日本でもロックダウンを!」という人へ現状を知って頂ければと思い書きました。
日本が #ロックダウン するしかないって言ってる人はまずご自身が自分だけで一週間くらいご自身の考えるセルフロックダウンやってみるといいと思いますよ。ちなみにロックダウンの概念なんてどんどん変わるのでその変化に耐えるのも結構大変ですのよ。https://t.co/Qun9V73Y3M
— Seina (@Seina) August 20, 2021
で、これ書いてから思ったんですがすみません訂正します。「セルフロックダウンとロックダウンは違います!」ではなぜロックダウンがメンタルやられるのかを経験者として語りますので聞いてください。いいから聞け。
ちなみにここで「ロックダウン」を私なりに定義します。
1:政府によって(国境間移動を含む)行動を制限(違反者は逮捕または罰金)
2:医療の対応が危機(万人が自由に診療が受けれない状態)
3:学校や会社、店舗などが基本閉鎖(住民は基本自宅待機、オンライン環境があるなしは関係ない)
4:上記3点の開始、終了時期は政府が決定(個人で決められない)
「上記4点がほぼ同時に行われるのがロックダウン」と定義します。保障とか関係ないです。そしてこのロックダウンからは3つのダメージが来ると体験から語らせて頂きます。
1:「○○しちゃダメ」って言われるダメージ

ロックダウン!と政府から言われるとやってはいけないことが明確になります。違反したと警察が判断したら逮捕、罰金です。買い物に行っちゃダメ。レストランに食事に行っちゃダメ。パソコンが壊れてもお店に修理に行っちゃダメ、子供のオンライン授業で必要なものがあっても買いに行っちゃダメ。ダメ、ダメ、ダメ!
時には国境間の移動も制限されます。「どこどこ国からの入国禁止」。これも言われたら個人ではどうにもできません。
ダメ、ダメ、ダメ!と言われ続けると「必要な時に買えなかったらどうしよう」と恐怖感が増し、買い物感覚が狂ってきます。私は買いだめをしてしまう人を責めることはできません。だって本当に心配だもの。
そして悲しいのは「遠方の大事な人が具合が悪くなったらどうしよう」という恐怖感。親が倒れたらどうしよう、恩師が具合が悪くなったらどうしよう。夜中寝る前に急にこういう思いが自分の中に巡ってきてマジで泣いてしまったりすることもあります。
もちろん、お金と時間を使えば移動できないことはないです。でも現在は隔離が自腹ですし、莫大なお金と時間がかかります。そして例えばうちの場合ですが受験生がいるのでお金と時間をかけて日本に行った際に「デルタ株を抑えるために外国からの入国禁止」と急にマレーシアに言われたら個人の力ではどうにもなりません。なので子供の受験が終わるまではマレーシアのKLから動かないことにしています。もちろん自分で決めた選択ですが「でも動けないことで」と思い始めると本当に凹んでしまうことがあります。
2:「自分や家族が具合が悪くなっても病院にいけない」と想像するダメージ

移動しなければ解決ではありません。日本でロックダウンをお願いする人は「なぜ自分や家族が具合が悪くなることを想定しないのか」私には理解できません。自分が具合が悪くなったら、家族が怪我をしたら、その時に病院に行けるかどうかわからない。特に小さなお子さん、赤ちゃんがいる家庭は(通常時だって赤子や幼な子がいる場合は緊張が続くのに)ロックダウン中の心身の緊張度は半端ないと思います。ロックダウンは基本人の動きを止めます。医療は身近なものではありません。「大丈夫。俺健康だから」とか言ってる人、急に怪我する、事故に合うのは健康な人だって遭遇します。
そうなった時に対応できるのか・・という恐怖感は心身にストレスを蓄積していきます。
3:「失ったらどうしよう」と妄想するダメージ

ロックダウン時は基本「同居以外の家族に直接会ったり家に行ったりしてはいけません」。(マレーシアはこれが守れないから感染が止まらない)、同時に「同居以外の家族との直接交流を遮断」は相当メンタルやられます。
子供は学校で生徒同士の交流ができない、会社では仕事の進め方が根底から変わってしまう、直接交流ができないことで信頼関係が構築できない、直接交流の機会を失う(機会回復がいつか時期がわからない)ことで仕事を失ってしまう、このような事態が既に実際に起きています。
うちは15歳で受験生でとても勉強する学校なので正直放っておいても大丈夫です。自分で筋トレをしたり食事管理もある程度できます。でもそれは「今15歳だから」。現在まだ幼少のお子さんの場合、オンライン授業があったとしても母親が子供のサポートをしなくてはいけない、家でダラダラする子供を見て何か言いたくなってしまうことをグッと堪えないといけない、そして「この子の将来はどうなるんだろう」と悲観する気持ちに対して冷静を保たなくてはいけない。
もちろん保障なんてないですし、自国民には保障があったとしても保障によって子供の教育や自分の就労を守れるかどうかわからない。保障って一体いくらかかるのでしょう?そして万が一、保障が有ったとしても「将来どうなるんだろう」って悲観する気持ち、止められます?
それに一定期間ロックダウンしたら効果が出るのは台湾やニュージーランドのように本当に小規模な範囲でのクラスターのみだと私は思います。中国も一部分をがん!って閉めますね。本当に中の人、大変だと思います。でも結果として止められたのは「人流が止められる規模だったから」ではないでしょうか。人流が止められないと、どんなにロックダウンしても効果は見えてこないし、人々はメンタルをやられるだけです。
そして中途半端なロックダウンは止めるタイミングが見えなくなります。この止めるタイミングが見えないのはまさに現在のマレーシアです。日本で成功例と紹介されることが多いニュージーランドも「やめ時を見失う沼」に入ってしまうのかと心配です。(こっちは沼から出れない状態だけどな)
定義が明確でない、しっかりしたビジョンがない状態で「ロックダウン」という概念のやめ時を見失うと具体的な改善策が見えなくなります。なのでロックダウンと言う言葉は安易に使うべきではないと私は考えます。
ここまでのお話で「いやいや。自分は引きこもり体質だから大丈夫」っていう方は「自分のことだけ考えればいい」という状況に恵まれた幸せな方なんだと思います。そういう方こそご自身が完璧に引きこもってぜひ人流を止めて頂きたいと思います。
そして「(自分の住む地域は関係ないけど)ゼロコロナを目指して一回経済を止めた方がいい。効果はなくてもやってみた方が」という意見の方。それは戦時中に若者に「お国のために死んでくれ」って言ってるのとある意味同じだと私は思います。その場で追い詰められる人のことはどうでもいいって表明してるのと一緒です。
以上あげた三点のダメージは「セルフロックダウン」では可能性が低いです。だって別に移動しようと思えばできるし、病院だって行こうと思えば行けるし、仕事やお店だってまだ失っていない訳ですから。
この移動できない、具合が悪くなったらアウト、仕事やお店や教育の機会を失うかもしれないっ、そして失った保障は全くないっていう状況が「いつ来るかわからない。そしていつ終わるかわからない」。これがロックダウンです。親が急に倒れたらどうしよう。子供が怪我をしたらどうしよう、自分が体調を崩したらどうしよう、外国人だから警察に尋問されたらどうしよう。VISAを更新しませんって言われたらどうしようっていう恐怖感がずっと根底にある訳です。
こんな状況を500日以上体感してるので日本の知事会が何にをどういう定義で「ロックダウンを」と言ってるのか心底理解に苦しみます。私が体験しているロックダウンと違う制限をロックダウンと表現されているのなら名称を変えるべきだと思います。
私が体験中、または諸外国で行われたロックダウンはそこに住む人のメンタルにかなりのダメージを与えます。これはマレーシアに限ったことではなく、外国でロックダウンを経験した日本人の方、皆様同意して下さると思います。
ちなみに私は専門家ではないので「じゃあどうしろと」と言われても明確な答えを出せません。現在マレーシアでワクチン接種がまだ打てない15歳の息子にはマスク、消毒、密を避ける、食べ過ぎを防ぎ健康的な食事、運動を心がけてもらっています。大人は私は打てるワクチンを打つべきだと思っています。実際に私はシノバックを2回打ってすでに二週間経ってますがまだ感染対策は万全にするつもりです。ワクチン打ちたい人は「今打てるワクチンが最善」だと思いますし、打つことに躊躇がある方はより確実な籠城対策を行って頂けばと思います。現場からは以上です。
