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《詩》 フライパン


新しいフライパンを買った。
三年前のかなしみとあいしてるを焼いた。
頃合いを見て裏返したら
右肩にあるケロイドにそっくりだった。

今度は昨日の憂鬱と猫のヒゲを焼いた。
裏返す前に換気扇に吸い込まれていった。

コンロを弱火にして、一番楽しみにしていたあの子の本当を焼いた。

水浸しになったのは、フライパンか私か、すっかり忘れてた洗面台の鏡か。

火元も消えてしまって、ケロイドもどきとあの子を冷蔵庫で冷やし固めた。
隠し味に今年の夏を閉じ込めておいた。



君はずっと笑ってる。
私の過去もいまも知ろうとしないで
君の過去もいまも知られないように


君はずっと笑ってる。




未完

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