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サイクル分析の極致 ノイズとドリフトを完全除去するRoofing Filter RSI

市場価格の波形は、本来滑らかなものではありません。
そこには常に、意味のない微細なギザギザ(高周波ノイズ)と、オシレーターを上下の極限に張り付かせてしまう大きなうねり(低周波のトレンド成分)が混在しています。
これらをそのまま計算式に放り込めば、出力されるシグナルが歪むのは当然の帰結です。
では、もし事前にこの「不純物」を数学的処理できれいに取り除き、市場の純粋な「鼓動(サイクル)」だけを抽出してからRSIにかけたらどうなるでしょうか?
今回は、信号処理の権威がたどり着いた一つの到達点、Roofing Filter RSIについて解説します。

■ 開発の背景と目的
この指標は、デジタル信号処理を金融市場に応用する第一人者、John Ehlersによって2013年頃に提案されました(著書『Cycle Analytics for Traders』等で紹介)。

通常のRSIには大きな弱点があります。
それは、強力なトレンドが発生すると数値が片方に偏り続け(ダイレーション現象)、買われすぎ・売られすぎの判断が機能しなくなることです。
また、日々の細かな値動き(ノイズ)が多すぎると、シグナルが頻発して使い物になりません。
Ehlersは、RSIを計算する「前段階」でデータを浄化する必要があると考えました。
高周波のノイズと、低周波のトレンド(スペクトル拡散の原因)の両方をカットし、RSIが最も得意とする「明確な波」だけを入力データとして与えるために開発されたのが、このRoofing Filter(屋根フィルター)を用いたRSIです。

■ 独自の算出ロジック(概念解説)
この指標の核心は、RSIの計算そのものではなく、その対象となるデータの前処理(プレフィルタリング)にあります。
Roofing Filterとは、無線通信機などで使われる技術を応用したもので、具体的には以下の2つのフィルターを組み合わせた「バンドパス(帯域通過)フィルター」として機能します。

  • ハイパス・フィルターによる「ドリフト除去」
    市場価格に含まれる、周期の非常に長い成分(長期トレンドや直流成分)をカットします。
    これにより、価格が上昇し続けても指標の基準線がずれていくこと(ドリフト)を防ぎ、常にゼロラインを中心とした振動波形を取り出します。

  • スーパー・スムーサー(ローパス・フィルター)による「ノイズ除去」
    Ehlersが得意とする強力な平滑化フィルターで、市場にとって意味の薄い極めて短い周期の変動(高周波ノイズ)を遮断します。

Roofing Filter RSIは、この二重のフィルターを通過し、きれいに整えられた「純粋な価格変動データ」に対してRSIの計算式を適用します。
結果として、価格そのものを使う通常のRSIとは全く異なる、滑らかで明確な曲線が描かれます。

■ この指標が見ている「市場の事実」
Roofing Filter RSIが反応しているとき、それは市場の「長期的な方向感」や「瞬間的な雑音」に惑わされることなく、現在市場を支配している「主要なサイクル(循環)の位相」がどこにあるかを示しています。

具体的には、この指標が底打ちして反転するとき、それは単なる一時的な押し目ではなく、市場の短期から中期的なサイクルのエネルギーが物理的に「転換点」を迎えたことを意味します。
トレンドのバイアス(偏り)が除去されているため、強い上昇トレンド中であっても、サイクルの頂点(買われすぎ)と底(売られすぎ)を、通常のRSIよりもはるかに正確かつ敏感に捉えることが可能です。
これは「勢い」というよりは「周期的な位置」を測定している状態と言えます。

まとめ
Roofing Filter RSIは、RSIというエンジンの性能を上げるのではなく、エンジンに供給する燃料(データ)を最高品質に精製することでパフォーマンスを最大化しようとするアプローチです。
トレンドによる歪みとノイズによる誤作動を排除することで、市場のサイクルをクリアに可視化するこの指標は、現代のアルゴリズム取引や高度なシステムトレードにおいて、極めて重要な役割を果たしています。
ダウンロードは下記よりどうぞ。

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