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40のTipsと10のSlackbot開発、そしてITヘルプデスクの自動化。全員がAIを使いこなせる組織を目指す

SEVENRICH GROUP(以下、セブンリッチ)では、グループ全体でAI活用を推進しています。その中で、コーポレート部門ならではの役割を担っているのが安達 祐人さんと石井 良樹さんの2人。

グループのITを運用する立場としてグループの全メンバーが日常業務の中で自然とAIを使いこなせる状態を目指し、40以上のTips公開や10個のSlackbot開発、さらにはITヘルプデスクの自動化まで、着実に成果を積み上げてきました。今回のnoteではこれまでの取り組みと、これからの展望について話を聞きました。



グループITチームの役割は「グループ全体のAI活用ベースアップ」


── 今回のグループITチームの発足は、どのような経緯で始まったのでしょうか?

安達 祐人(以下、安達):
経営陣から「グループ全体でAI活用を加速させよう」という方針が示されたことがきっかけです。

セブンリッチには現在複数のAI関連部署があり、例えば「AI Rich studio」は外部企業向けのAI導入コンサルティングや研修を、「AX室」はグループ内の事業に特化したAIプロダクト開発を担っています。

私たちコーポレート部門であるグループITチームのミッションは「社員のAIスキルのベースアップ」。メンバーが普段の業務で自然にAIを活用できる環境を整えるため、グループ全体のAIガイドライン整備やTips集の作成、Slackbotの開発などに注力しています。


── おふたりの役割分担について教えてください。

安達:
最初は「とにかく2人でやれることから始めよう」というスモールスタートでした。私が方針設計や経営陣とのコミュニケーションを担当し、石井さんがTipsのコンテンツ考案や、実際の開発・実装などの実務を担うという体制で進めています。

(左)安達さん・(右)石井さん

現場視点のAI活用を蓄積。
現場の「小さな不便」を解消する40のTips 


── 社内ポータルサイトには40以上のAI活用に関するTipsがまとめられていますね。これらはどのように作成されたのですか?

石井 良樹(以下、石井):
まずは「手軽にAIに触れてもらうこと」を最優先し、バリエーション豊かなTipsを数多く発信していくことに決めました。

安達さんとは毎週定例ミーティングを行い、お互いにアイデアを持ち寄り「意外とこの機能は知られていないのでは?」「ここを工夫すればもっと効率化できる」といった、現場目線の小さな気付きを拾い上げ、コンテンツを拡充していきました。

グループポータルに「AI利活用」に関するページを作成。
セブンリッチでは社員全員Gemini PROを無料で使用できます


── 特におすすめのTipsはありますか?

石井:
ひとつはGoogleのワークフロー機能ですね。DifyやBotpressに似たノーコードツールなのですが、スプレッドシートやGmail、ドライブとの親和性が非常に高く、自然言語で「こういうフローを作りたい」と指示するだけで、自分好みのワークフローを簡単に構築できます。

様々な使い方が画像付きで丁寧に解説されています

石井:
ふたつ目は「NotebookLM」です。アップデートによりチーム共有が可能になったため、複雑なマニュアルや仕様書をNotebookLMで集約・管理することで、チーム内の情報共有が劇的に効率化されます。ぜひ全グループメンバーに活用していただきたいですね。


1ヶ月で10個のSlackbot開発を完遂。
「自ら作る」ことで見えてきた業務効率化の核心


── Slackで活用できるアプリも多数開発されていますね。

石井:
画像内の文字をテキスト化する「書き起こしbot」や、プロジェクトの懸念点を洗い出し考慮漏れを防ぐ「心配マン」など、現在10個ほどのSlackアプリを作成しました。


日々の業務が楽になるSlackがずらり


安達:
まずは1か月で「GeminiのAPIを搭載したアプリを10個作る」と期限付きの目標を掲げました。

推進する我々が10個くらい作れずにどうする、みたいな姿勢でした。品質はさておき、まずは一定の数を作ってみることでノウハウもたまるだろうと。

開発の難易度自体は高くなかったのですが、普段の業務を回しながら取り組むのが大変でした。でも、石井さんが熱量高く取り組んでくれて、開発の時間も確保しながらなんとか作れました。

── 未経験の状態から、なぜ作り切ることができたのでしょうか。

安達:
当時はAI開発に関するナレッジが乏しく、試行錯誤の連続でした。しかし、「質の高いものを生み出すためには、まず一定の量をこなす必要がある」とマインドセットを切り替えたことが大きかったと感じています。

石井:
当時は必死でしたが、振り返るとその経験が大きな糧になっています。イベント告知や一斉連絡のテキスト生成を支援する「周知補助bot」などは、現在も私自身が日常的に活用しており、実用性の高いものが作れたと実感しています。


ITヘルプデスクを、AI活用で初期回答を自動化


── コーポレート部門自体でも積極的にAI活用を行っているそうですね。

安達:
PCの故障やツールの不具合など、社内のIT周りの問い合わせに対する最初の回答を自動化しました。これまでは担当者が一件ずつ内容を確認して対応していましたが、現在はまずAIエージェントが初期回答を返す仕組みを導入し、1ヶ月ほど運用しています。

具体的な仕組みとしては、社員がGoogle フォームから問い合わせを入力すると、Slackの専用チャンネル(#ITヘルプデスク)へ通知が届き、それを受けてAIエージェントが即座に初期回答を行います。AIは過去のQ&Aや社内ポータルサイトの記事を学習しているため、それらの情報を基にした的確な回答ができます。

PCの不具合に関する問い合わせも、botの一次回答で解決

── 導入後の効果はいかがですか。

石井:
回答数や業務負荷そのものが劇的に減少したわけではありませんが、『即座に対応しなければならない』という心理的なプレッシャーは大きく軽減されましたね。

日常業務と並行して対応する場合、どうしても相談者を待たせてしまうことがありましたが、今はAIがすぐに初期回答を返してくれます。 回答の精度も高く、担当者の意図を的確に汲み取ってくれているという実感がありますし、 問い合わせた側も、その場ですぐに解決のヒントが得られるので、待たされるストレスが減って助かっているんじゃないかな、と感じています。

安達:
問い合わせ対応は『いつからその事象が起きているか』といった初動のヒアリングが不可欠ですが、その第一歩をAIエージェントが即座に担ってくれるのがありがたいですね。 担当者が引き継ぐ段階ですでに必要な情報が揃っているため、非常にスムーズです。最近は、人の対応がなくても問い合わせがクローズするケースも増えてきました。

基本的な確認作業を省略できるので、最初から本質的な課題解決に向けた『密度の濃いやり取り』に集中できるので、対応の質も高まっていると感じます。

── システムの構成や、実装の仕組みについて教えてください。

安達:
ワークフロー自動化ツールの「Make」をハブとして活用しています。仕組みとしては、Slackに投稿された内容をMakeが受け取り、Googleドキュメントに蓄積された過去のQ&Aや、社内ポータルサイトの情報を参照して回答を生成する、いわゆるRAG(検索拡張生成)の構成をとっています。


── 数あるツールの中で、なぜMakeを採用されたのでしょうか。

安達:
今回の目的は「まず1次回答の精度とスピードを検証すること」だったので、チャットボットとしてのリッチなUIを構築することよりも、既存の環境で迅速に実装できる「スピード感」と「拡張性」を優先し、使い慣れたMakeを選択しました。

石井:
これまでにSlackbotを10個ほど自作してきた経験が、今回のツール選定や実装に大きく活きています。数多くのbotを作ってきたことで、「この要件なら、あのツールのこの機能が使える」といった土地勘が働くようになりました。

新しいツールへの移行もスムーズでしたし、過去の積み重ねがあったからこそ、今回のような実用性の高い仕組みを短期間で形にできたのだと感じています。


「意識せず使える仕組み」と「当たり前に使う文化」の実現へ


── 最後に、お二人それぞれの展望を教えてください。

石井:
社員の皆さんがわざわざ意識しなくても、普段の業務フローの中で自然とAIに助けられているような、心理的な壁を感じさせない仕組みを追求していきたいですね。

本人の意思決定を介さずとも裏側でしっかりサポートすることで、『AIってこんなに身近で便利なんだ』と自然に感じてもらえるようになればいいなと思っています。


安達:
グループ内のGeminiの利用状況を見ると、まだまだ拡大の余地があると感じています。まずは指標の一つとして、利用率を着実に引き上げていく工夫をしていきたいですね。

そのための施策として、現在は『AIアクセラレータープログラム』という推進プロジェクトを構想しています。これは、社内のAI活用推進のためにAIエージェントを構築・運用を全社一丸となって取り組むものです。認定者には活動予算を付与してバックアップしたり、 得られた知見をイベントなどで積極的にシェアしてもらうなどを考えています。これをきっかけに、社内にAI活用の輪が広がり、個人も組織もワクワクしながら成長できる環境をつくりたいですね。


グループ全体への広がりを目指して

コーポレート部門では40以上のTips提供やヘルプデスクの自動化など、さまざまなAI活用の取り組みを行ってきました。今後は、一部の活用にとどまらず、社内全体のAI利用率をさらに引き上げていくことを目指し、「AIアクセラレータープログラム」やイベントの実施を予定しています。

こうしたプログラムの進捗やイベントの様子は、今後もnoteでお届けしていく予定です。ぜひ次回の更新もお楽しみください。

安達さん・石井さん、ありがとうございました!


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