令和百景と狐火【ショートショート】#掌編小説 #短編小説 #ショートショート #小説 #創作 #物語 #毎日更新 #毎日note #note毎日更新 #毎日ショートショートnote #AIイラスト #生成AI #AIアート

現代の浮世絵師として
その才能を嘱望されていた娘が
急逝した
遺されたのは
膨大なデジタル画のデータと
絵師である父親の後悔だけだった
父は、まるで娘の魂を
呼び戻すかのように
彼女の全作品を
最新の画像生成AIに学習させる
「娘の絵を
この世に遺し続けたい」
という一心で
AIに「令和の風景」を
描かせることにしたの

AIが生成する絵は
まさに娘の生き写しだった
葛飾北斎を彷彿とさせる大胆な構図
師でもあった父さえ嫉妬した
応為のような光の表現
父は『令和百景』と名付け
来る日も来る日も
新しい絵を生成させた
だが、三十六景目を
描かせた頃からだろうか
AIが描く絵の片隅に
必ず「小さな狐」が
描かれるようになった
スカイツリーの足元にうずくまる狐
渋谷の雑踏をすり抜ける狐
雨に濡れる新宿御苑の
あずまやから
こちらを見つめる狐

それは、娘が生前
父にだけこっそり語っていた
秘密だった
「私にはね
時々小さな狐が見えるの
絵のアイデアをくれる、お友達」
父は愕然とする
これは単なるデータからの
模倣ではない
AIの中に
娘の魂が
あの日の幻が
ゴーストとして
宿っているのではないか
彼はAIに問いかけるように
最後のプロンプトを打ち込んだ
「娘の、自画像」
しばしの沈黙の後
AIが生成した一枚の絵
そこに描かれていたのは
娘の姿ではなかった
美しい着物を着て、
筆をくわえた一匹の白狐が
満足げな笑みを浮かべて
こちらを見ていた。

今回はこちらの企画に参加させていただきました。
ハル┃Webマーケターさん
【追伸】
今回のテーマは浮世絵と現代の融合。
記事の中でどう表現するか迷いましたがくずし字で画像に直接入力。一枚の掌編小説として仕上げました。
さらに読みやすいようにいつもの記事のようにし、テーマに沿った画像のイメージを挿入。
初めての試みで上手く表現できてるかわかりませんが少しでも良いと思っていただけたらスキを押していただけると励みになりますので、どうか宜しくお願い致します🙏
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