遊戯王OCGの「カードになったわけ」を、僕たちはまだ知らない。
遊戯王のアニメ放送がひと区切りついてから、はや数年。 かつて放課後の教室で、誰もがデュエリストだったあの頃の熱狂を知る身としては、最近の「カード売上の低迷」や「新規アニメの不在」というニュースを耳にするたび、胸が締め付けられるような思いがします。
小学生時代、文字通り遊戯王に人生の彩りをもらっていた筆者個人として、このままこの偉大なコンテンツが衰退していくのは、あまりにももったいない。
では、遊戯王(OCG)が再び、時代を象徴する人気コンテンツとして返り咲くには何が必要なのか? その鍵を握るのは、「物語(ストーリー)」だと確信しています。
カードは「物語」がなければ、ただの紙切れだ
唐突ですが、みなさんに一つ質問です。 「物語」という概念は好きですか?
結末が気に入らない、あのキャラの扱いが納得いかない……そんな「特定の作品への好き嫌い」はあるでしょう。しかし、「物語という存在そのもの」を嫌う人は、この世にほとんどいないはずです。
私たちは幼少期から、絵本の読み聞かせやテレビアニメを通じて、無意識のうちに物語を血肉にしてきました。現代のSNSやYouTubeも同じです。 あなたが特定のインフルエンサーをフォローしている理由は、単に情報の質が良いからだけではないはず。その人が挫折し、立ち上がり、挑戦し続ける「生き様という名の物語」に、つい共感し、目が離せなくなっているのではないでしょうか。
「物語」は人を動かし、熱狂を生みます。 そして今、遊戯王に最も求められているのが、この「物語の可視化」なのです。
「100文字の効果テキスト」に隠された、熱いドラマ
遊戯王OCGのカードには、他のゲームに引けを取らないほど重厚で魅力的な背景ストーリーが存在します。しかし、ここには構造的な問題があります。
「効果が複雑すぎて、フレーバーテキストを書く隙間がない」のです。
フレーバーテキスト(Flavor Text)とは、ゲームやカードゲームにおいて、アイテムやキャラクターの説明文のうち、ゲームのルールや機能(効果)には直接関係しない、世界観や雰囲気を伝えるための文章のこと。料理の「風味(フレーバー)」付けのように、作品の没入感を高める役割を持つ。
例えば、こちらのカードを見てみてください。

効果の欄にはびっしりと「発動できる」「特殊召喚する」といった事務的な文言が並んでいます。しかし、その裏側にある「勉強が嫌いで怠けがちだけど、仲間のピンチには命を懸けて駆けつける勇気ある少年」といった情報は、カードを眺めているだけでは伝わってきません。
せっかくの素晴らしいバックボーンが、複雑なゲームルールの影に隠れてしまっている。これは、宝の持ち腐れと言わざるを得ません。
※「無垢なる者 メディウス」が登場する「アルトメギア」のストーリーをぜひ体験してみましょう。王道ではありますが、だからこそ胸を打つ魅力的な物語となっています。
幼少期に読んだ『ポケモンカードになったわけ』が教えてくれたこと
ここで、私の原体験をお話しさせてください。 小学生の頃、妹が買ってきた一冊の漫画がありました。姫野かげまる先生の『ポケモンカードになったわけ』です。

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この作品は、ゲーム上のデータでしかなかったポケモンたちが、なぜそのイラストのようなポーズをとっているのか、なぜその技を持っているのかを、切なくも温かい短編ストーリーで描いたものでした。
「へぇ、カード一枚一枚に、こんな理由(物語)があったんだ……」
幼いながらに、私は猛烈に感動したのを覚えています。それまでただの「対戦ツール」だったカードが、その瞬間、「かけがえのない相棒」に変わったのです。
遊戯王にも、この魔法が必要です。
提案:QRコードが繋ぐ「デュエル以上の体験」
最近では公式から素晴らしい背景ストーリー動画も公開されていますが、コストの面で全てのカードをアニメ化するのは難しいでしょう。
そこで例えば、カードの隅に小さなQRコードを印刷するのはどうでしょうか? スマホで読み込めば、そのカードの背景にある物語や、関連するカードとの相関図に一瞬でアクセスできる。さきほど紹介した「アルトメギア」のカードを例にあげると、
「メディウスは、運命を捻じ曲げてまでファインメルトを救ったのか。なんか、泣ける」
「メディウス召喚時に一緒にでてくるコイツが、すべての黒幕だったんだ。まるでキュゥべぇじゃん」
こうした「文脈」を知ることで、ユーザーは効率や強さだけでなく、「このカードを使いたい」という情緒的な動機でデッキを組むようになります。
最近登場した「オーバーフレーム」のような「見た目」を豪華にするレアリティ商法も一つの戦略ですが、最後にはやはり「物語」を愛してもらうこと。それこそが、コンテンツを長生きさせる唯一の道ではないでしょうか。

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おわりに:効果以上の「価値」を後世へ
「遊戯王OCGのカードになったわけ」を知りたい
カードに書かれたテキスト以上に大切な「物語」は、きっと世代を超えて、遊戯王という文化を未来へ繋いでくれるはずです。
あの日、ボロボロになるまで遊んだカードの向こう側に、また新しい冒険が待っていることを願って。
今から紙のカードを集めるのは大変そう。
そんなあなたに究極のデジタルカードゲームをご紹介。
さぁ今こそ、「先攻制圧」「後攻0ターン展開」「ピーピングの嵐」という理不尽に立ち向かおう!
追記:遊戯王マスターデュエルはものすごく掛け声の長いじゃんけんなのか?
マスターデュエルプレイしていますか?(筆者はイベントエンジョイ勢)
キラーチューンが実装されて、世はまさにピーピング&デッキトップ操作の時代となりました。
最近のピーピングありきのカードデザインは、お互い手札がわからないなかでの駆け引きを楽しむというカードゲームの醍醐味を著しく損なうものだと危惧しています。
このままでは、マスターデュエルは究極のデジタルコイントスゲーム、はたまた究極のデジタルじゃんけんとなってしまいます。(もしくは、先攻側からすると究極のデジタル詰将棋)
じゃんけんの良いところは、一瞬で勝敗が決まるところ。
「じゃ〜〜んけ〜〜ん」と掛け声をながくしても、お互いイライラするだけです。つまり何が言いたいのか?カードゲームで相手の長い先行展開を眺めていたところに、逆転の一手もうてないような状況に追い込まれる「ピーピング」までされてしまったら、それは「掛け声の長いじゃんけん」となってしまうということです。no more peeping!
本文で紹介した「アルトメギア」や、アルバスやエクレシアが活躍する「烙印」のストーリーはアニメ化してもいいぐらい出来がいいものだし、カードデザインも秀逸だと思います。
KONAMIさん、どうかこの路線でのカードデザインをお願いします!(まぁストーリーが良くても、効果が弱かったら見向きもされないし、話題にもならないんだろうけどさ)読者の皆さんはどう思われるでしょうか?気軽にコメントしてくださいね。
最後におまけで、理不尽なじゃんけんにも屈しない遊戯王星人たすくさんの華麗な捲りをご覧ください。
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