通帳残高マイナスだった私が、「資産運用」を始めた日
恥ずかしくて誰にも言えなかった通帳の話
53歳で家を買った直後、私の普通預金は――マイナスでした。
銀行の当座貸越。つまり「借金」です。
手元にあったのは、よくわからないまま入っていた投資信託が100万円ほど、満期になったら100万円もらえるという保険がひとつ、そしてアメリカの銀行に眠らせたままのドル預金が100万円ほど。
これ、資産運用って言えるんでしょうか。
正直、言えませんでした。
ただ「なんとなく置いてあるお金」がバラバラに存在していただけ。管理もしていなければ、増やそうという意識もゼロ。それなのに、家を買うという人生最大級の決断はしてしまった。順番が完全に逆だったと思います。
同じように「貯金なんてほぼない」「あっても何にどう使えばいいかわからない」という50代の方、きっと少なくないはずです。
今日はそんな私が、そこからどうやって資産運用に足を踏み入れたのか、リアルな数字とともにお話しします。
なぜ50代で「今さら」動き出したのか
きっかけは単純です。家の購入を決めたから。
海の近くの新築一戸建て。通勤に2時間かかる立地でしたが、南向きの明るいリビング、海岸まで歩いて5分、波の音が聞こえる暮らしに憧れて決めました。
ただ、大きな買い物をしたあとに残ったのは、マイナスの通帳と「この先、老後資金どうするの」という漠然とした不安でした。
60歳の定年まで、当時で言えばあと数年。退職金はあるけれど、それだけで安心できる金額ではない。企業型DC(確定拠出年金)には入っていたものの、正直なところ中身をちゃんと見たことすらありませんでした。
「このままではまずい」
そう思ったのが、資産運用を始めた本当の理由です。かっこいい話ではなく、危機感からのスタートでした。
最初の一歩は「つみたてNISA」、それだけ
2022年、つみたてNISAを始めました。50代からのスタートです。
大それたことはしていません。毎月決まった額を、コツコツ積み立てただけ。むずかしい銘柄選びに時間をかけるのではなく、「まず始めること」を優先しました。
50代からの資産運用で一番もったいないのは、情報収集だけして結局始めないことだと、今なら分かります。
バラバラだった資産を「NISAという器」にまとめた。つみたてNISAを続けながら、もうひとつやったことがあります。
それまで放置していた投資信託100万円と、満期型保険100万円。これを1年ほど前、NISAの投資枠に移しました。
意味があったのは「まとめたこと」そのものです。それまでは、投信は投信、保険は保険と、それぞれ別の場所でバラバラに存在していました。
運用状況も把握しづらく、増えているのか減っているのかすら曖昧。それをNISAという非課税の器に集約したことで、初めて「自分の資産」として見えるようになりました。
ドル預金の100万円は、今もアメリカの銀行にそのまま置いています。アメリカに住んでいた当時に預けているので、円安の今、1.5倍ほどになっていて、日本の銀行に置いておくよりは、利息がついています。なので、無理に動かさず、あるものはある、と受け止めるのも一つの選択だと思っています。
すこし前に資産を数えてみたら、退職金を300万円と仮定して、今持っているものを全部足してみました。合計、約1,300万円。
マイナスだった通帳から数年でここまで来られたのは、特別なことをしたからではありません。バラバラだったものを一箇所に集め、決まった額を淡々と積み立てただけです。
ちなみに息子の学資保険代わりに入っていた外貨保険は、来年満期を迎え、350万円ほど受け取れる見込みです。これは老後資金とは別枠として考えています。また、自身の貯蓄型生命保険が60歳で満期を迎えるので、満期金が400万ほど入る予定です。
これから資産運用を始めるあなたへ
もし今、通帳を見て「マイナスかも」「バラバラで把握できていない」と思い当たるなら、それは決して手遅れではありません。むしろ50代は、退職までの時間を逆算して動ける最後のタイミングです。
私がやったことは、たった二つです。
∙ つみたてNISAを、少額でいいから始める
∙ 放置している資産を一箇所に集めて「見える化」する
特別な知識も、まとまった資金も必要ありませんでした。必要だったのは、マイナスの通帳から目をそらさない勇気だけだったように思います。
次回は、企業型DCの中身を実際にどう見直した
か、具体的な数字とともにお伝えしようと思います。
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