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軍需の要請が進めたメートル法の統一を日中戦争中の1939年ごろの栞に見る

 こちら、日本度量衡協会長野県支部が発行した「メートル法の栞」です。1939(昭和14)年の発行とみられ(理由は後述)、表紙に歩兵、軍艦、飛行機が印刷してあるので、ああ、戦争に絡めて注目を集めようとしたんだなと思いました。何しろ「空も、陸も、海も」なんて入っていますから。が、半分は当たっていましたが、理由は別にありました。

 まずは、メートル法導入の歴史を調べたところ、世界的には1875(明治8)年のメートル条約でしたが、日本は同年、度量衡取締条例で尺貫法を継続することとしています。その後、あらためてメートルの基準が制定されたのを機に、1885(明治18)年にメートル条約に加盟、翌年公布されました。しかし、普及のため正式に法律ができたのはそれから5年後の1891(明治24)年の度量衡法でした。ただ、これは法律で尺貫とメートルの原器で定義したもので、メートル法への転換を図ったものではなく、尺貫法、メートル法、ヤードポンド法の3種類の計量単位が併用されていました。

 ようやく1921(大正10)年の改正度量衡法でメートル法に統一することが決まりますが、猶予期間がたびたび伸ばされて、完全にメートル法に統一されるのは敗戦後の1951(昭和26)年の計量法施行によるまでかかりました。

 この栞の1ページ目には、1939(昭和14)年6月30日をもって「メートル法度量衡専用実施の第一次猶予期間」が終了するとあります。度量衡法施行令附則の規定で、官公署、主要工業でのメートル法完全実施を行なうとのことで、これは軍需工業に関係するものにまずは導入するというものだったとみられます。これで、表紙が軍隊関連であったことの意味が分かりました。

ネット検索ではひっかかりませんが、デジコレなら分かるかも

 次のページに、該当する事業が載っています。もっとありますが、ごく一部をどうぞ。

兵器製造という国家の要請が普及を後押し

 このため、以後のページの内容は専門的な表現が続きます。このほかにも鋼板やパイプの口径など、いろいろ出てきます。

歯車のヤードポンド法からメートル法への換算
重さの関連の値段換算表
メートル法単位。漢字表記が分かります
靴下サイズとか、改定は面倒だったでしょう
今も使える単位換算表
足袋とかもセンチに。でも、このあたりはずっと続いたような
白米や呉服など、生活用品の換算も

 戦争が影響しているものは数々ありますが、メートル法の推進にもかかわっていたとは。調べる程、いろんな事が分かってきます。いつまでも勉強です。

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