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「いかなる花の咲くやらん」第10章第4話 「鶴菊の番傘」

五月二十八日
 
兄弟は宿所で話し合った。「明日は伊豆国府までお戻りになり、明後日は鎌倉へお入りになるとのこと。今宵を逃しては仇討ちはできませんぞ」
「しかし、館の警備が厳しく祐経に近づくこともできん。どの宿にいるかもわからん。刺し違える覚悟をもってしても そばに寄ることもできなければ 刺し違えることさえできない」
「万策尽きたか」
兄弟が頭を抱えていると その時、宿の女中が一通の文を持ってきた。文には【今宵、鶴菊の番傘のある宿所へおいでください。祐経殿はそこにおります。亀若】と記されていた。
「兄上、亀若さんからでございます」
「にわかには信じがたい」
「今まで亀若さんの情報が間違っていたことがありましょうか。私は信じて良いと思います」
「わかった。鶴菊の番傘だな」


毎年5月28日に兄弟の冥福を祈り、箱根神社で祭事が行われます。その際に仇討ちのときに傘を松明代わりにしたことから、傘焼きが行われます。
傘焼きは城前寺でも行われます。

途中からこちらへ飛んでいらした方へ。
物語の始めはこちらの第1話です。
よろしかっら読んで下さい。

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