2月19日と25日の日本株市場
A:2月19日に東証スタンダード市場に上場するエイジス(4659)が監理銘柄(確認中)に指定されました。同日、エイジスは有限会社斉藤ホールディングスによるTOB(完全子会社化を目的)に対して「賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」を公表。エイジスは流通小売業向けに棚卸代行を中心としたアウトソーシング・サービスを提供。本TOB公表日の数日前から突如株価が上昇しており、時価総額(2月25日時点)は約480億円。公開買付者である有限会社斉藤ホールディングスは、エイジスの創業者である齋藤茂昭氏の息子である齋藤昭生氏及び齋藤昭生氏親族の資産管理会社で、22.31%を保有する筆頭株主。第2位は齋藤昭生氏で12.04%を保有します。
R:但し、光通信(9435)グループが22.48%を保有している。
A:本件はMBOには該当しないようですが、公開買付者は創業家の資産管理会社であり、創業家一族との合意に基づいているため、「類型的に構造的な利益相反の問題や情報の非対称性の問題が生じうる」として、MBOと同等の公正性担保措置を講じて手続きが進められているとのことです。
R:東証のゴミ箱市場であるスタンダード上場企業の中では、時価総額は小さくないものの、5割弱(46.75%)を資産管理会社および創業家・親族が保有しているため、流通株式時価総額はその分小さくなる。こうした中途半端な上場企業はどんどん市場から退出頂きたい。
A:それにしても、光通信の投資先がことごとく、TOBやMBOの対象になっていますね。
R:次は2月25日の動き。この日は大きな事案が複数あった。
A:伊藤忠商事(8001)が上場子会社(52.46%を保有)である伊藤忠食品(2692)に対するTOB(完全子会社化を目的)を発表。TOB価格は1株13,000円。これは前日の終値に対するプレミアムはわずか8%です。伊藤忠食品は食品卸大手。東証プライム上場でTOB公表前の時価総額は約1,600億円です。
R:伊藤忠商事は100%子会社として食品卸最大手の日本アクセスを持つ。日本アクセスは低温物流に強みを持ち、ファミリーマート向けの取引が多い。一方、伊藤忠食品は酒類や加工食品など常温物流に強みがあり、セブンイレブン向けの取引が多い。よって、両者には重複が少ない。
A:伊藤忠商事はもっと早いタイミングで伊藤忠食品を完全子会社化するものと想定していましたので、遅かった印象です。両社の連携強化だけでなく、社会的コストの削減のために統合までお願いしたいです。
R:同日、伊藤忠商事はサンフロンティア不動産(8934)に対する出資(資本・業務提携)を発表。TOBと第三者割当増資を通じて新規に最大20.05%を取得するものであり、サンフロンティア不動産を持分法適用関連会社にすることを目的としている。サンフロンティア不動産は不動産再生サービス会社。東証プライム上場で時価総額は約1,350億円(2月26日時点)。老朽化したビルが増加する中、中古オフィスを改修して販売するビジネスに商機を見出しての出資と見られている。
A:同日、JX金属(5016)が上場子会社(50.38%を保有)の東邦チタニウム(5727)を株式交換で完全子会社にすると発表しました。JX金属は先端素材メーカーでENEOSホールディングス(5020)の持ち分法適用関連会社。東証プライム上場で時価総額(2月26日時点)は今や3.8兆円を突破した大化け銘柄です。一方、東邦チタニウムはチタン素材メーカー。東証プライム上場で株式交換の発表前の時価総額は約1,350億円。JX金属は祖業の銅鉱山や製錬から半導体事業に軸足を移しており、東邦チタニウムを取り込むことでAI特需に沸く半導体素材の開発を強化していくものと見られています。

