インタビューは「響き合い」の時間
先日は、久しぶりに取材に出かけました。
取材先は、愛知県岡崎市にある老舗の和ろうそく店です。
取材の連載も、今回のろうそく店が11ヵ所目、記事としては10回目となります。
取材を始めた頃は、下調べをして質問を考え、だいたいこんなストーリーで記事を書きたいなと頭に描きながら、インタビューをしていました。
でも、以前に組子職人さんへの取材をしたとき、自分の思い描くストーリーに誘導しようとしていたのではないかと気付いた瞬間がありました。
そのときのことを書いたのが、こちらの記事です。
私はそれ以来、「こういう方向性の記事にしよう」と先に思い描くのをやめるようにしています。
インタビューのその場で感じたことを大事にしたい。
そして、そうした方が、インタビューされる側である相手にとっても、自分では気付かなかった思いに気付いたり、「本音」を話せる時間になると感じています。
とはいえ、ニュートラルな気持ちで話を聞くのって、なかなか簡単ではありません。
相手の言葉を聞きながら、「次は何を聞こう?」なんてことが頭をよぎるし、「私だったらこうするのに」とかつい自分に意識がいってしまいます。
それでも、ただただ目の前の相手の話に集中して聞いていると、自分の心の動きをふと感じられる瞬間があるんです。
そこが、自分だからこそ伝えられるものにつながっていくんじゃないかと私は考えています。
ちなみに先日の取材を終えて私が一番感じたことは、「伝統工芸を何とか残したい、残ってほしい」と思うのは、ひょっとしたら当事者でない第三者のエゴなのではないかということ。
それを強く感じたということは、「私はそういうメッセージを受け取った」ということなんです。だから、そうしたメッセージが伝わるような記事に仕上げていきたいと思います。
インタビューって、質疑応答を繰り返しながら互いの解釈を響かせ合っていくものだと思いましたし、「私が書きたいこと」を聞いて書くというよりも、「相手が言いたかったこと」を聞いて書くことなのだという思いが
一層強くなりました。
和ろうそく店の取材記事は、今月公開予定です。公開まで、もうしばらくお待ちくださいませ!
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