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未来を託すために語り残すもの

振り返れば、人生の半ばを異国にて過ごしてまいりました。

インターネットもなく、ただ想像にかき立てられるばかりの遠い世界に身を投じ、歓びも苦しみも、傷つけることも傷つけられることも、すべてはひとつの流れの中にありました。

いまや、自らの未来を輝かしいものとして語る歳ではありません。
何者かになろうとあがくこともなく、ただ静かに後に続く人びとの挑戦を眺め、ひそかに声援を送る――それだけでよいと思うようになりました。

では、そのような立場にある者が「未来のためにできること」とは何か。

それは、これまでの歩みの中で見つけた大切なものを、ひとつの灯のように後の世に残すこと。


海外に暮らすほどに見えてきたのは、日本社会の独自の力でありました。欠点はあれど、それはそこにしかないものです。
逆に、理想郷のように語られる異国もまた陰影織りなす場所なのです。

すべてが規律にのっとり、人びとが互いを支え合う社会の姿は、容易に成り立つものではないと悟りました。


真に大切なものは遠くにあらず。

童話の青い鳥のごとく、ふと見渡せば、それはすぐ身のまわりにこそ在る。
気づかぬままに過ぎ去らせてはならぬ身近にある価値、かけがえのないもの。それを語り、未来に伝えることこそが、私に残された役割であると思うようになりました。

その思いを託すために、私は言葉を綴ります。
小さな記録であれ、誰かが受け取り、さらに次の未来へと繋いでくれることを願いながら。




小さな言葉であっても、誰かに届き、また未来につながることを願って。

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