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協生農法(きょうせいのうほう)とは?


農薬も肥料も使わないのに、野菜が育つ。

そんな夢のような話が、現実になりつつあります🌱

それが「協生農法(きょうせいのうほう)」です。

ソニーグループも注目するこの農法、耳にしたことはありますか?

まだ知らないという方も多いと思いますが、地球の未来を大きく変えるポテンシャルを秘めています🌍

この記事では、協生農法とはどんな農法なのか、どんな仕組みで成り立っているのか、そして家庭菜園でも実践できるのかを、わかりやすくお伝えしていきますね✨


協生農法ってどんな農法?🤔


農法の定義と基本的な考え方

協生農法とは、一言でいうと「植物が育つ生態系を人為的につくり、食料を収穫しながら生物の多様性を豊かにしていく農法」です。

もとは三重県伊勢市の大塚隆さんが考案し、ソニーコンピュータサイエンス研究所が科学的に体系化しました。

「自然に任せるだけ」の放置農法とは違います。

自然の仕組みをしっかり読み解いたうえで、人間が意図的にデザインして生態系をつくっていくのが特徴ですよ🌿

「協生農法実践マニュアル2016年度版」では、詳しく解説されています。

(出典:協生農法実践マニュアル2016年度版 ソニーコンピュータサイエンス研究所)

「ほとんど手をかけないのに、多種多様な野菜や果物がとれる、まるで食べられる森のような畑をデザインしよう」ということです🌳


従来の農業との大きな違い

一般的な農業(慣行農法)では、作物を育てるために次のようなことをしますよね。

  • 土を耕してふかふかにする(耕うん)

  • 不足している栄養を補う(施肥)

  • 害虫や雑草を取り除く(農薬・除草剤)

  • 同じ作物を整然と並べて育てる(単作)

一方、協生農法ではこれらをすべて行いません。

それでも食料が得られるのは、「生態系そのものの力」を活用しているからです。

多様な植物が混ざり合うことで、植物同士が助け合い、虫や微生物も豊かに集まってきます。

その相互作用が、肥料や農薬の代わりを果たしてくれるというわけです✨



協生農法の4つの基本原則🌾

① 不耕起(耕さない)🚜✖️

土を耕すと、土中の微生物の構造や有用な菌のネットワークが壊れてしまいます。

協生農法では土を耕しません。

枯れた草の根が分解されることで、自然に土の中に空気を通す道ができていくからです。

一度生態系が安定すれば、土は年々豊かになっていきます🌍

② 無施肥(肥料を与えない)🧪✖️

外から化学肥料や有機肥料を持ち込むことはしません。

「でも、栄養はどこから来るの?」と疑問に思いますよね。

多様な植物や昆虫、鳥、土壌微生物が共存することで、生態系の中で栄養が自然に循環していくのです。

落ち葉や枯れた植物、虫の死骸なども大切な栄養源になりますよ🍂

③ 無農薬(農薬を使わない)🌿

特定の害虫だけを排除しようとすると、かえってバランスが崩れることがあります。

協生農法では、多種多様な生き物が共存する環境をつくることで、特定の虫が大量発生するのを自然に防ぎます。

生態系のバランスが、農薬の役割を担ってくれるのです🐝

④ 多種混生(多くの植物を混ぜて密に植える)🌸

1種類の作物を整然と並べるのではなく、多種多様な植物を混ぜて密に植えます。

  • 果樹・野菜・ハーブ・豆類などを組み合わせる

  • 一年草・多年草・木本類を組み合わせて長期的な生産を実現する

  • 草(雑草)も生態系の一部として活用する

これにより、まるで小さな森のような「食べられる生態系」が育っていくのです🌳



ソニーが注目する協生農法の実績📊

砂漠をジャングルに変えた驚きの実証実験

協生農法が世界に衝撃を与えたのが、アフリカ西部のブルキナファソでの実証実験です。

ブルキナファソはサハラ砂漠の南に位置し、農業による砂漠化が深刻な地域です。

住民の多くは小規模農家ですが、雨水だけに頼る農業では収量が安定しませんでした。

2015年、舩橋氏と現地NGOがチームを組み、砂漠化した500㎡の土地に150種以上の有用植物を植えました。

その結果はどうなったでしょうか?

なんと、雑草の種さえ発芽しなかった荒廃した農地が、わずか1年で植物に満ちあふれたジャングルへ変貌したのです🌿✨

さらに、そこで収穫した作物の月間売上がブルキナファソの国民平均所得の約20倍に達したといいます。

(出典:協生農法ソニーコンピュータサイエンス研究所)

砂漠緑化と地域経済の立て直しが、同時に実現したのです。

これは、従来の農業の常識を根本から覆す実績ですよね💡

六本木ヒルズの屋上でも実証実験🏙️

大自然の砂漠だけでなく、都市部でも協生農法は活きています。

2019年から、ソニーCSLは東京・六本木ヒルズの屋上庭園で実証実験を開始しました。

200種以上の有用植物を混ぜて密植し、都市環境での生態系形成を検証しています。

「情報や人が集まる都市部で取り組み、まず知ってもらうことが普及の第一歩」という考えのもと、教育プログラム「シネコポータル」の開発も進んでいます。

プランターで始められる学習キットもあるので、子どもでもチャレンジできますよ🌻



協生農法のメリット・デメリット⚖️

知っておきたい3つのメリット

  • 🌍 環境を豊かにしながら食料が得られる:食料を生産するほど生物多様性が高まり、生態系サービスも大きくなっていきます

  • 💰 資材コストが大幅に下がる:農薬・肥料が不要なため、慣行農業と比べてランニングコストが低くなります

  • 📦 総収量が安定しやすい:多様な作物が混植されているため、特定の作物が不作でも他の作物でカバーできます

正直に伝えるデメリットも3つ

一方で、協生農法にはデメリットもあります。

理解したうえで始めることが大切です。

  • ⚠️ 特定作物を毎年同じ量で作るのが難しい:生態系のバランスは常に変化するため、単一作物の安定生産には向きません

  • 生態系が安定するまでに時間がかかる:最初の1〜2年は試行錯誤の期間と考えてください

  • 📚 植物の知識と観察力が必要:混植のタイミングや草の管理は、経験と知識に左右される部分が大きいです



自然農法との違いってなに?🌱

似ているけれど、実は別物

「自然農法と同じじゃない?」と思った方も多いかもしれません。

確かに共通点はあります。

どちらも無農薬・無肥料・不耕起を基本としていますよね。

でも、決定的な違いがあります。

それは「人為」に対する考え方です。

  • 自然農法:自然に従い、なるべく人為的な介入を避ける

  • 協生農法:自然の仕組みを科学的に学び、それを模倣しながら積極的に生態系をデザインしていく

協生農法の基礎には、ビッグデータやAIを活用したデータサイエンスがあります。

国内約1,000種類の植物と昆虫をデータベース化し、センサーで生態系をモニタリングしながら農法を常にアップデートしているのです💻

「科学的に自然を再現しようとしている」のが、協生農法の大きな特徴ですね。



家庭菜園でも始められる?🥦

まずは小さなスペースから試してみよう

「協生農法、面白そうだけど難しそう…」と感じていませんか?

大丈夫です。

実は4〜20㎡程度の小さなスペースから始められます。

マニュアルには「4㎡ほどでも数人分の野菜を通年自給できた例がある」と記されているほどです。

最初の実践手順を簡単にまとめてみますね。

  • 🪴 Step1 畝づくり:幅1〜1.5mほどの畝を作ります。深く耕す必要はなく、土を盛る程度でOKです

  • 🌳 Step2 果樹や低木を植える:ブルーベリー、イチジク、ユスラウメなど管理しやすい果樹を1〜2本入れます。半日陰をつくり、虫や鳥を呼び込む役割があります

  • 🌱 Step3 多種の種をまく:レタス、コマツナ、ニンジン、ニラ、パセリなど7種類以上を混ぜてまきます。草より先に野菜で地表を覆うことがポイントです

  • ✂️ Step4 草管理:草を「なくす」のではなく「有用植物が負けない状態を保つ」のが基本です。一年草はなるべく残し、優占しそうな多年草のみ刈ります

  • 🥬 Step5 収穫と追いまき:密になった場所から間引き収穫し、空いた場所にすぐ次の種をまきます。裸地をつくらないことが生態系を守ることにつながります

プランターで始めることもできますよ🪴
ソニーCSLと一般社団法人シネコカルチャーが共同で発行している「シネコポータル」という拡張生態系入門キットには、プランターでの実践方法も詳しく載っています。

よくある失敗と対策

初めて協生農法を試す方がよくやってしまう失敗も知っておきましょう。

  • 種の量が少なすぎる:草に負けないよう、思い切って多めに種をまく

  • 草を全部抜こうとする:一年草まで抜き尽くすと土の構造形成の機会を失います

  • 肥料を前提とした品種ばかり選ぶ:ナスやトウモロコシなど肥料前提の品種は、無施肥では育ちにくいことがあります

最初の1年は、「うまく育てる年」というよりも「この土地の特性を知る年」くらいの気持ちで取り組むと、ずっと楽しくなりますよ🌞



協生農法が目指す未来🌏

2045年問題と農業の限界

舩橋氏が協生農法の研究を続けるのには、深刻な理由があります。

現代の農業は生物多様性を削減する大きな要因となっています。

多くの生物学者が、このままでは2045年までに地球上の生態系が全体的に崩壊し、回復不可能な状態になると予測しているのです⚠️

これは決して大げさな話ではありません。

農薬や化学肥料、耕うんを前提とした農業が、土壌の微生物多様性を急激に失わせているのが世界的な現実です。

そのような状況で、協生農法は「農業を行いながら生態系を再生できる」唯一ともいえる農法として注目を集めています。

食料生産と環境保護が、トレードオフではなく「相互に高め合う関係」になれる。

それが協生農法の根本的な考え方です💡

健康にも良い影響がある可能性

最近の研究では、協生農法で生産された農産物には、通常の農産物よりも土壌微生物由来の栄養素やファイトケミカル(植物由来の抗酸化成分)が豊富に含まれている可能性が示唆されています。

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸の中に住む細菌のコミュニティ)の多様性が高まることで、免疫力の向上や慢性疾患の予防に寄与するとも考えられているのです🏥

食べること・農業・健康・環境。

これらがひとつの農法でつながっていくのは、なんとも深い話ですよね。



まとめ:協生農法が教えてくれること🌿

協生農法(きょうせいのうほう)は、「耕さない・肥料を与えない・農薬を使わない・多種を混ぜて密に植える」という4つの原則のもと、生態系そのものを食料生産の基盤にする革新的な農法です🌱

自然農法と似ていますが、最大の違いは「人間が積極的に生態系を設計する」という点です。

農薬や化学肥料に依存してきた現代農業が行き詰まりを見せる中、協生農法は「食料生産と環境再生を両立できる」新しい可能性を示しています。



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