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"今"と"過去"をつなぐ世界史のまとめ 第0回 未来の世界

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

1897-98年 / 油彩・キャンパス、Tompkins Collection-Arthur Gordon Tompkins Fund, 36.270、© 2009 Museum of Fine Arts, Boston


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"今"と”過去”をつなぐ世界史のまとめ


 初回の本記事では箸休めに、われわれ人類の向かいうる行き先について、ぼんやりと、あえて無根拠に、素描してみようと思います。


【1】地球時代から宇宙時代へ

 宇宙への人類の永続的な進出が、じわじわと現実味を増しつつあります。

 初の有人宇宙飛行(注:ソ連のガガーリン)、有人月面着陸(注:アメリカのアポロ11号)を経て、国際的な協力もすすみ、1998年からは国際宇宙ステーション(ISS)が建設されました。
 一方、2010年代に入ると中国が一気に躍進。中国は2003年に初の有人宇宙飛行(神舟5号)、2013年に無人での月面着陸(注:嫦娥3号)に成功し、2020年までに中国の宇宙ステーション(注:天宮2号)完成の計画もすすめています。
 また、国レベルではなく、民間宇宙会社の挑戦もすすんでいます。

 将来の人々が「世界史」の章立てをする際、

 0. 地球外時代
 1. 地球時代
 2. 地球外時代

 ―という区分を採用しないとも限りませんね(これはちょっと言い過ぎ)。

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【2】 物質空間時代から情報空間時代へ

 生命の誕生以来、あらゆる生命は「物質的な空間」を活動範囲として発展してきました。
 しかし電子式計算機の発明以降、人類は「物質的な空間」を前提としない「情報によって形作られた空間」を手にすることになりました。
 従来の有限な空間に「情報空間」を重ね合わせることで、物質的な空間の制約を取り払う技術が生まれる可能性もあります(注:拡張現実)。

 情報空間の拡大は、国家の存立そのものにも大きな影響を与えつつあります。人工衛星や原子力発電所、発送電施設などを動かしているのはコンピュータ・ネットワークですし、国内外のあらゆる情報がインターネット上に飛び交う状況に対し、国が規制を加える例もみられるようになっています。

 こうした懸念に対し、情報の信頼性を高める技術(注:ブロックチェーン)の導入の動きも本格化。従来は「相手が信用できないから」「情報が改ざんされるのではないか」と不安だった取引が円滑で安全に行われることができるようになれば、人と人とのつながりや物やお金のやりとりのあり方も大きく変わっていく可能性もあります。



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【3】人間時代からポスト人間時代へ

 日進月歩の知識の更新にともない、間をおかずに多くの知識が「死知識」(obsoledge)化していく中で、「データ」の超人的な蓄積とその活用に対するニーズが高まっています。
 イスラエルの歴史学者(注:ユヴァル・ノア・ハラリ)が『ホモ・デウス』に警句を寄せるように、科学技術の発達の行き着く先には、人間の「知能」そのものの科学技術による代替が待っているという見方すらあります(注:シンギュラリティをめぐる議論)。

 また、DNAに対する直接的な操作によって、目の色を替えたり、思い通りに人体を作り変えること(注:ゲノム編集)が技術的に可能になりつつある中で、果たしてそれが「許されること」なのかという議論が追いついていない状況です。 

 また、気候変動リスクの高まる中、地球環境の許容レベルを超えた人類の活動が人類自身に跳ね返り、人類の生存をおびやかす恐れもあると言えましょう。


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【4】領域国民国家から脱領域的動きへ

 現在、地球上には197(日本+日本政府の認める国+北朝鮮)の独立国と、日本政府の認めていないいくつかの国や地域があり、地球上の陸地のうちいずれかの国家の領域となっていない地域は、南極を除きもはや存在しません。
 このような「一つの領域内を、一つの政治権力が支配する」体制(注:主権国家体制)は、17世紀のヨーロッパ諸国で始まって以降、「一つの国は、まとまった国民によって構成されるべきだ」とする性格(注:国民国家)を帯びつつ、世界のあらゆる地域に拡大していった国のモデルです。

 しかし、一定の領域内の住民を国民として管理する国のあり方は、人・物・金が、物質空間だけでなくサイバー空間上において地球規模でやり取りされるに至り、「うまく機能しない点」が目立つようになっています。

 国は「統治の技術」を刷新することで領域内の住民をなんとかコントロールしようとしても、「国を越えるビジネス」の推進者の意見を同時に聞こうとすると、国民の意見を反映した政治のしくみ(注:民主主義)はなかなかうまく回ってはくれないのです。

 19世紀以降の、植民地拡大と軌を一にして確立された西欧・アメリカ合衆国による世界経済の覇権は、20世紀末には旧・植民地諸国による「リベンジ」の局面(注:大収斂)を迎え、少子高齢化問題を抱える先進国や一部の新興国は労働力として国外からの移民受け入れがますます加速しています。

 一部の「大国」の影響下に「多数の国」がひしめく従来の体制に対して、地球規模のビジネスを推進する方向と、それに対抗し国内外に新たな領域を設定し連帯を求める方向は、そのいずれもが従来の領域国民国家の枠を再定義しようとする動きといえます。

 一方、従来の国家間に立ちはだかっていた「言語の壁」が、技術的に解消されることが有望視される中で、「今まで耳に入らなかったあらゆる情報」が良くも悪くも、より一層地球規模で飛び交う時代がやってくる可能性も大いにあります。

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 さて、いかがでしたでしょうか。
 悲観的であれ楽観的であれ、ほかにも無数の観点から自由に考えてみることができるはずです。

 次回からは1979年から逆に時代をさかのぼっていく形で700万年前の人類誕生に向け、"今" "過去" を切り結びながら人類の歩んできたストーリーを見ていくことにしましょう。


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みんなの世界史 このたびはお読みくださり、どうもありがとうございます😊