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《詩》 逃避する溶岩


溶岩が弾けるおとがする。
あれもこれももう全部いらない、
いらないよりももっと熱でどろどろに溶かした花崗岩のようで、それを知っている顔に全部塗りたくってイースター島に逝ってしまいたい、
そしてわたしは書くのをやめる、
この世界に必要なものは言葉じゃないから言葉以外のもので太陽系を壊す、上書きなんかしない、
あとかたもなく最初の間違いが起きる前、小さな波が生まれて
素粒子が二つになる前、
嘘です全部八つ当たりです、わたしは言葉を持てなかっただけ、
世界もわたしも偉大な建築家も空間認識できなかっただけ
この世界が加熱しつづけて体積をうしなうまで、
自分も人もコンクリートの隙間から生える野花も傷つけ汚す、
愛という語彙なんかいらない、
愛なんか知らなくていい、
裂け目から滲出液がでる、
愛を無響室で解体して、愛を忘れるために生まれ生きている、
その邪魔をするな、
やさしさという花粉をばら撒く人よ生き物よ
憎まれる人工杉は健気に天を目指している、微笑む大日如来よ
笑いでいい
小さな笑いで溶岩を冷やしかためてほしい、
再び質量の巨大なうねりが地球の裏側に沈殿するまで、
名前と笑顔も忘れたらまた小さく笑おうよ、生きていることに。
蒸気はうつくしく曲線を描き、灰がたまゆらのいのちのおしろいになる。



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