甘党にも選ばれた神のスナック菓子
朝寝て夕方に起床する、という逆転劇を決め込んだ私はすっかりnoteのことなど忘れて自堕落に過ごしていた。そんな私が今更何をしに戻ってきたかと言うと、ちょっとしたプレゼンテーションを公開するべく舞い戻ってきた次第である。
『ハートチップル』
それはまさしく神のスナック菓子であった。
煎餅などで知られるうるち米が主原料に使われているが、そのサクッとした口当たりの良い食感から広がるアグレッシブ且つサイケデリックな香りと舌触りに私はいつも感動を覚えている。今まで食べてきたスナック菓子とは明らかに一線を凌駕していた。
あのとち狂っているとしか思えないパッケージを開封した瞬間、3つ4つと連続で食べていく最中、世界がニンニクで満たされていくのを感じながらコーラを流し飲む……。まさに唯一無二のクレイジー、神スナック菓子と言わざるを得ない代物だ。
購入するときは常に2袋買うようにしろ!わかったな!?
ところで話は変わるが、私のパトロンは大の甘党である。どのくらい甘党かと言うと、カカオが数%しか配合されていない大袋のやっすいチョコレートを美味い美味いと評する舌と頭を持っており、その量を半日足らずで平らげても全く胸焼けを起こさない特異体質持ちだ。また、そんなチョコレートは子供が食べるキャラメルだと述べられた意見に対していつまでも粘度の高い怒りを見せる過激派でもある。恐ろしい。この糖尿病予備軍め。
そんなパトロンですら「美味しい」と言い、コーラを片手に嗜むほどであった。ハートチップル教に入信するのも時間の問題だった。よくわからん柿の種チョコをストックするよりハートチップを置いておくほうがよっぽど健康的だと思った。頭は悪くなりそうだが。とにかく私は新たな信者に喜びを得たのだった。
……と、ここまでは良かったのだ。何故なら私の計算通りだったから。しかし、新たな信者は癖が強かった。教団の下っ端にいる私の手には負えなかった。もともと人生分甘党に所属していたのもあいまって、パトロンは遙かな高みに昇っていたのだ。
今、私の目の前にはあのイかれた袋がある。既に私はニンニクの香りで満たされており、1つは食べたばかりの空き袋だった。しかし、不思議なことに棚にはまだ3袋あり、冷蔵庫にはコーラが残されている。私は硬直した。麻薬取引現場を眼前で見てしまったような気分だった。
「だって常に2袋っていうから……」
駄目だ、頭がニンニクでやられている。もうおしまいだ。手には買い物袋。透けて見えるあのパッケージ。誰か、助けてくれ……。私は涙した。その意味は、まだわからない。
