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アナログ回路設計を体感 ADIが実践型セミナー開催

 設計・開発を行うエンジニアは多くの課題に直面する。回路全体のレイアウトや素子の小型化、現在使用している製品のEOL(End Of Life:生産中止)など、課題はさまざま。特に、アナログ回路では使用する製品が変わるとマッチングなどにより、ノイズ特性や回路の安定性が変わってしまうことがある。こうした課題を解決するためには、その原因を突き止め、対処する方法を考え出す力が必要。民生機器はもちろん、自動車や産業機器など幅広い分野でエレクトロニクス技術が必要となる中、設計・開発に関わるエンジニアの技術力の向上が求めれれる。半導体メーカーの中には、顧客である最終製品のエンジニア向けにセミナーを行い、技術力向上に貢献している企業もある。


アナログ回路設計を学ぶ実践セミナー

 米アナログ・デバイセズ(ADI)は6月下旬、東京、大阪の2会場で「手を動かして納得!アナログ信号処理実習セミナー」を開催した。大阪では75名、東京では81名と、多くのエンジニアが参加。FA、計測、エネルギー関連、民生、自動車、ヘルスケア、通信など幅広い業界から参加者が集まり、アナログ回路の設計について学んだ。
 
 今回のセミナーの大きな特徴は「実践」であること。通常のセミナーのような講座形式ではなく、参加者は実際に手を動かしながら学ぶことができる。システムのアナログ性能を解析する方法を学ぶとともに、シミュレーションツールや学習システム機器を使いながら、その性能を検証した。

81名が参加した東京会場

学習システムやキットを操作

 セミナーは以下の3つのセッションで構成。
 
①    オペアンプのノイズ特性の理解と実機検証方法
②    電圧帰還形オペアンプの安定性評価方法~フォトダイオード電流電圧変換アンプを例にして~
③    学びながら回路設計を素早く実現~Signal Chain Designer~
 
 それぞれ、ADIのエンジニアがアナログ半導体各製品の紹介やノイズなどの課題について解説を行った。今回のセミナーでは参加者がPCを持ち込み、ADIの学習システム「ADALM2000」や支援ツールを操作する。冒頭、セッションで使用するファイルやツール、ボードキットの説明を行い、ノイズなどエンジニアを悩ます事例について解説を交えながら、セミナーを進めていった。

ADALM2000をPCに接続準備する参加者

 ADALM2000は学習用途に最適な2チャンネルのUSBデジタル・オシロスコープ。PCと接続することで簡単にオシロスコープを表示することができる。参加者は、用意されたプリント配線板(PCB)をADALM2000に接続し、ノイズの数値を実測。データシートのスペック値から計算した数値を実測値と比較し、予測結果の信憑性を検証した。

設計相談のコーナーも

 セミナー後半には、セミナー講師陣が参加者の設計における疑問や困りごとを相談する設計相談の場も設けた。各セッションのQ&Aで聞けなかった質問なども含め、多くの相談が寄せられた。
 
 今回のような実践型セミナーは、特定の顧客に向けて個別開催することはあったが、オープン形式で行うのは初めてのこと。ADIではこうした取り組みを通じて、アナログエンジニアの育成に貢献していく。