利益より先に、資金が尽きる。中小企業こそ「資金繰り表」が必要だと思い知った話|エクセルテンプレート無料配布
前回の記事では「利益は“作品”、キャッシュは“現実”」というテーマで、キャッシュフローの重要性について書きました。
利益が出ていても、キャッシュがなければ会社は回りません。
逆に利益が多少悪くても、キャッシュが潤沢にあればすぐに倒れることはありません。
そんな話を、私はどちらかというと“理屈”として理解していました。
私は40代で脱サラし、現在はフリーランスの経理として活動しています。
もともとは企業で管理会計を取りまとめるマネージャーをしていました。
メーカー系企業で、サブスク型に近いストックビジネスが中心であったため、比較的キャッシュが潤沢でした。
毎月、ある程度安定した入金があり、常に数十億円単位の現金があったので、幸いなことに「資金繰り」に危機感を持ったことはありませんでした。
しかし、フリーランスになってから、中小企業の現場に近いところで何社か仕事をするようになり、考えが変わりました。
✅月末の支払い資金がいくらになるのか
✅今月の顧客からの入金はいつになるのか
✅銀行別に残高は足りているか
こんなにも“キャッシュ”に神経を使うものなのか、と。
まず、入出金のタイミング管理が非常に重要です。
月末には入金状況や銀行残高を確認しながら、支払いスケジュールを細かく調整することもあります。
「まだ入金されていない…」
「何時に入るんだろう…」
そんなふうに、銀行口座を何度も確認することもあります。
未入金が発生すれば、すぐにフォローが必要です。
一件の入金遅れが、資金繰り全体に影響することもあります。
大企業時代には見えていなかった、中小企業の経理担当者の大変さを少し理解できた気がしました。
そして改めて思ったのです。
やはり、会社を守るのは「利益」ではなく「キャッシュ」だと。
だから私は、キャッシュを“見える化”するために、資金繰り表を一から作りました。
今回は、その時に作成した「月別」と「日別」2種類の資金繰り表についてご紹介します。
記事の最後では、実際に使っているExcelテンプレートを無料で公開しますので、ぜひ最後までお読みください。
■ なぜ資金繰り表が必要なのか
資金繰り表は、簡単にいうと「将来のキャッシュ残高を予測する表」です。
利益管理だけでは、将来お金が足りなくなるかどうかは分かりません。
しかし資金繰り表を作ることで、
✅いつ資金が足りなくなりそうか
✅どの支払いが重いのか
✅このままいくと将来資金ショートしそうか
を、事前に把握できます。
特に重要なのは「キャッシュは余っている時に確保しておく」という視点です。
資金が苦しくなってから金融機関に相談しても、遅いことがあります。
私としては、最低でも“運転資金の2ヶ月分”くらいは、常に確保しておくべきだと感じています。
もし毎月の収入だけでまかなえないのであれば、早めに金融機関から借入を検討する。
これも経営判断の一つです。
資金繰りは「なんとかなるだろう」で回すものではありません。
先に予測し、先に手を打つ。
そのための道具が、資金繰り表です。
■ 作成したのは「月別」と「日別」の2種類
今回、私は資金繰り表を2種類作成しました。
目的が違うからです。
① 月別資金繰り表

これは、年間のキャッシュフローを俯瞰で見るためのものです。
毎月の収入・支出を項目別に整理し、前年の同じ月とも比較できるようにしました。
さらに、
✅経常収支・・毎月発生するもの
✅特別収支・・年に数回発生するもの
に分けています。
例えば、
【経常収支】
・売上の入金
・給与の支払
・家賃
・外注費
などの毎月発生する固定的なもの
【特別収支】
・設備投資
・補助金の入金
・税金の支払い
などの年間に数回しか発生しないもの
といったイメージです。
もちろん、この分け方は会社によって変わります。
経営者が何を見たいかによって調整すればよいと思います。
この月別の表はどちらかというと「長期的な資金予測」に使うものです。
✅年間で資金が増えるのか減るのか
✅どの月に資金負担が重いのか
そういった全体感を把握できます。
② 日別資金繰り表

一方、日別の資金繰り表はもっと実務寄りです。
「今月の資金は足りるのか?」
を確認するためのものです。
その月の、
✅入金予定
✅支払予定
✅口座引き落とし
✅税金や社会保険料などの支払い
などを日別で並べ、毎日の残高推移を確認します。
例えば、
「25日に給与支払いがある」
「27日に大口入金予定がある」
「でも入金が遅れると月末残高が危ない」
といったことが見えてきます。
つまり、短期的な資金ショートを防ぐための表です。
また、現金や銀行口座ごとの残高も管理できるようにしました。
実際の現場では「会社全体ではお金があるけど、引き落とし口座にお金がない」ということも起こります。
だからこそ、銀行別の管理も重要です。
■ 資金繰り表のエクセルテンプレートを無料公開します。
資金繰りは経営の“生命線”です。
しかし、頭の中だけで管理しようとすると、必ず限界がきます。
だからこそ、まずはシンプルでもいいので「資金繰り表」を作ってみることをおすすめします。
今回の記事で紹介した資金繰り表(月別・日別)について、実際に私が作成したExcelテンプレートを無料で公開します。
手計算をできるだけ避けられるよう、計算式を駆使してみました。
「難しいことはわからないけど、とりあえず資金繰り管理を始めたい」
「キャッシュの流れを見える化したい」
そんな方の参考になれば嬉しいです。
キャッシュは「会社の自由度」そのものです。
資金がある会社は、未来を選べます。
逆に資金がなければ、すべての判断が受け身になります。
だからこそ“利益”だけでなく、“キャッシュ”を見る。
その第一歩として、資金繰り表を活用してみてください。
ともに会社を良くしていきましょう!
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