生きる意味なんて「音楽」だけで充分なんだよ。Official髭男dism at STADIUM 2025参戦。
すう、と息を吸えば、湿った空気が流れてくる。春を忘れた空が冬の残り香でも垂らすように、空気中にのべっと冷気の膜を張る。駅のホームから、ちらりと空をのぞけば、雫が線になって真っ直ぐに、いくつもいくつも溢れて線路に染み入っていた。
よりによって「 今日じゃなくてもいいじゃない」と思う。
なんせ今日は、『Official髭男dism LIVE at STADIUM 2025』なのだから……!

ヒゲダン初のスタジアムライブに赴く本日、舞台は日産スタジアム。
つまり、野外!
これまで数々の音楽フェスを渡り歩いてきた身からすれば、「まあ雨が降ることもあるよね」「 それもまた風情があっていいよね」事案ではあるのだが、できれば快晴の空の下、さとっちゃんの美しく滑らかな歌声とヒゲダンが織りなす陽気で繊細なリズムを全身で感じたいものだ。
けれども、天候はなんとも不安定。降っては止んで、降っては止んでを繰り返し、ライブ開始30分前時点ではしっかり雨が降っていた。
しぶしぶ100均で購入したレインコートを身に着ける。雨対策は万全。そうさ、ヒゲダンの素晴らしさはきっと自然界でも有名で、雨の雫たちもヒゲダンの音楽を生で聴きたくてやってきたんだろう。それならわかる。もういいさ。いくらでも降ってこい!
そう慰めた矢先。
まさに、ヒゲダンのライブが開演する1〜2分前のことだったと思う。雨が上がったと思ったら、空に大きな虹が……!

こんな美しすぎる演出見たことがない。ヒゲダンの手によって生み出される数々の音楽はどれも奇跡のように良い曲ばかりで感動しているというのに、こんな奇跡まで起こしてみせるだなんて。感動という言葉では言い表せない感情が、スタート直前からぐるぐると胸の内をまわる。
そうして虹をバックにはじまったヒゲダンのライブだけれど、もう『荘厳』。こんなにも天真爛漫で、天衣無縫で、完璧な音楽を作り出すバンドって他にあるはずがない……!
セットリストはこんな感じ。たぶん。
1.Same Blue
2.Universe
3.ミックスナッツ
4.パラボラ
5. Laughter
6. 115万キロのフィルム
7. Pretender
8. イエスタデイ
9. Subtitle
10. FIRE GROUND
11. ブラザーズ
12. ノーダウト
13.Cry Baby
14.ホワイトノイズ
15.宿命
16.TATOO
17.Chessboard
18.50%
〜アンコール〜
19. I LOVE…
20. 異端なスター
21. SOUL SOUP
22. Stand By You
個人的には、Cry Babyがカッコよすぎてトンだ。
自分が地球にいることも忘れて、どこか別の次元に飛ばされたんじゃないかってくらいに意識も、心も、すべてヒゲダンに持っていかれてた……。
演奏や歌声はもちろん、演出もめちゃめちゃかっこよくて、青い稲妻(たしか青だった)がビリッビリッと走るたびにさとっちゃんの声が心の奥の柔らかい部分を突き刺してくるようで、もうほんと、良。(突然の語彙力消滅。この良さを表す言葉はこの世にない。)
さとっちゃんの声はどうしてあんなにやさしいんだろう……。スタジアム中にさとっちゃんの声が駆け巡って、背中をさすってくれたり、強くばしんばしんと叩かれたり、あるときは肩を組んできて、まじで生き物。さとっちゃんの声、まじ生きてる。
そんなさとっちゃんはライブの間で、よくファンに向けてメッセージを送ってくれるのだけれど、今回も「今日の思い出を絶対に忘れたくない」と熱く熱く語ってくれた。真っ直ぐな想いを言葉にして伝えてくれるところに、口下手なわたしは「すごいなあ」と毎度、感銘を受けてしまう。
少し眩しいけれど、太陽みたいな言葉は、目を細めてでも感じていたいあたたかさがある。
そうやって、「思い出を残しておきたい」と強く語った末にはじまった『TATOO』だったのだけれど、なぜかさとっちゃんから「ストップストップ!ごめん!ストップ!」と、演奏が止まる。どうやらキーボードの変なボタンを押してしまって、キーボードの音が変わってしまったらしい。
大輔さんがすかさず「いい思い出増えてんなぁ!」と笑って、スタジアム中もニコニコ☺。いつもニコニコだけれど、今日は一段とニッコニコ☺な、ならちゃんもやっぱりニッコニッコ☻。
キーボードの音変換待ちの時間は、ならちゃんが風おじさんになったり、ちゃんまつさんが空おじさんになったり、ヒゲダンの仲の良さがうかがえるほっこりタイムに。
なんだかんだ5分くらい雑談をしていた気がするけれど、わちゃわちゃしている姿が見られて癒されました……。どうかこれかも、メンバーみんなが仲良くわちゃわちゃ音楽人生を楽しめますように。
ライブも終盤になると、空も真っ暗に。照明がより一層力を振るうようになって、事前に配られていたバンド式のライトも音楽に合わせてキラキラ光って、綺麗な景色だった……!

わたし一人がこのライブにいようが、いなかろうが、さして影響などないのだろうけど、それでも右腕で光るライトの煌めきがヒゲダンの元に届いて、「ライブやってよかった」「楽しかった」っていう感情を抱く0.00000000000000000000000000001%にでもなれたらと懸命に振った。
こんなに素敵な時間を与えてくれて、ありがとう。
どうか、ヒゲダンのみなさんにも、0.00000000000000000000001%でも多く、今日という日に幸せが生まれていますように……。

はあ、良かったな〜。
『Subtitle』が大好きなので聴けてよかった〜。
それから『SOUL SOUP』は、ずっと生で聴きたかったので、アンコールで聴けたときは本当に本当に嬉しかった〜〜。
はあ〜〜〜〜。
生きててよかったな〜〜〜〜。
生きてて良かったって、本当にそう思わせるようなキラキラした光をくれるヒゲダン、ずっと大好き、ずっと応援してる。
さとっちゃんは、たまたまヒゲダンの曲に出会ってくれて、好きになってくれて、ライブに来てくれてっていう選択をしてくれたみんなに感謝って何度も口にしていたけれど、その"たまたま"にどれだけ救われたかわからない。
音楽があるから生きていられるって、あるんだよなぁ。
ほんと、むずかしいことなんて要らないよ。生きる意味なんて、「音楽があるから」これだけで充分だよね。
