「しんがり」は負けるのが前提ですか?夏の甲子園。「最後に登場」の花咲徳栄が初戦敗退。今大会2試合目の仙台育英に惜敗。埼玉大会決勝から中16日。試合慣れした相手との戦いは不利
「しんがり」は負けるのが前提ですか?夏の甲子園。「最後に登場」の花咲徳栄が初戦敗退を喫した。今大会2試合目の仙台育英に惜敗。埼玉大会決勝から中16日の初戦。すでに甲子園で1回戦っている相手との対戦は不利に働く。抽選の不運。甲子園の最終出場校はなかなか勝てない。
大会8日目の8月12日。第2試合で49代表すべてが初戦を戦うことになる。今回は埼玉代表の花咲徳栄が最後の登場となった。
ただ、相手は仙台育英。開幕戦を制して勝ち上がってきた。初戦を戦う花咲徳栄と2戦目の仙台育英。試合経験の差が、この試合の勝敗を分けたように思えた。
花咲徳栄は埼玉大会でのチーム打率3割9分5厘。強打で代表の座を手にした。今春の選抜8強入り。実力も実績も兼ねそなえて、夏の聖地に戻ってきた。
それでも自慢の打線が四回までノーヒット。仙台育英の先発、古川諒弥投手の丁寧にコースを突く投球に翻弄された。
0-0のまま迎えた六回に、花咲徳栄は内野のエラーで出塁を許し、後続の連続安打で先制点を奪われた。終わってみれば、これが両チーム唯一の得点だった。
花咲徳栄は0-1で惜敗。強力打線もわずか5安打に封じられ、三塁まで走者を進ませることもできなかった。
夏の甲子園49代表のうち、最後の登場となる「しんがり校」は抽選の段階で対戦相手が決まらない。相手は1度甲子園で勝ったチームとの戦いとなる。
今夏の甲子園での試合経験の差が勝敗に影響を及ぼしてしまう。しんがり校は2019年の101回大会以降6連敗だった(2020年は大会が中止)。
試合前に花咲徳栄の岩井隆監督は「歴史を変えてこい」と選手たちにげきを飛ばした。選手たちも肝に銘じてプレーしている。ただ中16日の試合間隔もあってか、なかなか体が動かない。
埼玉大会で打率6割8分と打棒を振るった笹崎昌久選手。しかし、この初戦では「バットを振ろうにも思ったより出てこなかった」。4打数1安打だった。
花咲徳栄は2017年の第99回優勝校。今回も優勝を狙える力はあった。それでも岩井監督は「これがしんがりの難しさなのか」と振り返った。
「しんがり」とは元々、戦で軍が退却する時に、軍列の最後尾で相手の追撃を防ぐ役割を意味する。本来、負けるのが前提の場面で出てくる役割だ。実際、夏の甲子園でも、負けるチームが続いている。
49代表制となった第60回(1978年)以降、しんがり校は通算11勝36敗となった。組み合わせ抽選で一番引きたくないのが「しんがり」だろう。これも夏の甲子園の魔物と言えるかもしれない。
