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歴史のことばNo.2 「この「神話」を絶対化し、永遠のものとしてはならない」

山内進氏といえば、サントリー学芸賞を受賞した『北の十字軍』という、たいへん刺激的な著作がある。


ほんとうはそちらからとも思ったのだが、いま手もとにはないので、こちらのことばを紹介したい。

近代文明が、数々の暴力を歴史にのこしたことは、いうまでもないことだ。
だが山内氏は、その淵源を、古代や中近世ヨーロッパにまでさかのぼって検討していく。

「人道的介入」や「保護する責任」のように、「正しい戦争」はありえるかという問いは、現代世界にあっても解決をみていない。
国際法の議論は、非常にむずかしい。
だが、山内氏は、これを宗教と法が、人々を「境界」に切り裂く有り様を、具体的に描き出し、戦争観の変遷をたどっていく。
本書のあつかう範囲は西洋にとどまるし、論文をまとめたものなので、ややまとまりには欠けるが、見取り図を得るには便利な一冊だ。

とはいえ、こちらもなぜか、古書価格がとんでもなく値上がりしている。推移を調べると、ウクライナ侵攻に10000円を超えている。関心がたかまっているのだろう。
落ち着くのを待つか、『北の十字軍』をおすすめしたい。



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