【セキュマネ】平成29年度春午後問1の解説(情報セキュリティマネジメント試験, SG, 科目B)
このNoteでは「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」平成29年度春科目B問1を解説します。
マルウェア用語が一杯出ましたね。攻撃/バックアップ/RAIDも絡んだので、全部ひっくるめて復習する機会でした。

ランサムウェアが主テーマだったので、過去問演習の成果が出たかも確認してくださいね。>【SG】平成31年度春午後問1設問2(3)補強の解説Note
このNoteには、私がIT専門学校で授業したことを基に作成しています。専門学生は更に上位のFE, APを目指します。SGは通過点に過ぎません。意識を高く持って、合格以上の収獲を得て欲しいと思い解説を作りました。
それでは始めましょう!
私のNoteは500記事以上あります(2025/11/30)。
SG科目A/午前も解説作りました。
>全Noteへのリンク(SG)
設問1(1)a | 暗号化+脅迫=ランサムウェア
正答は、オ(ランサムウェア)。
5頁頭の【空欄a】前後より、「マルウェア」である点。図2の【空欄a】前後より、「暗号化」が絡んでいる点。ランサムウェアだと判断できますね。
戻って4頁末「金銭を要求するメッセージ」。もう完璧ランサムウェア。
ランサムウェアは、感染すると「ファイルを勝手に暗号化」して使えなくし、解除するための金銭を「脅迫」するマルウェア。

「暗号化」「脅迫」のキーワードでIパスも合格できましたね。>【Iパス】マルウェア2:ランサムウェアのNote
補強 | 余裕あれば ドロッパ, ダウンローダ
他選択肢の用語もざっくり解説します。Iパスレベルです。
アドウェア:過剰広告やスパイウェアが仕込まれる場合が危険。
キーロガー:キーボードから情報窃取。スパイウェアの一種。
ダウンローダ:不正プログラムをダウンロードするマルウェア。
ドロッパ:内部に持った不正コードをあるタイミングで投下する。トロイの木馬の一種。
ルートキット(rootkit):侵入に成功した攻撃者が隠し残すプログラム群れ
ワーム:マルウェアの代表。寄生する宿主が不要なのが、ウイルスと違う。
優先順は、ワーム>キーロガー>アドウェア>ルートキット。ダウンローダとドロッパは余裕があれば。>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote
ワーム | ホスト(宿主)不要
ワームはホスト(宿主)は不要です。プログラムにくっつかず、ワーム(プログラム)単体でコンピュータ内に存在でき、活動をします。
ワームは、イモ虫という意味。イモ虫は単体で存在できますよね。

最初に覚えるべき3分類。
ウイルス:感染する宿主(ホスト)が必要
ワーム:宿主(ホスト)は不要
トロイの木馬:正常なソフトと見せかけて裏工作する
>【Iパス】3つのマルウェアNote
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(マルウェア)
アドウェア | 過剰広告+スパイウェア
アドウェアは、広告が表示され開発者に収入が入るコンセプトで、本来は有益な機能を持つソフトウェアです。
Youtubeさんやabemaさんだって無料で使える代わりに、動画投稿主さんや運営に広告収入が入る仕組みですよね。ソフトウェアも同じ。

しかし、過剰な広告表示をさせたり、スパイ機能がつけられたりしているものも多くあり、「アドウェアはスパイウェアの一種」と分類される場合も多いです。
キーロガー | スパイウェアの一種
キーロガーは、スパイウェアの一種で、キーボード入力を盗み見ます。スパイウェアは、ファイルやキーボードの入力などの情報を収集して、攻撃者のサーバに送信するプログラムです。

>【Iパス】スパイウェアのNote
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(キーロガー)
rootkit(ルートキット) | 攻撃者の道具
ルートキット(rootkit)システムログを改ざんし、発見されにくくする攻撃者が用意したソフトウェア。
攻撃者がPCに侵入した後に利用するツールで、ログ消去やバックドアなどの攻撃ツールをパッケージ化して隠しておきます。
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(rootkit)
>IパスH31年春問94(過去問道場様)
>FEH28年秋問41(過去問道場様)
ドロッパとダウンローダ | 余裕あるなら
ドロッパ:内部に持った不正コードをあるタイミングで投下する。トロイの木馬の一種。
ダウンローダ:不正プログラムをダウンロードするマルウェア。
トロイの木馬は、正常なソフトと見せかけて裏工作するマルウェア。>【Iパス】3つのマルウェアのNote
ドロッパとダウンローダに地味な区別があるみたい(議論あり)。
ドロッパは、不正プログラムを”追加で”ダウンロードすることもあるみたい。ならダウンローダはドロッパの一種と見なせるかも。まぁあまり細かいことは気にせず、違いを問う出題あったら考えます。(参考Web:キャノン社)
余談 | 拡張子変更≠暗号化
なお3頁末「ファイルの拡張子が変更されてしまい、普段利用しているソフトウェアで開くことができなくなった」は、暗号化を示唆しているつもりでしょうが、特定はできません。
ファイル形式そのままで、拡張子だけ改名できますから。※windowsで拡張子を表示する設定にすればできます。
windowsはファイルをダブルクリックしたら、拡張子を見て、開くソフトを起動します。拡張子と開くソフトの紐づけを「関連付け」と云います。自分でも設定できますよ。

よって、3頁末「ファイルの拡張子が変更されてしまい、普段利用しているソフトウェアで開くことができなくなった」は当たり前なんです。
例えば、ファイル”test.txt”の文字を入力して保存、ダブルクリックしたらメモ帳が起動するはずです。ファイル名を"test.jpg"にしたら、画像ソフトで開くよう試みますがファイル形式が画像ではないので開けません。
拡張しをデタラメにしたら尚更です。拡張子「zzq」は使われていません。どのソフトにも関連付けされてません。よってダブルクリックしても開きません。
以上より、”拡張子が変わった=暗号化ではない”し、”ソフトで開けなかった=暗号化ではない”です。単なる改名、単にファイル形式を開けないソフトで開こうとしただけとも読めます。
設問1(2) | 暗号化+脅迫=ランサムウェア
正答は、コ(v, vii)。
v:端末がロック/ファイルが暗号化される
vii:感染PC/サーバの利用者/管理者に脅迫する
設問1(1)で解説済み。ランサムウェアは「暗号化」「脅迫」が特徴。
各選択肢も学びとして触れますか。
i:OSやアプリの脆弱性を悪用して感染拡大。
➡マルウェアや攻撃で一般的な性質。ランサムウェアならではの特徴ではない。ii:Webページを閲覧するだけで感染。
➡「ドライブバイダウンロード」とか「XSS」なのかな。
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(ドライブバイダウンロード)
>【Iパス】Web系攻撃5つNote
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(Webアプリ系)iii:感染経路が暗号化通信に限定される。
➡通信が暗号化/平文(暗号化されてない)でも感染する時はします。iv:感染後、収集したデータを外部に送信。
➡「スパイウェア」に多い傾向かな。ランサムウェアならではの特徴ではない。
>【Iパス】スパイウェアのNote
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(スパイウェア)vi:マルウェア対策ソフトで感染対策できる。
➡マルウェア全般の話。対策ソフトが対応できる範囲なら防止できるでしょう。ランサムウェアならではの特徴ではない。
補強 | XSS(クロスサイトスクリプティング)
XSSは、Webサイトに「悪意のあるスクリプト」を埋め込んで、閲覧者の訪問時に実行させ「偽サイトに誘導」する攻撃です。
偽サイトでIDやPWDを入力させたら、あなたのアカウントでログインできちゃいますね。
XSS(クロスサイトスクリプティング):Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込んで、閲覧者の訪問時に実行させ偽サイトに誘導する
XSRF(CSRF, クロスサイトリクエストフォージェリ):Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込んで、閲覧者が気づかないうちに別サイトで意図しない操作をする
SQLインジェクション:データベースを不正利用する
OSコマンドインジェクション:コマンドを不正利用する
ディレクトリトラバーサル:公開側が意図していない領域にアクセスする
BoF(バッファオーバーフロー):想定外の長大な入力をしてバッファをあふれさせ、攻撃者の用意したプログラムを実行させるなど誤動作させる
>【Iパス】Web系攻撃5つNote
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(Webアプリ系)
補強 | ドライブバイダウンロード
ドライブバイダウンロード攻撃は、新たにマルウェアをダウンロードさせる手口。
WebサイトにダウンロードするURLやスクリプトを仕込んでおいたり、感染させたマルウェアから更にダウンロードさせたりなどします。基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・セキスペと幅広く出題されていますね。
>【SC】出た73種類の攻撃手法のNote(ドライブバイダウンロード)
>FER05問9(過去問道場様)
>FEH30春問36(過去問道場様)
>APH29秋問40(過去問道場様)
>SCH27秋AMII問8(過去問道場様)
設問1(3) | 常識・出題実績は覚えるかな
正答は、イ(Bitcoin, Tor)。
まず知っておくべき技術用語から消します。
SSL-VPN:VPNは暗号通信路を作る技術です。VPNで一度暗号通信路を作ってしまえば、その中で暗号化していない通信(平文通信)であるHTTPやTelnetやSMTPを使っても大丈夫。>【Iパス】9つの基本プロトコルのNote
VPNの実現方法は複数ありますが、SGレベルでは一旦違いは意識しないで大丈夫。下位で使うプロトコルが違うだけ。
「SSL-VPN」「IPsec-VPN」。
>【NW】IPsecとVPNのNote
>【NW】SSL/TLSのNote
ゼロデイ攻撃:ソフトウェアの脆弱性への対策が配布される前に、脆弱性を悪用した攻撃をする。>【Iパス】出た攻撃を集めてみたNote
バックドア:いわば裏口。攻撃対象内に仕込まれた、侵入しやすくするプログラムや設定。
>【Iパス】出た攻撃を集めてみたNote
>【SC】出た73種類の攻撃Note
以上は、攻撃者への支払いとは関係なし。
次に今回の学び。ビットコインは今や常識。
bitcoin(ビットコイン):仮想通貨(暗号資産)の代表格ですね。一緒に「ブロックチェーン」「分散型台帳」「NFT」も。>【Iパス】ブロックチェーンのNote
Tor:TCPを匿名化する技術。Tor(The Onion Router)の”Onion = 玉ねぎ”のように、中継されるたびに暗号化を多層にしていく。送信先/送信元IPアドレスを隠し、追跡も困難にする(wikipedia)。
ポストペイ式電子マネー:後払い式の電子マネー。”ポスト”が”後”と言う意味。ニュースで”次の総理”の意味で「ポスト【総理の名前】」と聞いたことないでしょうか。
覚える順番は、ビットコインは常識として、Torは出題されちゃったので。ポストペイ式電子マネーは使わなそう/出題されなさそうなので、私は暗記せず。英単語”ポスト=後”を知ればOK。>【Iパス】英単語で覚える2つの意味Note
私の解答手順。
❶ビットコインを採用してア~エに絞り。仮想通貨の匿名性はニュースで聞いたことあり。昔はスイス銀行、今は仮想通貨の印象。
❷ア(SSL-VPN)とウ(ゼロデイ攻撃)を削り、イorエ。
❸イ(Tor)かエ(電子マネー)で迷い。エ(電子マネー)は金融機関から特定できるよなぁ、と考えて削って、イ。
二択まで絞れたなら良いでしょう。確率50%。
もし、ビットコインだけの選択肢があったら選んでました。Torも電子マネーも正直よく分からないので、知っている言葉だけで選びます。知らない言葉を勘で加えて、失点したら後悔します。
設問2(1)bc | 注記にヒント/罠あり
【空欄b】正答は、オ(1, 4)。
1:攻撃者からの要求金額
4:犯罪に屈した企業価値の損失
【空欄c】正答は、ク(3)。
3:自力解読の金額
迷ってもヒントがありました。表1注記2「I, II, IIIは互いに排他的である」は、共存しない(=どれか1つ)という意味。例えばIに該当したら、IIとIIIには該当しない意味。>長文問題を解く6つのテクニックNote(2)
下図は容易に理解できると思います。

項目4「犯罪を助長」は、身代金を支払うと、悪い人達は”この手口はお金になる”と考えて、同じ手口で他組織に攻撃を展開していくので。犯罪件数を拡大していく旨。
米国政府が”テロリストとは交渉しない”と公言してる理由の1つですね。更なるテロの発生に繋がるので。交渉に応じないので、当該件の犠牲は出てしまいますが。”やっても無駄””割りに合わない”と思わせて、発生させないようにする方向。
設問2(2) | 攻撃者=悪人の立場で考える
正答は、ア(i, ii)。
i:攻撃者に支払うと追加攻撃される
ii:攻撃者に支払っても復号できない
悪ーい攻撃者の立場で考えるだけです。
i:お金が来るなら、追加料金を要求しますね。私が攻撃者なら返答せず終了。
ii:攻撃者が約束を守る必要ないですね。私が攻撃者なら返答せず終了。
iii:「デジタルフォレンジックス」は、ログなどのデータを「法的証拠」に使えるように取得/保管管理すること。暗号化/復元とは無関係。>【Iパス】キーワード連結の解法Note
iv:具体的な金額が明記されてないので不明。
不明なiv(金額)について。
もし他に正解候補がなければ考えますが、「全て挙げよ」で(i, ii)の2つも挙げれば充分でしょう。
もし1つしか挙がってなくても、「全て挙げよ=2個以上」でもないので、不明解答を追加して失点するリスクは、私は背負いたくないかな。
”勘で蛇足”は後悔しますよ。
設問3(1) | 各選択肢を問題文で事実確認
正答は、ウ, エ。
ウ:Q営業所NASのデータバックアップしてなかった
エ:NAS/PCに保存するデータに個人差がある
下線④は、「データの取扱い」「バックアップ」の「ルール」の「不十分」さの話。
各選択肢を1つずつ、問題文で事実確認して、解釈します。
ア:B-PCのOS復元領域が削除された
➡図2後半「今回のマルウェアは、OSの復元領域を削除していた」
➡マルウェアの挙動であり、データの取扱い/バックアップのルール不充分が原因ではない。
イ:T社の業務/メールサーバが営業所と接続され、受発注/出荷のデータが送受信された
➡3頁前半「Q営業所と本社はVPNで接続されており、営業所員は本社にある業務サーバ及びメールサーバにPCからアクセスして、受発注や出荷などの業務を行っている」
➡正常な業務。
➡データの取扱い/バックアップのルールとは無関係。
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