59,300事業所のカイポケが、ケアマネの机から“パソコン仕事”を消しにきた。ウエルモ「ミルモプラン」連携で始まるケアプランAI時代(今後のOasisへの対応は?)
「書類を書かないケアマネが、いちばん利用者のことを考えている」
ケアプラン作成に追われ、本来の仕事ができていない。そう感じているケアマネジャーは少なくないはずです。2026年3月、介護ソフト「カイポケ」を運営するエス・エム・エスと、AIスタートアップのウェルモが戦略的提携を発表。そして先日の金曜、エムスリーはワイズマンの完全子会社化を決定。介護ソフト市場は、いよいよ覇権を決める局面に入りました。このNOTEでは、ミルモプランがカイポケの中でどう機能するか、ファンド(Oasis)の圧力がSMSを動かした背景、そして三陣営に分かれた業界地図の意味を、現場目線で読み解きます。

介護ソフト市場の「今週」が歴史的だった理由
2026年6月第一週。介護業界の人間にとって、ニュースの密度が異常に高い一週間でした。
6月5日、エムスリーがワイズマンの発行済み株式全てを取得し、連結子会社化することを決定しました。取得予定日は7月1日。ワイズマンは1983年設立、老健の約40%・特養の約25%という圧倒的な施設系シェアを持ち、売上高123億円(2025年6月期)を誇る老舗です。同日、エス・エム・エスはオアシス・マネジメント(Oasis Management)の提言資料「A Better SMS」に対する当社見解を公開しました。
これで、介護ソフトの主戦場がどこかを疑う余地がなくなりました。
請求ソフトの時代は終わった。AI・データ・医療連携を誰が制するか。その答えを、巨大プレイヤーたちが数百億円規模の経営判断で示し始めた。それが2026年6月の第一週でした。
三陣営に分かれた介護ソフト業界の現在地
整理すると、介護ソフト市場は現在、明確な三つの陣営に収れんしつつあります。
まず、SOMPO×NDソフト(ほのぼのNEXT)の陣営です。
介護現場の運営実態と基幹ソフトを同一グループで持つ垂直統合型です。SOMPOケアが積み上げてきた現場のデータと、NDソフトの基幹ソフトが近い距離にある。施設系の現場実装力という点では、現時点で最も強固な構造を持ちます。
次に、エムスリー×ワイズマンの陣営です。
医師の9割超にあたる35万人以上が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」と、老健・特養・訪問看護に深く根を張るワイズマンが組む。医療情報と介護記録のシームレスな連携という軸で、「医療介護一体型DX」の要塞を築こうとしています。
そして、エス・エム・エス×ウェルモの陣営です。
全国59,300事業所のカイポケが持つ「在宅・中小事業者への浸透力」と、ウェルモの「AI・RPA実装力」を組み合わせた独立系の連合です。ここにミルモプランが加わります。
三陣営の違いを一行で言えば、こうなります。
ほのぼの系は「現場運営」、ワイズマン系は「医療介護連携」、カイポケ系は「中小在宅事業者の業務そのもの」。
今回概要まとめ図
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