孤独な夜に処方箋をください。
世間の休日の始まりだというのに、世界はとっくに終わっているかのような顔で電車に揺られる。 吊り革を握る指先にはもう何の感情も乗らない。ライフはとっくにゼロで、朝イチで喰らった上司からの「あれどうなってる?」という呪文によってMPまで吸い尽くされている。
スマホの画面を親指でなぞるだけの簡単なお仕事。インスタのストーリーには会社の同期が手作りしたラザニアが、これ見よがしに湯気を立てていて、僕はそれを無表情でタップして次の画面へ送る。
週末のキャンプだの恋人との記念日ディナーだの、編集され切り取られた他人の人生のハイライトが網膜に焼き付いては消えていく。
いいねを押す。
僕の指先だけがかろうじて社会と接続している唯一のインターフェース。
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