『ポケモン レジェンズ』シリーズへの需要と期待
「リメイク」よりも「系譜の新作」
自分はまず『ダイパリメイク』にそこまで不満を持っていない人間なのですが、それは単に第四世代に思い入れが無いからとかではなく、『レジェンズ アルセウス』がリメイクよりも嬉しかったからです。
製作形態から考えて、本来リメイクに割く労力を『レジェンズ』の方に割いて、ついでで取り合えず出したのが『ダイパリメイク』だと思われます。
ダイパリメイク単品で見れば確かにガッカリ気味の出来なのは間違いないのですが、本来の労力で真っ当にダイパリメイクを作られるよりも実際にお出しされたレジェンズアルセウスの方が楽しめているだろうからこれでよかった、という考えですね。
というか最初に同時発表(だよね?)された時点でそう思っていたのですが。

なぜそういう思考になるかと言えばいくつか理由があるのですが、1つ目としてそもそも自分は別にリメイク作品そのものの需要がおそらく低いです。
いわゆる「原作に忠実なリメイク」と、「原作に大きく追加するリメイク」がありますが、自分は「追加要素が無いなら別にリマスターでよくない?」側の人間です。
まあつまりそれに照らし合わせるとダイパリメイクそのものは微妙寄りというわけですが…
なので、『ORAS』とかはかなりの肯定派だったりします。エピソードデルタまで含めても。勿論『HGSS』も名作だと思いますが。
ただつまりこれって、「新しい体験」の方に重きを置いた考え方なんですよね。
ゲームに対する「思い出」はありますが、別に思い出に浸りたいわけではなく、思い出のゲームの世界観の中で新たな体験をしたいのだと思います。
「ソロ」と「マルチ」
ここから2つ目の理由に繋がるんですが、自分はポケモンを他人との通信対戦要素込みのゲームよりもソロプレイ向けRPGとして楽しんでいる面が強いです。
というか全体的にマルチよりもソロの方が好きなんですが、ポケモンはそもそも大きくマルチ要素に振ったのがBWまたはXYくらいからの印象で、自分はそれよりも前にポケモンに触れていたため、特にそういうゲームとして見ていなかったというのがあります。
コンテンツとして通信プレイ推奨なのは第一世代の時点でそうなんですけども。
で、ポケモンってなんだかんだ世代ごとに進化はしてるんですが、大きくマルチ要素、通信プレイ要素に振っていった弊害のようなものもあると思います。
具体的にはソロプレイ向けコンテンツの減少ですね。
バトルフロンティアを発端とするバトル施設はBW~XY以降どんどん存在感が薄れていき、対戦するならネットで他プレイヤーと、勿論高難易度コンテンツもマルチプレイ推奨で、みたいな傾向が強くなりました。レイドとか。
剣盾のバトルタワーとかこれ存在する意味ある?レベルだったしSVではついに消滅したと言っていいんですかね?
別にそれはそれで構わないし自分もネット対戦は多少は嗜むのですが、本質的にはやはりソロ向けRPGとしての楽しみの方がメインなわけです。
つまりストーリーを終えるまでが一番の山なんですね、自分にとっては。
それで言うとストーリーやキャラそのものへの力の入れ具合は昔よりもちゃんとしているので、別に絶対値で見て昔の方が今よりもソロが面白かった、と言いたいわけではないのですが。
ダイパリメイクは全体的にはがっかり気味な出来なのは間違いないのですが、リーグがかなりやりごたえある難易度だったので総合的にはまあ別にそんな悪くないんじゃないの、という感想になったりしています。
まあそこで満足してED後のコンテンツに全く触れていないのでやはりがっかり気味だったのは間違いないのですが…
「レジェンズ」シリーズの需要の合致
昔と今ではポケモンというコンテンツの大きさが圧倒的に違うし、一人プレイ用のゲーム体験よりも大勢で楽しむための要素に力を入れること自体は納得しているのですが、それは単に自分がゲームの対象となるメイン層からズレつつある、という誰も悪くない寂しい感覚です。
多少なりとも諦めの感情込みで、それでも別にソロでは楽しめないとか全くそんなことは無いのでずっとポケモンというコンテンツの本編には触れ続けているわけなのですが、そこに『レジェンズ』シリーズが現れました。
『レジェンズ』は、少なくともアルセウスに関しては(そして恐らくZAも)最近のポケモン本編の中では極めてソロプレイ向けのシリーズです。
というかほぼマルチ要素無いです。
前述したようにポケモンというコンテンツの需要をマジョリティ側に合わせて考えれば、そんなゲームを作る意味合いは低いはずです。
そして実際、明らかにダイパリメイクよりも力の入っているレジェンズアルセウスは、確かダイパリメイクと売上はあまり変わらないどころかダイパリメイクの方が売れているくらいだったと思います。
大多数の需要だけを考えればポケモンでソロ向けのゲームを今更作る理由はあまり無いわけです。
ですがアルセウスは世に出ましたし、結果として需要の差が証明されても尚『レジェンズZA』という新作が発売されます。
ここに、ポケモンというコンテンツを作っている側の人々の挑戦的な意欲、気概を感じています。
ポケモンって別にこのままの流れでゲーム出し続けててもあと十数年は最強コンテンツのままだと思うんですが、本編じゃできないことに挑戦して新しいことを試してみようという意図をレジェンズからは感じられます。
まず一番大きな点として、バージョン商法をしていません。
かなり売上に直結する部分ですし、完全に一人でプレイが完結するというのはポケモン本編ではこれまでに無かったのでは無いでしょうか。
特に「つながりのヒモ」は画期的というか、その意欲がわかりやすいアイテムだったと思います。本当に一切通信交換などの必要性は切り捨てているわけです。
これは絶対いつものシリーズではできない挑戦ですよね。
また、戦闘システム、ゲーム性もかなり違います。
どちらの方が楽しいかはさておき、パッと見は似ているものの実際はかなり色んな部分の仕様が変わっており、別のゲームの戦闘システムと言って良いものでした。
完成度は微妙なところですが、RPGとしては新鮮で楽しかったです。
持論ですが、RPGの場合別に戦闘システムのバランスが面白さに直結するとは限らないんですよね。RPGなら大ボスは多少は理不尽に強いくらいが良いと考えています。
また一部のボス戦ではアクション要素などもあり、難易度は低いものの今までRPGしか遊んでいなかった人も多いであろうコンテンツでやるのは中々挑戦的だと思ったのですが、新作のZAではついに基礎の戦闘システムそのものにアクション要素が付加されました。
これは割とどう転ぶかわかりませんが、とりあえず日和らず挑戦しているのは間違い無いでしょう。
他にゲーム性として大きいのは捕獲・育成関連でしょうね。
割と捕まえ放題なので、育成よりも捕獲の比重が圧倒的に大きいです。戦闘を挟む必要すら無いのは根本的な違いを感じました。
あとはストーリー面ですね。
これは本編でもBWくらいからなんかちょっと意識し始めたし、SVなどでもこれほんとにポケモン?ってくらい頑張っていたのですが、その前のアルセウスの時点でかなり攻めていました。というか攻め具合ならこっちの方が上ですかね。
確かアルセウスのストーリー面は発売まで結構色々隠されていたと思うんですが、蓋を開けてみると初手アルセウスから始めるポケモン世界転移生活というポケモン本編ではなかなか考えられない導入でした。
外伝ならポケダンとかも中々なのですが、あくまで外伝だし確かニンゲンと言ってもあくまでポケモン世界観の中に存在する人間がポケモンになった、みたいな感じだったと記憶しています。
「ポケモンが実在しない世界から普通に人語を喋るアルセウス(神)の手によって転移させられてきた」というのは、世界観的にだいぶ攻めていると感じました。(会話できるの自体はバドレックスの時点で居るけど)
まあ、そう読み取れるというだけでポケモンが実在しない世界から来たと断言されているわけではないので最低ラインは守っているということなのだと思いますが。
その後の展開もギンガ団に加入だったり、なんか未来から転移させられてきた可哀想なノボリ(これは似たような事をSMでもやってるけど)だったり、追放展開だったり、裏切り展開だったり、6vs8のボス戦だったり、神と謁見したりとあんまり本来の本編シリーズではやらなさそうなことをいっぱいやって新鮮でしたね。
シンオウ地方(ヒスイ地方)という思い出の地を舞台にして、とても新鮮なゲーム体験ができたレジェンズアルセウスを自分は大きく評価しています。
最終的に作り手側が何を目指しているのかまではわかりませんが、いつもの本編では出来ないことをどんどん試す実験場のように作ってくれるのは、恐らく少数派の自分にとってはですがかなりありがたいです。
できればZA以降もずっと定期的に出して欲しいです。
リメイクよりもこっちメインというのは多分賛否が分かれる部分でなおかつ普通にリメイクを望んでいる人のほうが多数派だとは思うのですが、実際今のところは自分に都合の良いように作ってもらえているので、このままの作り方を維持してくれると万々歳なんですが…どうなんでしょうね?
XYは恐らく立ち消えたZありきで消化不良だった部分もかなり多い作品なので、そっちの消化に関してもかなり期待しています。発売3ヵ月前の割にはまだあんまり情報が開示されている気がしませんが、これもどちらかと言えば自分好みですね。
どうせ買うゲームならネタバレは少ない方が驚きが多くて楽しいです。
総じて「新しい話であること」や「一人プレイ向けであること」、「今までやっていなかったこと」を楽しめる良いシリーズになっていくのではないかと思います。期待大。
それはそれとしてチャンピオンズもめっちゃ楽しみだったりする。
